枝野幸男幹事長は12日、さいたま市内で開いた自身の講演会のあとに記者団の質問に答えた。質疑応答の概要は以下の通り。

 問 今日の講演のなかで、民進党は対案がないのではないかという質問があった。菅官房長官が秋田で民進党と共産党の連携を批判し、アベノミクスのどこが失敗なのか、安保法制についても対案を出すべきと言っている。その点について受け止めを。

 答 安保法制については領域警備法を議論してほしいということで対案を出している。(対案は出していないのではなく)審議を拒否しているのは政府与党だ。アベノミクスについて、かつては社会保障政策だと思われていた子育てや老後、雇用の政策は経済政策なんだという時代の変化をわかっていないから対案がないと言っている。それは自分たちが経済をわかっていないということを自白しているような発言だ。民進党と共産党の話については、参院選は政権選択の選挙ではないのだから、最悪の候補者を当選させないためにも次善の策で一本にまとまるのは当たり前のこと。

 問 アベノミクスの何が失敗かを具体的に言って欲しいと菅官房長官は言っているが。

 答 実質経済成長率は民主党政権時代の半分に落ちている。だからこそ国民の7割くらいが(景気が良くなったという)実感がないと言っているのだ。具体的に言っても、無貯金の家庭が増え、貧困の増加など、いろいろなところに弊害が出ている。それに見合った経済成長をしていない。

 問 東京都知事のことについて、下村前文部科学大臣が舛添都知事に不信任決議が提出された場合は自民党としても(都知事の説明に)都民が納得したとはとても判断できない、NOとは言えないと言っており、本日のテレビ放送でおおさか維新の会が(都知事に)不信任決議案を提出する考えを示したが、民進党はどう考えているか。

 答 地方自治の話なので、最終的には都議団で決めてもらうが、その前に不信任決議案が提出されたらという話を自民党が言っている無責任さ(がある)。おかしいと思うなら自分たちで不信任決議案を突きつけるべきであり、またその前に自分たちで辞職を迫るべきだ。責任ある政党ならそうすべき。

 問(舛添都知事が)辞職ならば都知事選に突入するが、野党共闘は考えているか。

 答 仮定の話であり戦略論の話ですので、戦略を事前に言うことはない。

 問 参院選香川選挙区について、自主投票の理由と今後の期待することは。

 答 県連の判断ですので、理由は県連に聞いていただきたい。よりましな候補で一人区で自民党に議席を取らせないことは大事だけど、それを越えて機関決定して応援するとなるとハードルがあるのは間違いない。そうしたなかで自民党を勝たせないことに向けて頑張るという趣旨のことは言っているので、われわれが許容するギリギリの線でまとめてくれたのだと思う。

 問 参院選の議席獲得目標について、玄葉選対委員長が今回と3年後の選挙で自公過半数割れに追い込むと言っていたが、幹事長はどうお考えか。

 答 3年内くらいで政権に戻ろうと思っている。そのときに(衆院と参院が)ねじれているとやりにくい。3年後まで政権に復帰して、3年後の参院選ではねじれを解消したい。

 問 そのために今回は何議席を獲得目標とするか。

 答 いつも申し上げているが、これから選挙を戦う。そのために支えてくれる人がたくさんいるのに何人か落ちてもいいというのは無責任。全員当選を目指している。