枝野幸男幹事長は9日、参院選で石川県選挙区から無所属で立候補を予定しているしばた未来(みき)さんの激励のため石川県入り。しばたさんとともに金沢市、内難町、野々市市での街頭演説会に参加、「自民党王国・石川で風穴を」と訴えた。

金沢市内で開催された連合主催の街頭演説会

金沢市内で開催された連合主催の街頭演説会

 枝野幹事長は、安倍総理が最近「民進党には対案がない」と繰り返し発言していることに対し、「冗談じゃない。盗人猛々しいとはこういう時に使うのだろう」と厳しく非難。「私たちには対案がある」と述べると、民進党は、日本の経済を立て直すためには(1)子育て支援(2)雇用の安定と賃金の底上げ(3)年金・医療・福祉といった老後の安心――が3本柱だと一貫して主張、政権時代は不十分だが政策を前に進め、人への投資が必要だと訴えてきたとあらためて説いた。そのために今年の通常国会でも介護職員の処遇改善や保育士の処遇を改善するといった具体的な法案を作り国会に提出しているとも述べ、「提案を出しても国会の数の力で審議にすら応じようとしないのは安倍総理の方だ。それなのに対案がないとは何事だ」と断じた。

 加えて、自民党が参院選挙向けに発表したマニフェストには、都合のいい数字を取り出して「アベノミクスは成功している」と書かれているとして、「面の皮が厚いにもほどがある」と指弾。安倍総理が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けた具体策として民進党が主張してきた子育て支援や年金・医療・介護の充実、雇用の安定などが挙げられていることには、「騙されてはいけない。どうやって実現していくのか、具体的な中身は何もない。見出しだけわれわれの政策をパクって中身のないのが自民党の政策だ」と切り捨てた。

 最後に、しばたさんがコーディネーターを務め、自身がパネリストとして参加した、昨年5月に金沢市内で開かれた安保法案をテーマにしたパネルディスカッションでの出会いにも触れ、「歯切れのいい会話とさわやかな雰囲気、明るい人柄に、この人しかいない」と仲間たちとともに出馬をお願いし、今日につながっていると紹介。「自民党王国の石川で風穴を開けていくことの意義は大きい。ぜひ支援の輪を広げてほしい」と求めた。

内難町での街頭演説会で「地方でささやかな暮らしをを営んでいる人のための政治の実現を」と訴えるしばた候補予定者(写真中央)

内難町で支援を呼びかけるしばた候補予定者

 しばたさんは、安全保障法制の強行成立に加え、アベノミクスによる金融緩和や公的年金の資産を運用しているGPIFの運用損を一例に、「豊かな者がより豊かになれば、強い者がより強くなれば弱い者を切り捨てるという現状により生まれてしまった、今の社会のゆがみやひずみのなかで弱い立場の人がどんどんその負担を受けていることを決して見逃すことはできない」と安倍政権の政治姿勢や政策に対し怒りと危機感を表明。

 「今回の参院選挙では個別政策でいろいろな論点があるが、根本的に問われなければならないのは政治が一体何のためにあるのかということだと思う。ほんの1%のお金持ちのための政治なのか、それとも地方でささやかな暮らしを営んでいる99%の私たちのための政治なのか。もう一度政治を私たちの手に取り戻すための絶好の機会が今回の参院選挙だ。普通の人こそ心豊かに生活ができる国をもう一度取り戻すために残り1カ月精一杯戦っていく。この夏一緒に勝利を勝ち取ろう」としばたさんは呼び掛けた。