枝野幸男幹事長は27日、遊説先の長野県松本市内で記者団の取材に応じた。

 参院選挙32の1人区のなかでの長野県選挙区の位置づけについて、「1人区はどこも大事だが、北澤(俊美)先生が守ってきた議席であるということと、杉尾(ひでや)さんという大変素晴らしい方が勇気をもってこの1人区で戦うということで立ち上がってくれたことを考えるとどうしても取らなければいけない選挙区だと思っている。全国の状況を見てもここで取れないようではどうしようもないという思いなので、残り2週間しっかりと戦い抜いて勝ちたい」とコメント。相手陣営が閣僚や党幹部を連日投入していることには、「われわれは応援弁士を送ることでプラスになることがあれば最優先で取り組んできているつもりでいるし、今後もそのつもりだ。一方で、幅広い皆さんに連携して押し上げていただいており、そうした市民の皆さんがまさにこの選挙の主役だと思っている。そうした皆さんが、どのように周りに働きかけたら広がるのかというようなことをいろいろな形で協力し、知恵を出し合いながら進めていくことが一番大きいのではないか」と述べた。

 競り合っていると伝えられている長野県選挙区の情勢への受け止めとしては、「厳しいところまで持ってこられたという位置づけだ。半年前を考えればよくここまで追いついてきた、拮抗(きっこう)するところまできたというふうに前向きにとらえている。逆に言えば、ここまでのトレンドで投票日まで進んでいけば必ず勝てると思っている」と手応えを示した。

 岡田克也代表が26日、「三重選挙区で落としたら代表選には出馬しない」旨発言したことを受け、自民党が大量に閣僚や幹部を投入してくる可能性が高いとされることには、「三重は現職でもあり、長野と並ぶ最重点選挙区だ。これまでもこれからも最重点で幹部を送り込むつもりだ」と述べた。

 26日の報道番組で自民党の稲田政務調査会長が憲法改正について「民進党が対案を出さない」と批判してきたことについての質問には、「われわれは、今すぐに憲法を変えなければいけないものがあるとは思っていない。そして自民党から出ているおぞましい憲法改悪案に対峙(たいじ)する対案としては現行憲法そのものが何よりもの最大の対案だと思っている。それを対案だと分からないのか、レッテル貼りをしているのか、どちらにしても無責任な発言だと思っている」と切り捨てた。

 同日、民進、共産、生活、社民の野党4党がテレビ各社にあらためて参院選挙中の党首討論の開催を求める要請をしたことの趣旨を問われると、「有権者の皆さんに選挙の投票に向けた材料を提供するという意味では、各党の党首が討論するのが一番望ましい機会であるにもかかわらず、事実上公示後は1回だけだ。投票日が近くなったところで大事な討論をし、選挙戦を通じてはっきりとしてきた論点、争点などを各党しっかり国民に伝えていく。そうしたことにメディアの責任として努力していただきたいと要請したということだ」と述べた。