民進党「甘利前大臣疑惑追及チーム」(座長・大西健介衆院議員)は12日午後、国会内で会合を開いた。甘利前大臣の金銭授受問題で、東京地検特捜部が8日、UR(都市再生機構)などの強制捜査に入ったことを受け、国土交通省とURの担当者からこれまでの国会での答弁内容についての説明を受けるとともに、URに対して新たな情報を開示するよう求めた。

 大西議員は冒頭のあいさつで、東京地検の強制捜査について「アリバイ的にやるのであればあのような、夜を徹してダンボール箱30箱という捜査にはならないのではないかと思っている。捜査の行方はしっかり見守っていきたいと思うが、これまでの国会の場での『あっせんはなかった』あるいは『(URから建設会社への補償金2.2億円という支払額は)客観的な基準に従って適正だった』という答弁が結果としてうそをついたことにならないかをしっかりと検証していかなければいけないと思っている。ぜひとも正直にお話をいただきたい」と呼びかけた。

 山井和則国会対策委員長代理は、甘利前大臣が交渉責任者であったTPP(環太平洋経済連携協定)の国会承認を求める議案を審議する衆院の特別委員会で8日、石原担当大臣の答弁や西川委員長の議事運営を不服として民進党が抗議し退席、審議が中断した後、与党側からは現在に至るまで一切連絡がないとして、「与党による審議拒否であり、政府・与党による甘利前大臣隠しだ」と、その対応を批判。「甘利前大臣に参考人として国会に出てきてもらう必要がある」とあらためて指摘し、「逃げまくって隠しまくるということはやめていただきたい」と述べた。

 会合では、国交省とURから説明を聞いた後、出席議員らは「一般論として、URとして不法占拠の土地に補償金を出すことはあるのか。基準を示してほしい」「強制捜査が入り、このままだと社会的信頼がさらに損なわれるような状況になっているなか、今まで黒塗になっている部分を含めて開示してはどうか」「黒塗りの部分に、例えば『甘利』という文字が入っているかどうかも捜査に影響があると考えるのか。入っていなければ『入っていない』言えばいい。『入っていない』ということが捜査に影響するのか」などとただした。UR側は「捜査の内容に関わることは答えられない」「情報公開制度に則り対応している。新しく開示するつもりはない」などと繰り返すのみで、回答を拒否。こうした事態に出席議員らは、情報公開制度や国政調査権を理由に情報開示を拒否するその根拠や、捜査にどのような支障があるのかについて同日中に文書で示すよう求めた。