江田憲司代表代行記者会見

2016年4月28日(木)15時48分~16時14分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=q6x8MrhG0dY


■質疑

■冒頭発言

【代表代行】
 特にありません。


■質疑

○民進党結党から1ヵ月に当たって

【共同通信・比嘉記者】
 昨日、民進党の結党から1ヵ月になった。この間、各社の世論調査等も重ねているが、なかなか支持率が伸びない。北海道5区補選も民進党のスタートダッシュというわけにはいかなかったと思うが、1ヵ月を総括していただきたい。

【代表代行】
 この1ヵ月はしっかりと足元を固める期間だったと思います。生まれも育ちも違う政党が一緒になって、党内融和をまずは再優先にやっていこうということで来ました。そういう意味では、皆さんどうご覧になっているか。私が日々感じていることは、党内融和という観点からは、この1ヵ月急速にかたちになってきたのではないかと思います。
 今、マニフェスト、「マニフェスト」という名前にするかどうかも含めて検討しておりますが、どうやったら民進党という新しい政党ができて、こういうことをしっかり訴えているのだ、ということを国民に理解していただけるか、そういった公約が打ち出せるかどうか、ここにかかっていると思います。
 民進党という政党は旧民主党でもなければ旧維新の党でもないわけで、まさに「民進党 はじまる。」というイメージがまだまだ国民に浸透していないということなので、これからは「生まれ変わった新しい党なんだ」ということを、政策を含めてあらゆる面で国民に訴えていかなければならないと思います。
 それから補欠選挙は、やはり最終盤で組織の底力が出たという感じを私は持っております。一時は並んで、多少抜き去ったというようなデータもあったが、最終盤でまた抜き去られたということは、千歳・恵庭で負けたように、やはり組織票が物を言ったということが大きいのではないかと思います。これは負けは負けですから、敗北はしっかりと受け止めて、その要因分析をしっかりとしていかなければならないと思います。
 ただ、一つだけ勇気づけられたのは、無党派で70%以上の方が(池田まき候補に)投票していただいたということは、これから全国展開、国政選挙に臨む我々にとっては、一つだけ勇気づけられる、励まされる要因だった。特に私のような都会の選挙区では無党派層が多いわけで、今の時点で7割の方が投票してくれたということは、これからしっかりと、先ほど申し上げたような新鮮味と切れ味「新味」と「切れ味」、これを出していけばもっとご理解が進むのではないかなと思っております。これから次第だと思います。

○マニフェストについて

【テレビ朝日・河村記者】
 昨日、マニフェストの素案の検討が始まったが、政権にもいた民主党時代からの政策の継続性という意味と、代表代行が先ほどおっしゃったような新鮮味のバランス、非常に難しいと思うが、どの辺の政策、どういう部分で民進党らしさをもう少しアピールしていけばいいか、具体的なお考えがあれば伺いたい。

【代表代行】
 そうは言っても政策には継続性がありますから。しかも両党が合意した基本的政策合意がベースですので、部品、部品の政策がドラスティックに変わっていくということではない。ただ問題は、どこに重点を置くのか、どこに軸足を置いていくのか、何を最優先事項として国民の皆さんに訴えていくのかということだと思います。
 ですから、私が党内で申し上げているのは、「マニフェスト」という言葉はあまりよくないので別の言葉にした上で、もっとメリハリをつける。それは総花的に書かないと、後からメディアの方も含めて「あれが書いてない」「これが書いてない」と(言われる)。しかし、それよりもやはり読んでいただく、国民の皆さんに理解していただくということが必要なので、メリハリをしっかりつけて訴求力のある公約、マニフェストにしていけたらと思っています。そういうことで、連休中も含めて作業が進んでいくと思います。

【日本経済新聞・林記者】
 代表代行は「メリハリをつけて」とおっしゃったが、TPPや消費税、憲法改正について、現段階でははっきりと言及していない中で、今後、盛り込んでいく考えがあるか、どう収斂させていくか伺いたい。

【代表代行】
 マニフェストの性格上、早めにつくらないと間に合わないと今やっています。ご指摘のようなポイントについても、今後の推移を見て臨機応変に入れ込んでいくことになろうかと思います。どうしても印刷の都合とかで、ある程度前の段階で確定する必要もあります。それに加えて、選挙直前、選挙中も含めて、こういった問題については臨機応変に対応してそこのポジションをはっきりさせていかないと、有権者に対して失礼です。それは今入れていないから入れないということではなくて、これから推移を見ながら入れていくということでご理解ください。

【読売新聞・藤本記者】
 先ほどおっしゃった党内の融合、この1ヵ月でという部分に関して。マニフェストにしてもそうだが、維新として訴えてきた改革姿勢が、この間、民進党に十分反映されていると思われるか伺いたい。

【代表代行】
 基本的政策合意、ホームページを開いていただいて民進党の政策のところをクリックしていただければ、ほぼ100%、維新の党が訴えてきたことが盛り込まれている。逆に言うと、今まで旧民主党が採用してこなかった政策も入っている。例えば企業団体献金の全面禁止とか、文書通信交通滞在費の公開、そういったものもしっかり明記されているので、この「身を切る改革」のところも、先ほど申し上げた「メリハリをつける」「エッジをきかせる」大きな一つの柱になろうかと思います。
 もう一つは、「身を切る」ということではなくて、従来、民主党政権を見ていて、私も外にいましたが、特に経済界からは「民主党はアンチビジネスではないか」という批判もありましたので、そこは違いますと。これは岡田克也代表も申し上げているとおり、我々も経済成長は重視する。しかし経済成長至上主義ではだめで、そこから出てきた税収・果実は、介護や福祉や子育てや教育支援を通じてしっかり分配していく。その結果、そうした方々の懐、家計が暖かくなることによってまた消費に回る、それがはね返って経済成長につながる好循環を訴えています。そういう意味で、旧民主党に一部あったアンチビジネスというような批判も払拭できるように、決して我々はアンチビジネスではなくて、プロビジネスなのだと。
 自民党と違うのは、より果実を、庶民というか普通の人というか社会的に弱い人に振り向けていこうと。公共事業のバラマキや基金へのブタ積みではなくて、やはり普通の人々、中間層、低所得者、社会的に弱い方々に振り向けていく。そうしたことで予算の分配が違ってくる、税金の使い道が変わっていくということもしっかりと訴えていかなければいかんと思います。

○熊本地震の対応について

【朝日新聞・藤原記者】
 前回の会見の時に、熊本地震、川内原発について一時停止も検討すべきだという話があった。旧維新の議員の中には今も川内原発の一時停止を求める声があるが、今回、官邸への申し入れの中では具体的に川内原発一時停止という文言は入らなかった。その点についてどのように見ているか伺いたい。

【代表代行】
 これはいろいろ検討しましたが、やはり停止するというのは現行の法体系ではできない。
 我々は今の「世界で最も厳しい基準」と総理が自ら称しておられる基準に適合すれば再稼働を即認めるという立場ではなくて、基本的政策合意にあるように、やはり避難計画も審査対象にして、国が責任を持って認めた上で、実効性のある、責任のある避難計画をしっかり策定することも前提にしています。ただ、残念ながら今の安倍政権下における原発再稼働の基準というのは、あくまでも原子力規制委員会の基準適合性に限るということですから、その上で、電力会社が運営している原発に停止命令をかけられるかというと、現行法制ではかけられない。
 ですから、ここは党内でも議論した上で、避難計画にポイントを絞って、一番重要な実効性があるのか、各種交通・移動手段が麻痺している中で本当に大丈夫なのかという問題提起をさせていただいています。

【朝日新聞・藤原記者】
 昨日、山井和則国対委員長代理も、23日、補選直前に安倍総理が激甚災害の指定(をすると表明)したことについて、選挙対策と言われても仕方がないというような指摘をされていた。それも含めてこの間の震災対応をどのように見ているか

【代表代行】
 震災対応ですが、これは具体的に警察・消防・自衛隊を動かす権限を持っているのは政府です。与党でもない。ですから、こういう災害対応は一義的にはやはり政権政府がやるべきです。我々は足らざるところを補い、必要があれば提言をさせていただく。災害対応に与野党の別はないので、しっかり協力もさせていただく。だから補正予算が出るというのであれば、中身を精査させていただきますが、その上でしっかりと国会審議には応じていくということです。まだまだ今の段階でああだこうだ言うことではなくて、災害対応が落ち着いた後にしっかり検証するというのが特に野党の役割です。そして国会の中でつまびらかにして、次につなげていくのが野党の役割です。
 意見はいろいろあるとは思います。激甚災害の指定が遅れた、東日本大震災の時は何日でやったなどとあるとは思いますが、それはまた落ち着いた後に総括をして、問題があればしっかりと指摘をしていきたい。問題は、こういうことで与野党がああだこうだ言っていることではなくて、やはり次に大災害が起こった時に生かしていく、これが一番大事なことで、災害対応についてはそういう建設的な指摘をしていく、提言していくことではないかと思います。

○野党連携について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 民進党の公約にも私は大変関心を持つが、やはり国民的には、北海道5区の補選を経て、野党が自民党に対する対立軸としてさらに固まれるか、一本化できるかということのほうに関心があるのではないかと思う。今回の5区補選を受けて、マニフェストが全部煮詰まってしまうとなかなか一つになれないところがあると思うが、生活の党や社民党、そういう野党の固まりというのは、江田さんはどういう戦略を頭の中で描いているか伺いたい。

【代表代行】
 憲法で二院制が定められている大きな理由の一つが、一院の暴走をチェックするということです。そういう意味では参議院選挙の場合は野党が統一戦線を組んで、一つの党になるのか、連携をしていくのかは別として、今の「安倍政権の暴走ストップ」という1点において手を組んでいくということについては正当性があると私は思っています。
 しかし衆議院選挙は、何度も申し上げますが政権選択ですから、やはり政治理念・基本政策の一致が大前提となりますという当たり前のことを申し上げている。これを強引に、基本的な政策も違うのに一本化すると、衆議院の場合は小選挙区ですから、選択肢がなくなる。これは有権者に極めて失礼なことでもある。衆議院選挙の場合はあくまでも政治理念・基本政策の一致を前提に、そういった選挙協力や連携は進めていくべきだと私は思います。それは今の我々執行部の一致した認識だと思います。

【フリーランス・上出記者】
 補選の関係で1点伺いたいが、いろいろな総括の中で出てきている一つのポイントが共産党と民進党との関係で、安倍政権はあえて民進党と共産党という組み合わせを強調している。そういう中で今回、前原誠司さんが小池書記局長と一緒に街頭演説に立ったということもある。江田さんは共産・民進の関係、特に保守(票)が逃げるという懸念がある方もいるようだが、どのように総括され、今後どういうふうに生かしていく、あるいはどうやればいいか、その辺を伺いたい。

【代表代行】
 参議院選挙においては共産党も含めて統一戦線をしっかり組んでいくことが大事だと思います。ただ、衆院選は政権選択なので、それとは質的に選挙協力のやり方は変わってきます。
 ただ、今、小選挙区というのは275ある。民進党が全て(候補者を)立てられるかというと、やはり物理的な問題もありますから。それは結果的に、皆さんから見れば共産党しか立っていないなというところが出てくるかもしれませんが、それは“結果的に”なので。我々としては、やはり民進党で政権を狙っていくというのが基本的なスタンスです。275、全部立てたいですが、それは物理的な制約、時間的制約もありますから、そういうことも踏まえながら対応していくということではないでしょうか。お互いに政治家なので、これは。
 それから政権与党は「民共」「民共」とやりたいのでしょうけれども、そんなことを言い出したら、私が(総理補佐官として)いた自社さ政権とは一体何だったのか。自民党と社会党が連立したのです。選挙協力ではなく、政権を一緒に担った。そんなことまでやっている自民党には言われたくない。
 ただ、私も総理秘書官でいましたら、あの時どうだったかというと、社会党が合わせたのです。一つだけ例を挙げると、自衛隊は違憲だと言っていたのを、自衛隊も認めると。社会党の村山富市さんが、当時の総理が、はっきり言えば社会党の基本政策を捨てて、変えて、自民党に合わせたと言ったら語弊があるかもしれませんが、そういうことで政権を組んでいるわけでしょう。ですから、はっきり言えば、共産党が今までの基本政策を変えて、民進党の基本政策でいいと言ってくれるのならば組みますよ、それは。
 自民党こそ、よく言えば懐が深くて、したたか。こういう政党に対抗していこうという民進党ですから、私はよく言うのですが「清らな気持ち」だけで対抗できるとは思っていない。私・江田憲司は10年前はそうだったのです、そのためにずっと無所属を通していた時期もありましたが、こういう自民党と対抗して政権を取っていくということに際しては、やはりいろいろな戦術・知恵を出していかないといかんということだと思います。

【フリーランス・上出記者】
 いろいろな評価があると思うが、ある一定の人から見ると、共産党は随分いろいろなものを譲ったと。ここまで譲るとは思わなかったというか、いろいろなところで、民進党が立っているところで(候補者を)降ろしている。共産党が柔らかくなったというか、そういう点では共産党の戦術なのかもしれないが、その辺の共産党の姿勢についてはどのように評価しているか伺いたい。

【代表代行】
 僕はあまり共産党と深いお付き合いはしていないのでわかりませんが、しかし2009年の政権交代選挙の時も、共産党はかなり自ら(候補者を)降ろされたのではないですか。ですから、それと今回がどう違うのか、私はよくわかりません。確かに選挙区で、参議院については降ろされているところもありますが、一方で東京・愛知を中心にまた衆議院選挙では立てられているので、そこは私、よくわかりません。

○参議院選挙の候補者擁立について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 ゴールデンウィークは参議院の候補者にとっては大事な時だが、神奈川の真山勇一さん、民進党は(公認候補)2人ということだが、これは江田さんの大決断だと思うが、この勝算というか、どういう形で代表代行としてメンツをかけて応援していこうと。無党派をよほど取らないとなかなか、(定数)4のうち2取るのは大変だと思う人が多いと思うが、その辺の取り組みをどうお考えか伺いたい。

【代表代行】
 これは私の決断ではなくて、愛知でも千葉でも北海道でも、4人区・3人区は2人擁立しないと、政権を狙おうという政党が、そもそもそういう守りの選挙をやってどうするのだと、執行部の方針として出した。
 ただ、私は神奈川ですから、代表代行として金子洋一さんにも真山さんにも、私・江田憲司個人は平等に応援します。ただ、神奈川につきましては、昨日(民進党)東京都連の結成大会があって、私、出席してまいりましたが、あと残ったところが神奈川と群馬だけです。ですから、この神奈川についても、早急に新県連を結成しようと、連休明けできるだけ早く新県連をつくって、そして金子さんと真山さんを両方当選できるような態勢を組むことになっておりますので、早急にやっていきたいと思っています。

○本日の執行役員会について

【TBS・牧野記者】
 先ほどの執行役員会ではどのような議題があったか。

【代表代行】
 ロゴの中間報告、あとマニフェストのフリーディスカッションがメインでした。

【TBS・牧野記者】
 どんな意見が出たか。

【代表代行】
 それはいいでしょう、うちうちの話ですから。過程ですから。