野田佳彦最高顧問、蓮舫代表代行、馬淵澄夫特命副幹事長、辻元清美役員室長らは16日、現在、衆院補欠選挙が行われている北海道5区(札幌市厚別区、江別市、千歳市、恵庭市、北広島市、石狩市、当別町、新篠津村)にほど近い札幌ドーム前で街頭演説会を開き、安倍政治を止めようと訴えた。

野田最高顧問

 野田最高顧問は、「何といっても平和に対する不安が広がっている」と切り出し、自衛隊の最高責任者でもあった総理大臣時代、野田内閣が自衛隊をPKO部隊として南スーダンに派遣することを決めたと紹介。「自衛隊は、熊本の地震でも真っ先に駆け付けて救援・救助活動に当たっている。国民のためなら命を捨てても構わないというのが自衛隊員だ。自衛隊員のせがれだった自分には、それが良く分かっている」と語り、「そういう自衛隊の出番をなるべく少なくすることに命を懸けるのが政治家の役割だ。安倍政権はそこをはき違えている」と痛烈に批判。自衛隊員やその家族の思いが分かるからこそ、今の安保法制を止めなければいけないと訴えた。

 また、子ども時代から父親のDVや貧困に苦しみながら、シングルマザーとして2人の子どもを育ててきた池田まきさんの生きざまにも触れながら、「個人や家庭の力で運命を切り開くことが困難ならば、社会が子どもの育ちと若者の学びを支えていかなければいけない。だから民主党政権時代には、子ども手当や高校授業料無償化を実現した。私はこのやり方に間違いはなかったと思っている。こういう政治をもっと実現していかなければ」と力を込めた。

蓮舫代表代行

 蓮舫代表代行は、熊本の大地震に触れて、「これだけ地震の多い日本で、原子力発電所のあり方は本当にこれでいいのか」と問いかけた。安倍自民党政権は原発稼働を推進する立場に立つことから「もう一度立ち止まって、私たちは原子力をメインエネルギーにするのか、それとも自然エネルギーに転換し脱原発依存に向かっていくのか、皆さんに声を上げていただきたい」と訴えた。また、格差が広がっている現状にも触れ、「池田まきさんは、声の届かなかった人たちの思いを代弁しようとしている。『このままではいけない』という声を上げよう」と呼びかけた。

辻元役員室長

 辻元役員室長は、TPP交渉について黒塗りの資料しか出してこない政府の姿勢を取り上げ、「農家の皆さんはTPPの行方を心配していると思う。それなのに国民は知らなくていいという態度だ。TPPは農業だけではなく、食の安心や医療の問題もある。それなのに情報を出さずに、のり弁当のような真っ黒の資料しか出さないのが安倍政権の実態だ」と述べた。また、自民党の政治について「苦労を知らない〝ぼんぼん〟が世襲政治をしている」と皮肉り、「池田まきさんには地盤も、看板も、親の七光りもない。業界ぐるみの世襲政治を止めよう」と訴えた。

馬淵副幹事長

 馬淵澄夫副幹事長は「今問われているのは、社会保障のあり方だ。私たちが政権の時に社会保障と税の一体改革をし、この先も続けていくことができる仕組みを作ろうとした。池田まきさんについて、『(民主党政権でやろうとした改革は)今の安倍政権にはできない、だから自分が現場から変えていく』と訴えている。介護の問題のエキスパートで、子育て支援も、保育所の問題も、教育の問題も、皆さんの暮らしを分かる立場で取り組んでくれる人だ」と紹介した。

演説場所は札幌ドームのほど近く。野球観戦に向かう人々が笑顔で応じていた。

演説場所は札幌ドームのほど近く。野球観戦に向かう人々が笑顔で応じていた。