山尾志桜里政務調査会長は4日午後、愛知県安城市、名古屋市内を回り党公認の伊藤たかえ、斉藤よしたか両候補の応援演説を行った。

山尾志桜里政調会長

 安城市の街頭演説で山尾政調会長は、「伊藤さんを見ていると自分の初めての選挙戦を思い出す」と述べ、「志一つ、女性で、政治に暮らしの声を届けようという思いで体を張って立ち上がっている。ぜひ力を貸してほしい」と支援を訴えた。

山尾志桜里政務調査会長

 そのうえで、保育園探しに苦心する母親がその悲痛な叫びを上げた「保育園落ちたの私だ」のブログを国会で取り上げた際、安倍総理は「誰が書いたが分からない」と発言、だったらと読み上げようとしたところ自民党議員の席からものすごいやじを浴びたことを、「今の安倍政治の丸ごとすべてだ」と断じ、「その場にいてやじを浴びたのは私かも知れないが、その先には名もない一人のお母さんだ。安倍政治は名のある人、大きな会社の重役などの話ばかり聞き、名もなき国民の声を聴かないからアベノミクスは失敗したのではないか」と指摘。民進党はアベノミクスの3本の矢に代わる「子ども」「仕事」「年金」の希望の3本柱を掲げているとして、その具体策として給付型の奨学金の創設や、若者が正社員として働きキャリアを積んでいける働き方への見直し、低年金者に対する年間最大6万円のかさ上げなどを紹介し、「自分の国だけではコントロールできない、株頼み、為替頼みの経済政策は間違っている。7月10日を、お金持ちを大金持ちにする経済政策から普通に働く人の暮らしの底上げにかじを切る分岐点にしよう」と呼びかけた。

 「伊藤さんのお子さんは1歳と3歳、うちの息子は5歳。今は、本当に会いたい子どもと会える時間がほとんどないなかで私たちは戦っている。それというのも、こうして次の選挙で結果を出すことが必ず日本全国の子どもたちの未来のためになると、その子どもたちのなかに自分の子どもも含まれているはずだという思いのなかで戦っている」と述べ、「その思いを受け止めていただけるなら伊藤さんにお力をいただきたい。フレッシュで志まっすぐの候補を国会に送ってほしい」と訴えた。

 名古屋市内の街頭演説会では斉藤候補とともにマイクを握り、特に子育て・教育支援について、「斉藤よしたかさんが先頭になって高校の授業料無償化をやってくれた。これを保育園・幼稚園から大学にまで広げていきたい。その第一歩として返す必要のない給付型奨学金を若い人たちにプレゼントしたい。保育園の待機児童の問題も、安倍総理は結局お金を出さずに質を落として子どもを詰め込んで幕引きだ。保育士さんの給料を5万円上げて保育士不足という根本的に解決しようという法案も審議せずにたなざらしだ。私たちは、斉藤よしたかさんとともに子どものため、女性のため、若者のための人への投資を最優先に取り組んでいく」と強調。「誰よりも名古屋の皆さんの声を聴き、私たちの声を率直に総理にぶつけ、率直な議論のできる議員だ。何としても斉藤よしたかさんを国会に戻してほしい」と呼びかけた。

伊藤たかえ候補

伊藤たかえ候補

 「選挙残り一週間、『一番辛いでしょう』と声をかけていただきますが、ご心配には及びません。全然大丈夫です。まだまだ走れます」とパワー全開、笑顔で切り出した伊藤候補。今回公募で選ばれたのは、1歳と3歳の子どもを育てる母親であること、89歳と90歳の祖父母の介護に直面する働く女性であったという、「普通」であることが今民進党が一番国会に足りないと思っているからではないかと述べ、普通の、当事者の立場から政治に臨む決意を表明。民進党の公募サイトにあった山尾政調会長の「政治家になれば子どもの未来をつくることができる」という言葉に、「ならば私がやる」と政治を志したという。「私が政策として訴えるのは、自分が今困っていること。自分がずっと生きてきたなかで感じていたことだ。それをぐっと集めてこれをやりたいというのが政策だと思う。そうでなければ命を懸けて取り組むことはできない。私が何としても守りたいのは子どもたちの未来だ。お金のあるなしで学ぶ環境やその先の未来に差ができない国、学ぶことや職業訓練を無料で受けられる国を目指す」と力を込めた。

 また、自身のように育児と介護のダブルケアに追われる人が日本には今25万人以上いるとして、「名古屋ドーム5つ分がいっぱいになってしまう人たち。その方たちが今日も苦しみ、その8割が30代、40代だ。われわれ現役世代が子どもを生み育てやすい、自分を育ててくれた大切な両親や祖父母の介護を心配しなくていい社会をつくりたい」と強調。結婚や出産を機に仕事をやめた女性が復帰しにくい状況についても、政治がこれまで子育て支援に真剣に取り組んでこなかったからだと指摘し、長時間労働や男女の賃金格差の問題などを是正していくことで女性の労働力を高めていくべきとの考えを示した。

 最後に、「2つのお願い」として、「一緒に安倍総理の暴走を止めてほしい。3分の2の議席を獲って安倍総理がやりたいのは憲法改正だ。このままでは自衛隊が武器を持って地球の裏側まで行き、誰かの幸せを国に壊す国になってしまう。母親は誰一人として自分の子どもを戦争には行かせたくない。だからわれわれに、伊藤たかえに力を貸してほしい。絶対に平和な日本を守ってみせる」「普通に育児をし、普通に介護に直面する、普通の人間を国会に送ってほしい。普通の、当事者の、女性のその声を国会に届けさせてほしい」と訴えた。

「10万人握手大作戦!!」展開中

全県回り「10万人握手大作戦!!」展開中の伊藤候補

斉藤よしたか候補

斉藤候補

 学校教諭として長らく教育現場で働き、一貫して教育・子育て支援に取り組んできた斉藤候補。お金持ちをより大金持ちにするアベノミクスは見直し、社会保障の充実や子育て・教育支援、安定した雇用制度によって暮らしの下支えをし、生活にゆとりを生むことこそが経済成長につながると主張。「個人消費が伸びなければ景気は良くならない」と述べ、低年金者や無年金者に対して年金をかさ上げすることや先進国最低レベルの公的教育支出を見直し、教育・子育て負担を減らすことにより、その分を消費に回すことができると説いた。給付型の奨学金については、民主党政権時代に予算を組み、実現寸前までいったところで政権交代となり先送りにされたままだと指摘、「学びをしっかり支援していくことが重要だ」と力を込めた。

常に子どもたちに温かく寄り添う斉藤候補

常に子どもたちに温かく寄り添う斉藤候補