民進党は20日昼、衆院国会対策役員・理事合同会議を開催。安住淳国会対策委員長は冒頭のあいさつで、「長期戦になればなるほどいろいろな問題が出てくる。できるだけ被災地の皆さんの要望に応えられるような国会として与党野党関係なくそれぞれの所管委員会で頑張っていただきたい」と呼びかけた。

 安住国対委員長は、熊本地震による被害が拡大するなか18日の衆院TPP特別委員会を事実上強行開催した政府・与党の対応をあらためて問題視。同日午前の与野党国対委員長会談では、自身も共産党の穀田国対委員長も「本当に大丈夫なのか。収束に向かいつつあるという意識をもし持っているとすれば、政府は甘いのではないか」「震度5強の余震が連続し、大きな建物内で眠ることに相当ストレスを感じておられる方が多いなか、東日本大震災の時にはあまりなかった、車中泊している避難者で病気になっている方が出てきている。果たして政府はこうした方々を避難者としてカウントしているかどうかも分からない状況であり、甘く考えない方がいいし、震災対応に集中してもらうのであれば委員会は開催しなくても構わない」と申し上げたが、与党側は「総理の強い意向でTPPをとにかくやる」ということだったため、震災対応を中心とした質疑を行ったと、経緯を説明した。

 そのうえで、19日の民進、自民の国対委員長会談で、20日に予定していた党首討論の開催を見送り、TPP承認案と関連法案の審議に関しては22日の一般質疑が一巡したところで止め、最終的な対応については来週の与野党幹事長会談を開き協議することで合意したとし、「報道にあるように今国会での成立は見送る方針で間違いはないのではないかと思う」と述べた。

 TPPの審議をめぐっては、「そもそも、質疑時間を短くしたいからTPPに多少でも関係のあるものは農林水産業から工業製品、医薬品等に関わるものまで10本近い法案をすべて束ねて審議し、『賛成しろ』いう自民党の悪しき慣例が国民に対する政府の姿勢として大いに問題があると思っている。だからこそ、国民の皆さんも見ていて懸念を持ったのではないか」と批判。「TPPの話は5年、10年先を見据えた話であり、一概に賛否を申し上げるのは難しいが、深い話題だからこそ落ち着いた環境のなかで丁寧に1本ずつ審議していきたいということは自民党側に申し上げた。今後、季節をずらして始まると思うが、できれば丁寧な質疑をして国民の負託に応えていくやり方がいいと思っている」と強調した。