山尾志桜里政務調査会長は12日、熊本地震災害対策に向けた補正予算の審議を前に、発災からおよそ1カ月経過した現地のニーズの変化などを正確に把握するため、神山洋介災害担当ネクスト副大臣とともに、被災地入りした。地元からは県連代表の鎌田聡県議、同幹事長の上田芳裕熊本市議、浜田県議も同行した。

女性の避難者から切実な声を聞く

女性の避難者から切実な声を聞く

 益城町の避難所となっている「熊本空港ホテルエミナース」を訪問した際には、被災者の皆さん、特に女性を中心に避難生活や今後の暮らしに関する要望などを聞いた。プライバシーが全く確保されていないことから、着替えの不便さや怖くて寝ることができないなどの切実な声を聞く機会を得た。

 続いて訪れた同町の小規模多機能ホーム「あんず」では、発災当初に定員を大幅に上回る高齢者を受け入れたが、「福祉避難所」と指定されている事業所ではなかったため、政府の支援は届かず、職員の懸命な自発的努力により何とか乗り切ったという話を聞き、今からでも指定事業所と指定された場合の可能性などについて意見交換を行った。

子飼商店街を視察

 熊本市内では、被害は大きかったが、再開している商店の多い「子飼商店街」を視察した。「半壊」と評価される見込みの建物も建て替えが必要な状態であることなど、商店を再開しているものの、住居兼商店となっている建物の多くが深刻な被害を受けている実情を把握することができた。

 震災後、こども食堂をスタートさせた慈恵病院では、取り組み内容について話を聞き、その後、同市南区近見の液状化の状況を視察。住民の方々から先行きを不安視する声を聞くとともに、要望を受け取った。

記者団の質問に答える、左から鎌田県連代表(熊本県議)、浜田県議、山尾会長、神山ネクスト防災副大臣、上田幹事長(熊本市議)

記者団の質問に答える、左から鎌田県連代表
(熊本県議)、浜田県議、山尾会長、神山
ネクスト防災副大臣、上田幹事長(熊本市議)

 視察後、記者団から視察の感想を求められ、「まだまだ被害が進行していると感じた。皆さんの先行きに対する大きな不安をしっかり受け止めたい。『熊本のためにみんなで頑張るぞ』という皆さんの思いを政治が後押しできるよう野党第1党として全力で声を届けていきたい」と述べた。また、地元記者の「何を大事に復興に当たっていくべきと思うか」との問いには「地域を愛してきた地域の方々の、地域を守っていきたい、そして孫子に残していきたいという思いを今回一番切実に感じた。その思いに応えるために与党・野党なく、東日本大震災の経験を活かし、全力を尽くしていきたい」と語った。

建物の被害の実情について話を聞く

建物の被害の実情について話を聞く