枝野幸男幹事長は11日、京都府を訪れ、宇治市では山井和則衆院議員とともに、京都市では泉健太衆院議員とともに、参院選に党公認で立候補を予定する福山哲郎(ふくやま・てつろう)参院議員を激励した。

枝野幹事長

 京都市内で開かれた決起集会で枝野幹事長は、安倍内閣が「1億総活躍社会」と称して民進党の政策の見出しだけをつまみ食いする姿勢や、選挙では「経済が争点だ」と言いながら選挙後には安保法制や特定秘密保護法などを通してきたやり方を指して、「まさに『だまし』『ごまかし』をやってきたのと同じ手法で憲法改正に突っ走るような結果を与えていいのか。それが参院選で問われている」と訴えた。

 福山候補予定者については東日本大震災の際の官房副長官としての働きぶりを紹介し、「民進党にとって福山さんの1議席は大きな議席だが、日本の政治、日本の未来にとっても大きな意味を、これまでも持っていたし、これからますます発揮してもらわなければならない議席だ。ぜひこの大きな1議席が確保できるように力を合わせよう」と締めくくった。

福山哲郎候補予定者

 福山参院議員は、民主党が政権を手放してからの3年間を振り返り、「本当に悔しい思いをした。われわれが至らなかったために安倍政権を生み出し、『自分たちが失敗したからだ』とうつむかなければならなかったが、もう、うつむいている場合ではない」と切り出し、「昨年夏の安保法制の審議では、国会前に十数万人の国民が集まっても知らん顔で、そして強行採決をし、次の日には平気な顔でゴルフに行く。その姿勢に民主主義の危機を感じる」と語り、さらには集団的自衛権の行使容認の閣議決定や消費税増税の先送りなどの重要な案件を国会審議が行われないタイミングで決めるやり方について「『国会はいらない』『多様な国民の声はいらない』と言っているのと一緒だ。日本の民主主義を本当に潰しにかかっている。政治家として、議会人としてこういうやり方は許せない」と、怒りを込めた。

 その上で、「どうかまっとうな政治に押し戻してほしい。相撲で言えば、われわれは徳俵まで押されてしまったが、このままでは国民の生活が持たない。この土俵の端から、まっとうな政治に押し戻していく」と述べ、「未来のことについて汗をかき、ものを言えるのは政治しかない。こんなひどい民主主義になった日本で、安倍政治の横行している日本を放ったらかして、政治の場から退場するのは何としても嫌だ。もう1回、まっとうな政治をするために負けたくはない」と、選挙戦にかける決意を訴えた。

「勝つぞ!」を3唱して気勢を上げる

「勝つぞ!」を3唱して気勢を上げる

 また、この日は、早朝には岡田克也代表が福山候補予定者、泉衆院議員とともに「京都市中央卸売市場」を訪れ、市場関係者と意見交換した。泉議員によると、市場関係者からは「アベノミクスは届いていない」「海外から安い輸入品が入ってくるが、安全性が確保できているのか疑問」などの声が聞かれたという。泉議員は「こうした人々の目線で考えるのが民進党だ」と述べた。

 京都6区総支部長の山井議員は、連日自身の選挙区内で自治体議員の皆さんとともに精力的に福山候補予定者の応援活動を展開。この日は宇治市内で活動に枝野幹事長も合流した。