枝野幸男幹事長は22日午後、党茨城県連が水戸市で開いた「参院選挙・総選挙勝利決起集会」に出席し、安倍政治の暴走をストップするためにダブル選挙になっても十分な態勢を整え戦い抜こうと呼びかけた。参院選茨城選挙区公認内定候補予定者の郡司彰(ぐんじ・あきら)参院会長、茨城1区の福島伸亨(ふくしま・のぶゆき)衆院議員、安部一真(あべ・かずま)衆院同3区公認内定候補予定者、浅野哲(あさの・さとし)同5区公認内定候補予定者、青山大人(あおやま・やまと)同6区公認内定候補予定者らも決意を語った(写真上は引退を表明している大畠章宏衆院議員の音頭で「ガンバロウ」コールを3唱する枝野幹事長、郡司参院会長ら)。

■参院選茨城選挙区公認内定・郡司彰参院会長

郡司彰参院会長

郡司彰参院会長

 郡司参院会長は「新しい党の理念として掲げたものに自由、共生、未来への責任がある。報道の自由が安倍政権のもとでおかしくなるなか、内閣・権力に対する健全な批判の矛先が弱くなり、主権者の国民の皆さんへ権力側の説明責任が果たされなくてもいい社会になってきている。その結末は70年前の戦争の時にも見てきたものだ。自由を脅かす安倍政権を今回の選挙で勝たせるわけにはいかない」と述べ、参院選勝利に向けた決意を語った。

 非正規労働者が増えていることにも懸念を示し、「安倍総理は労働者派遣法の改悪を強行し、そうした社会構造に拍車をかけているが、求められるのは人への投資、格差を縮め、希望を広げること。それが未来への責任を果たすことだ」と訴えた。安保法制の強行可決、TPP、労働者派遣法改悪、特定秘密保護法制定など、安倍政権下で行われたさまざまな問題を取り上げ、「今回の選挙でしっかりと答えを出さなければ未来への責任を果たせない」と訴え、民進党への支持を求めた。

■茨城1区・福島伸亨衆院議員

福島伸亨衆院議員

福島伸亨衆院議員

 福島衆院議員は「20年間、茨城を支えてきた大畠先生が引退を表明され、衆院の候補者の中で私が一番の年長になってしまった。ただ一人の現職として次の総選挙では何としても小選挙区で上がる、それが義務だと思っている」と強い決意を語り、力を尽くして戦い抜く考えを表明した。「安倍総理は自分の理想とする国をつくることがリーダー・政治家の役割のように誤解しているが、本来は国民の思いや力を集める存在であるべき」だと指摘。「そうした政治家こそ日本に求められる。本来の民主主義を取り戻し、国民の思いに基づき国を動かす当たり前の国にするため、茨城の先頭に立ち仲間を増やし、本質的な政治の変革を成し遂げていく」と力を込めた。

■衆院茨城3区公認内定・安部一真

安部一真衆院茨城3区公認内定候補予定者

安部一真衆院茨城3区公認内定候補予定者

 経済産業省職員という経歴を持つ安部公認内定候補予定者は3歳と1歳の子どもの父だと自己紹介し、保育園への送迎などで多くの子どもたちと触れ合うなかで、子どもたちの未来はどうなっていくのか不安を覚えるとして「子どもたちが希望を持って生きることができる国づくりをするために立候補を決意した」と表明。子ども子育て政策の充実の問題点を指摘し、未来を見据え、不安を希望に変えていく、未来への政治の役割を果たす一翼を担っていくと語った。

■衆院茨城5区公認内定・浅野哲

浅野哲衆院茨城5区公認内定候補予定者

浅野哲衆院茨城5区公認内定候補予定者

 日立製作所で技術者として働いてきた浅野公認予定候補は、ものづくりの現場を支える中小企業支援の重要性に言及し、「アベノミクスの恩恵は一般市民や中小企業には届いていない。安倍政権の経済政策は対処療法でしかない。そうした現場の声を国政にあげ、求められる政策を実現していくのが国会議員の務め」だとして、人や地域が主役の安心で活力ある社会の実現に向けて力を尽くしていく考えを語った。

■衆院茨城6区公認内定・青山大人

青山大人衆院茨城6区公認内定候補予定者

青山大人衆院茨城6区公認内定候補予定者

 県議会議員を2期務め、地域振興政策の充実などを手掛けてきた青山公認予定候補は、(1)国民の皆さんにとって頑張れば報われる社会をつくっていく(2)国民の皆さんから信頼される政治をつくっていく(3)国民の皆さんが安心できる、地域に根付いた自民党に代わる保守の政治をつくっていく――という3つの思いの実現を目指し10年前に民主党に入党したと語り、民進党として新しいスタートを切った党でも同じ思いで戦い抜くと表明した。

■枝野幸男幹事長

 来賓のあいさつに立った枝野幹事長は、「安倍政権の政治が続くことで子や孫たちの未来にどんな影響を及ぼすか不安になる」と語り、一人ひとりの暮らしを置き去りにしているのが安倍政権の政治であると指摘。引っ張り過ぎたゴムが元に戻れなくなるように、限界点を越えさせる前に何とかしなければ取り返しがつかなくなるとして、「立憲主義や平和主義、報道の自由、暮らしの安全が崩れつつあるなか、来たる参院選を反転攻勢の夏にしなくてはいけない」と訴え、日本を立て直すために全力で参院選に臨む考えを語った。

枝野幸男幹事長

枝野幸男幹事長

 デフレから脱却できないのは国内でモノが売れないからからだと枝野幹事長は説明。現在の日本を立て直す最も効果的な取り組みは(1)老後の安心(2)子育ての安心(3)雇用の安定――の3つだという考えを示した。「貯蓄があっても年金・医療・介護の不安のために消費に回そうとしない高齢者、非正規雇用で低所得のために結婚や子どもをあきらめ、消費に回すお金もない若者や若いカップルが増えれば、消費が低迷するのは当然だ。民主党政権時に子ども・子育て政策の充実にかじを切ったことを自民党や公明党はバラマキと繰り返し批判したが、国の経済と活力を維持するには、これら3つに力点を置いた政策の拡充が不可欠だ。こうした王道の政策を進めることで社会の閉塞状況を食い止める、そうした地道な一歩一歩を進めていく」と述べた。

 また、「安倍さんが党利党略で解散をする可能性は8割」という見方を示し、「ダブル選挙になったとしても安倍政治の暴走をストップするために十分な体制を整え戦い抜く」と決意を表明した。

【茨城】枝野幹事長迎え決起集会 郡司参院会長、福島議員、安部・浅野・青山各総支部長決意表明