枝野幹事長は10日、神戸市を訪れ、参院選候補予定者である水岡俊一参院議員の街頭演説会に参加した。

水岡俊一参院議員

水岡俊一参院議員

 最初に演説したの水岡議員は、安倍総理が「民進党には対案がない」と言っていることに対して「でたらめだ。われわれは次々と政策を練っている。先日閉会した国会会期中150日間の中で64本も法案を提出した。私たちは皆さんの思いをどのように政策に反映していくかを、常日頃から考えて努力していることを理解いただきたい」と述べた。アベノミクスはもはや失敗していると断じ、「私たちはボトムアップ、日本を支えている皆さん方の生活が豊かになる政策を掲げている。公正な再分配をすることが経済を浮揚させる唯一の手段になる。貧困や格差をなくしていくことが日本の経済成長につながるというのはOECDやIMFも指摘していること。そのために私は教育にクローズアップする。育った環境に関係なく、勉強したい、技術を身に着けたいという子どもたちが進学でき、借金を心配しないで手に職をつける。正社員になって税金を納めてもらう。そのことが日本を変えていく――そういう政策が私たちの政策の根幹をなしている」と教育の重要性を訴えた。さらに「高校の授業料無償化という問題を仲間と一緒に一生懸命頑張ってきた。日本にも欧米並みの高校授業料無償化が実現した。教育こそが貧困格差を是正して日本を救う」と自身の実績も交えて紹介。今後も、保育園や幼稚園のように就学前にお金をかけること、大学・短大の授業料負担軽減、給付型奨学金の創設や無利子奨学金の拡充などに取り組み、「皆が豊かになる社会を目指していく」と決意を述べた。

枝野幸男幹事長

枝野幸男幹事長

 枝野幹事長は、アベノミクスの問題点を指摘するとともに、自民党が憲法改正を争点とすることを隠していることに触れた。「(安倍総理は)経済、経済と言いながら、(公約に)小さく書いていることをしてきた。今回、憲法改正は小さく書いている。3分の2の議席を取らせたら、間違いなく(憲法改正を)やる。自民党は日本が世界中で戦争できるようにする改正草案を書いている。そんなことでいいのか。憲法改正をしたいなら堂々と言って国民の審判を仰ぐべき。いつも選挙の時には国民受けする経済の話をして、終わったらこそっとやる。こんな卑怯な人に憲法を触らせたくない」と痛烈に安倍総理の方法を批判した。

■枝野幹事長街頭演説終了後の記者との質疑応答

 問 兵庫県でのおおさか維新の会の状況をどう考えるか。 
 答 状況がどうこうというよりも、なぜ兵庫の人が大阪に影響されているか理解不能。おおさか維新の会を野党と勘違いしている人がいるので、与党だということをお伝えしたい。

 問 共産党との連携は1人区ではされているが、兵庫ではどう進めるのか
 答 1人区は選挙の仕組みとして、多様な国民の意見をできれば2つに集約してどちらかを選んでくださいというもの。安倍政権に歯止めをかける勢力が一つにまとまるのが望ましい。3人区4人区や比例区になると選挙の構造が違う。

 問 共産党と兵庫で連携を深めることは考えているか。
 答 兵庫は定数3だから、われわれも共産党も頑張って議席を取れば与党が減る。それぞれに頑張る。