枝野幸男幹事長は25日、沖縄県入りし、27日告示、6月5日投開票の沖縄県議会選挙で民進党が公認を決めている新人で那覇市議会議員の清水磨男氏とともに那覇市内各地で街宣活動を行うとともに民進党沖縄県連結党大会に参加。「県民の皆さんの思いに寄り添った政治を実現していきたい」と訴え、民進党への支援を呼びかけた。

民進党への支援を呼びかける枝野幹事長

 枝野幹事長は、沖縄の基地問題に関し、「残念ながら今の政府の姿勢は沖縄の皆さんの心情や歴史に正面から向き合っていないと言わざるを得ない。国際社会の現実を見据えて責任ある対応をしていかなければいけないが、どこに軸足を置くのかというその軸が重要だ。民進党は沖縄の皆さんの基地をめぐる長年の多大な負担や不安に寄り添うことに軸足を置いてすべてを考えていく」と表明。「民進党として沖縄の皆さんの声を直接受け止める力をもっと強くしていきたい。県民の皆さんの思い、県内のさまざまな課題を集約する場である県議会の一角をわれわれの仲間に占めさせていただき、そこを通じて民進党本部としても常に沖縄の皆さんの民意、思いに寄り添った対応していきたい」と訴えた。

 また、「今の安倍政権は弱肉強食、自己責任を強調する政治だが、それだけで通用するのなら政治はいらない。本来社会に必要な支え合い、助け合いがさまざまな事情で弱まっているから人口減少、少子化が進み、高齢者の不安が大きくなっているのではないか」と指摘。「民進党は共に支え合う、助け合う社会、老後の安心、子育て支援の充実、雇用の安定を訴えて、今の安倍政治ではなくもう一つの道を前に進めていきたい。子どもに投資をすること、子どもたちが未来に希望を持てる仕組みをさせていくことが地域の活力の源であり、地域の活力が高齢者の老後を支える活力にもなる。国だけでは進まない。それぞれの地域でそれぞれの未来を見据えて共に闘う仲間が市や県にも必要だ」と力を込めた。

清水那覇市議

 那覇市議会議員として3期を務める清水氏は35歳。子育て支援策や働きやすい環境づくりに向けたルールの見直しなど現役世代の代表としてさまざまな政策に取り組んできた。清水氏は、沖縄県では待機児童数が全国1位であることや、介護制度の利用をめぐり役所への申請から通知まで1カ月以内という国の規定があるにもかかわらず1カ月以上を要するためサービスを受けるまでに時間がかかるといった課題を挙げ、「生活者、働く者の立場から県政の課題の解決に取り組んでいく。生活のなかで必要なことを一つひとつ実現していくためにも子育て支援や介護、社会保障の問題などに取り組んでいく」と力強く決意を語った。

 枝野幹事長は民進党沖縄県連結党大会にも参加した。

各種選挙の必勝を期してガンバロウ3唱

各種選挙の必勝を期してガンバロウ3唱。写真左から久高將光那覇副市長、翁長雄志沖縄県知事、花城正樹県連代表(那覇市議)、清水磨男県連幹事長(那覇市議)、枝野幸男幹事長、斎藤勁県連相談役(元参院議員)


枝野幹事長記者ぶらさがり

 枝野幹事長は、那覇市内で7カ所の街宣活動を終えた後、同市内で記者団の取材に応じた。

 27日に告示される沖縄県議会議員選挙に臨む姿勢については、「かつて民進党の前身にもなった政党が沖縄の皆さんのご期待に応えられずというプロセスがあり、そのことでマイナスからの再出発をしなければならなかったという経緯があることは今後も十分踏まえていかなければならないが、そうしたなかにもかかわらず、『今の安倍政権の姿勢はおかしいということを結果に結びつけていくためには、野党第1党にはしっかり頑張ってもらわないと困る』という声は沖縄でもいただいている。そうした声をしっかりと受け止める戦いをしていけば一定のご支持はいただけるのではないかと思っているし、そのことを足掛かりにして沖縄の皆さんの声を踏まえた野党第1党としての役割を国政あるいは県政、市政の場で果たしていくことで信頼を回復していきたい」と述べた。

 安倍総理が、衆院解散と消費増税を先送りする意向を伝えたとされていることについての受け止めを問われると、「衆院の解散については、この間も安倍総理や政府与党の首脳の発言がいろいろと出ているが、日替わりメニューで二転三転しているので額面通り受け取ることはできない。私どもとしては、解散があるつもりでの準備は引き続き着実に進めていきたい」「消費増税については、国会を閉じる頃になって結論を出すというのは、この間何度も繰り返されている議論から逃げているという姿勢がまた繰り返されるのかという思いだ。国会での質問にはあいまいな答弁を繰り返し、国会での議論がなくなったらものを言うというのであれば、その姿勢自体が無責任、あるいは逃げの姿勢、ひきょうだ。もし(消費増税を)先送りをするのなら臨時国会を開いてほしい」と述べた。