枝野幸男幹事長は19日、遊説先の長崎県佐世保市内で記者団の質問に応じた。主なやり取りは以下の通り。

 問 長崎県全体の感触を教えてほしい。
 答 短い時間でわかりづらいが、アーケードを各地で練り歩いているが、圧倒的にここは反応が良かった。そういう意味では宮島さんががんばっているのかと思うが、2、3年前とは状況が違うと感じる。

 問 参院選における長崎の位置づけを。
 答 大変良い候補に決断をしていただいた。決めるための時間やプロセスに壁があって、出遅れであるのは間違いない。短期集中で本部としても応援に入っている。この流れで十分勝ちうる選挙区。こういうところで勝てると、全体の帰趨が決するのではないかと思うので重点選挙区と位置付けている。

 問 市民連合のイベントもこのあとにあると思うが、そのあたりの連携は。
 答 市民連合や他党のみなさんと1人区は与野党一騎打ちの構図をつくることによって、様々な関係を構築しているが、それぞれの立場を認めながら地域事情に応じた効果的なやり方を模索していただいている。長崎は最初大変だったが、他の地域と比べてもしっかりした連携と役割分担ができている。それをどう票につなげるかはここからの問題。

 問 投票率の向上はカギになるか。
 答 本当の投票率は別として、この間政治にあきらめのある人や無関心の方々がどれくらい足を運んでくれるかが勝負。前回、前々回と投票していない方がどう投票するかが勝負。

 問 長崎選挙区は、4党共闘がうまくいっていると思っているか。
 答 われわれは野党共闘、4党共闘とは言っておらず、一騎打ち構造を市民の皆さんと作り上げるということ。地域事情に応じて方法が県ごとに違っているが、長崎は長崎でうまくいっていると思う。

 問 民進党の集会と市民の集会と二つに分かれているが、ここに関しではどうか。
 答 分かれたほうが効果的。一般論として様々な勢力が1人の人を応援するときは、できるだけそれぞれ独自に活動したほうが全体としてパイが広がるのが基本戦略。1カ所に集まるのはむしろ例外で票を取るという意味では二次的な策。

 問 本日のテレビ番組で安倍総理が「民進党と共産党が選挙後に混乱を招いていもかまわない、無責任だ」と、混乱と無責任という言葉を使って批判した。この件について受け止めを。
 答 まさに3年半も圧倒的な多数をもってやりたいことをやって、自分たちのやってきたことに自信がないということの現れ。アベノミクスが破たんしていることの現れ。彼は参議院と憲法をよく分かっていないので、二院制における参議院の意味をわかっていない。憲法を理解していないことの証明ではないか。

 問 週末の世論調査で安倍内閣の支持率が50%台前半から40%台後半に下がっている。アベノミクスの評価が高まっていないことや舛添都知事の辞任も関係すると思うが受け止めを。
 答 個別の世論調査は信ぴょう性がないので、全体のトレンドをまとめないとコメントしないことにしている。全体として選挙が近づくなか、多くの国民のみなさんが(政策や各々の訴えを)検討する中で、われわれへの期待が高まっていると体感している。

 問 参院選比例投票先の世論調査は民進党は横ばいだが。
 答 個別の調査にはコメントしない。

 問 都知事選について、安倍総理がテレビ番組で「国政の争いを都政に持ち込むべきでない」と民進党の動きをけん制した形をとったが、その点について意見と、民進党として都知事選にどのような候補がふさわしいか、基準を教えてほしい。
 答 安倍さんは連日私が話しているのを聞いていないのか。国政とイコールとは一切話していない。都政は自公が中心になって推した知事が2代にわたって「政治とカネ」の問題でやめざるを得なかった。それに対峙(たいじ)してきた勢力で新しい勢力をつくる。たまたま国政で安倍政治と戦う4党の枠組みに近い、そこは共通すると思うが、国政と同じように自公のおごりが問題になっているのが正確な問題。候補者については、2代にわたる自公政権がぼろぼろにした都政を、ゼロから刷新できる候補者を擁立したい。

 問 具体的に幹事長の中で候補者の名前は決まっているか。
 答 決まってても言えない。