山尾志桜里政務調査会長は5日午前、埼玉県の春日部駅西口で大野もとひろ候補の応援演説を行った。

大野もとひろ候補

大野もとひろ候補

 「最初にお約束した通り、人の命を守る政治を一心不乱に頑張ってきた。もしも私が取り組んでいる仕事、法律が成就し、万が一のことがあったときに何人の人の命が救えるだろうということだけを基準に頑張ってきた」と1期6年間の議員活動を振り返った大野候補者。経済政策については、株価や為替頼みのアベノミクスから個人消費を上げていくために人への投資を重視する民進党の政策への転換が必要だと強調。1強多弱の国会ではこうした民進党の対案がまともに議論されないのが現状だとして、「参院は良識の府であり熟議の府だ。国民の前でまっとうな議論をさせてほしい。そのために切磋琢磨(せっさたくま)できる民主主義を取り戻したい」と訴えた。

 自身の専門分野である安全保障政策については、中国軍艦による鹿児島県南方沖のトカラ海峡への領海侵入を一例に挙げ、「昨年安倍政権が強行した安全保障法制には日本の領土、領海を守るという部分が1行もなく、あれでは対応できない」と指摘。民進党はこうした事態に対応し得る「領域警備法案」をはじめ5つの対案を出しているとして、「われわれは、自衛官や国民一人ひとりや日本を守ることは大事だと考えているが、それはいたずらに外に出ていき、あえてリスクを招いてくるものではあり得ない」と断じた。

 最後に、「未来への責任を担わせていただきたい」と力を込め、初選挙のときには中学生で「なぜパパは卒業式に出てくれないの」と選挙運動に明け暮れる大野候補に批判的だった娘が昨年20歳になり、妻に「やっぱりパパには未来を担ってほしい」と話したというエピソードを紹介。「今でも私は父親失格だが、このポジションにいて懸命にやらせていただくなかで未来を担える仕事ができると信じている。だからこそ当選しなければいけない。次の世代、その次の世代に対して未来への責任を負える仕事をさせていただく」と力強く表明した。

山尾志桜里政調会長

山尾政調会長

 山尾政調会長は、「20歳になった娘さんに『パパは未来を担っていく仕事を続けてほしい』と言ってもらったらパパ合格ですよね。この後ろ姿を見て納得できる、それだけの仕事をしてきたということだと思う」と大野候補から言葉を継ぐと、「だからこそ、この選挙で大野さんに国会に戻ってきてもらわないと困る。今話にあったように私たち民進党は対案政党です。先の通常国会で安倍政権が出してきた法案を上回る数の議員立法を出したのが民進党であり、その対案を作ってきた、政策のど真ん中にいるのが大野さん。ぜひ皆さんの力をかしてほしい」と続け、大野候補への支援を訴えた。

 そのうえで、「私は今朝ものすごく怒っている」と述べ、自民党の稲田政務調査会長が4日、「保育園落ちたの私だ」のブログの書き手に対して、「『日本死ね』なんて言っている場合ではない。この国はGDPの2倍の借金を抱えて何もかもはやれない。優先順位が必要だ。1億総活躍を目指すのだから国のためにみんな頑張れ」と発言したことを問題視。「自分たちの政党の票を稼ぐために不要不急の公共工事に予算をばらまき、借金を作ったのはどこの政党だ。なぜそのツケ回しを自分の努力、自力でできる精一杯までやって、それでもどうにもならないから『助けてくれ』と声を上げた、あのお母さんに押し付けるのか」「でも、選挙前に安倍政権の子育て支援策や女性活躍、1億総活躍のメッキが剥がれて良かったと思っている。安倍政治の姿勢は国家のために国民が自己責任で、自力で総活躍できるよう頑張れということだ。政治に口を出すなということだ。国政の課題は、いつも国民の皆さんの声の中にある。その課題の中からしっかりとやるべきことをキャッチして、対案として提示するのが政治家の仕事。それをやらないと言うなら職務の放棄だ」と指弾した。

 山尾政調会長は、安倍総理が進める株価と為替頼みのアベノミクスと、集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制に対し、暮らしと平和を守るための民進党の政策を力説。「7月10日、この国の暮らしとこの国の平和を子どもたちにつなぐために、ぜひ皆さんの1票を大野さんに託してほしい。民進党は対案を持って、ちゃんと皆さんの受け皿になってしっかりと政権を担っていく政党だ。大野さんがいれば民進党は必ず近い将来再び政権を担う。何としても大野さんに力を貸してほしい」などと呼びかけた。

平日の午前中、小雨降るなか約200人が大野候補らの訴えに耳を傾けた

平日の午前中、小雨降るなか約200人が大野候補らの訴えに耳を傾けた

大野候補の必勝を期す。写真左は、三角創太衆院埼玉13区総支部長

大野候補の必勝を期す。三角創太衆院埼玉13区総支部長(写真左)も全力を尽くすと表明