民進、自民両党の国会対策委員長会談

 民進、自民両党の国会対策委員長は13日午後、国会内で会談。15日に衆院環太平洋経済連携協定(TPP)特別委員会で集中審議を実施するとともに、20日に党首討論を行う方針で一致した。これを受け民進、共産、社民、生活の野党4党の国対委員長が会談し、この方針を了承した。

 衆院TPP特別委員会では、西川委員長が出版しようとした、『TPPの真実』と題された著書をめぐる石原担当大臣の発言や西川委員長の議事運営に問題があったため、野党は8日の同委員会で途中退席、その後中断されたままだったが、14日の衆院本会議をもって国会審議が再開する(写真上は、民進、自民国対委員長会談)。

 会談終了後、記者団の取材に応じた安住淳国対委員長は、衆院TPP特別委員会の西川委員長の議事運営は公平性に欠けるため、公平性を担保することを口頭で確約すること、特に質疑者に対しての対応が良くないことから議場整理をしっかりするようにと要請、自民党からは「委員長には必ずそういう話をさせる」との返答があったと報告。

野党国対委員長会談

野党国対委員長会談

 西川委員長の著書については、「こちらとしては状況証拠を含めて本物であることは疑いようのない事実である」と、これを認めるように話したが、自民党側は「答える立場にない」との回答だったため、「本人が書いたものだとみなしてこれからの質疑をさせてもらう」「石原担当大臣の不適切な発言についても、質疑のなかでしっかり議論していきたい」との旨述べたとした。

 今後の審議に当たっては、「(西川委員長の著書は)事実関係を相当詳細に書いており、それを前提に議論を進めざるを得ないと思う。あれ以上黒塗りの資料を出せと言ってもたぶん日本政府は出さないだろう。そういう点では、質疑の交渉過程の手がかりになるのは西川本だ。これを正式な資料として認めてもらったうえで議論を深めていきたかったが、あくまでも認めないという以上は、われわれとしてはこれをきちんとしたものだとみなしてやるしかないと思う」と指摘。「いつまでも入口で突っかかっていると、中身の議論で相当問題があるのにそこに入っていけなくなってしまう。そのことも踏まえてしっかりと議論していきたい」と述べた。

 加えて、安住委員長は会談で、日本の農家の皆さんをはじめTPPに関わる多くの人たちに納得してもらうには、賛否は別にして、強引な手法ではなく、しっかりと与野党が協議をしたうえで進めていくべきだと主張。自民党側はこの点については了解したとして、「そういう運営を期待する」と述べた。

 西川委員長の委員長としての適格性を問われると、「『適格でない』の一語に尽きると思う。わずか1日半の質疑のなかでいろいろ出てきたことをあらためて仕切り直して聞き、さらに判断したいと思うが今のところは赤点」と断じた。