枝野幸男幹事長は15日、千葉市内を訪れ、参院選公認予定候補の水野けんいち参院議員の街頭演説会に参加した。

水野けんいち参院議員

水野けんいち参院議員

 田島要衆院議員、奥野総一郎衆院議員の演説のあとにマイクを握った水野議員は、「民進党の大きな使命の一つは、今の政治状況である『1強多弱』『数の力で無理が通れば道理が引っ込む』、この政治状況を打破することだ」と3月27日に民進党が結党された意義を強調。自身は旧民主党、旧維新の党に所属していたわけではなく、「1強多弱に風穴を開けて、与野党が切磋琢磨(せっさたくま)していく緊張感をもった国会にしたいと思い民進党の一員になった」と無所属から民進党の一員になった理由も説明した。安倍総理が消費増税延期を決めたことにふれ、「閉会日に新しい発表をした。現在、増税できる経済環境にないことはそう思っている。とりもなおさず、アベノミクスが失敗をした、少なくとも行き詰っている証左であると思わざるを得ない。国会が開いているときは再三アベノミクスの実績で都合のよい数字をたくさん上げていた。
失敗したと言えないので、世界経済が失敗したとすりかえている。誠実な態度とは思えない」と安倍総理の姿勢を強く批判した。

枝野幸男幹事長

枝野幸男幹事長

 枝野幹事長は、冒頭、舛添都知事が辞職の意向を示したことを話題にし「政治資金の使い方がこんなにいい加減な人を『都知事この人しかいない』と安倍総理は押し上げた」と安倍総理の責任を強調した。

 15年前に当時自民党議員だった水野議員と知り合い、政治資金の使途を公開する仕組みについて議論しあったことを紹介、「あの頃の自民党にはそういう人たちがいた。この15年くらいで自民党はかつての自民党とは変わってしまったが、あの頃のイメージで自民党を応援している人がいる。この状況を変えていきたい」と述べた。

 中国の軍艦が同日未明に日本の領海に一時侵入したというニュースに言及し、自身の官房長官の経験から「今日の政府の対応に腹がたった」と憤りを示し次のように述べた。「(中国の軍艦が)どういう目的で、今後も続くのかどうかはっきりしない状態で、総理も官房長官も東京を離れて遊説に行ってしまった。考えられないこと。危機管理として、総理がいないときは、常に官房長官が官邸の近くにいて、何かあったらしっかり対応する。私が官房長官の間は、東日本大震災もあったが、任期中に東京から離れたのは4回だけ。私がいない時は必ず総理が東京にいた。ちゃんと情報を集めて対応するのが領土・領海を守ろうとする姿勢。まさに威勢のいいことだけ言って、パフォーマンスだけして中身が伴っていないと強く指摘したい」と政府の危機管理に対する姿勢の甘さを厳しく指摘した。

大勢の歓声にこたえる枝野幹事長

大勢の歓声にこたえる枝野幹事長