枝野幸男幹事長は7日、北海道札幌市で参院選党公認である徳永エリ候補の応援演説を行った。

枝野幸男幹事長

枝野幸男幹事長

枝野幸男幹事長

 「この選挙では大事な二つのことが問われている」と枝野幹事長は切り出した。「一つは皆さんの暮らし。3年半、アベノミクスという名前のもとに一握りの強いものがより強くなったが、皆さんの暮らしは、この3年半で5ポイントくらい実質賃金が下がった。多くの皆さんがアベノミクスの効果を実感できないという生活実感は正しい」と指摘した。また、「医療や介護の充実を図ることは景気対策でもある。そして、年金は安心なものでなければいけないが、安倍政権は株価をつり上げる目的で年金の株への投資を今までの2倍に増やした結果、昨年度5兆円の損を出した。こんなことを許してはいけないし止めさせるのが景気対策になる」と訴えた。

 もう一つは憲法だと枝野幹事長は述べ「3年半前の総選挙後は特定秘密保護法、おととしの総選挙後は集団的自衛権と安保法制。選挙の時には『経済』と言いながら選挙が終わった後は『公約の後ろの方に書いてあった』と言って、やりたいことを強引にやる」と安倍政権のひきょうきわまりない手法を指摘。「自民党の出している憲法改正案は自衛隊を国防軍にして地球の裏側で戦争できるようにするもの。もし3分の2の議席を取ったら『憲法改正案も国民に支持された』と必ず安倍さんは言う。9条だけじゃない。表現の自由、職業選択の自由、どの人と結婚するか。どんな宗教を信じるかなど、基本的人権は憲法で保障され、一時の権力でも成約できない。これを骨抜きにしようとする憲法改正草案。緊急事態条項という名前で、緊急事態だと政府が決めれば、いわゆる戒厳令を敷いて民主主義の手続きは無視していい。こんな憲法改正草案を自民党は出しながら、それを語らず、しかし公約には入れて、改憲勢力で3分の2の議席を取ったらやりたいようにする。2度あったのだからまたやる。これを止めなければいけない」と危機感を訴え「何としても北海道で改憲勢力3分の2を阻止しよう」と訴えた。

徳永エリ候補

徳永エリ候補

徳永エリ候補

 「本当に危機感を持っている。いま政治は戦後最大の危機だと思っている」と切り出した徳永エリ候補は1期目の現職で、2期目を目指す。「この3年半の自民党1強は、皆さんが思っている以上に大変だった。国会のルールが壊された。悪しき先例を次々と作られた。衆参の国会議員の3分の1が臨時国会を開いてほしいと要請したのに、憲法を無視して臨時国会を開かなかった」と安倍政治1強の弊害を説明した。

 「安倍さんは反論に行き詰まるといつも『あの4年前の暗い時代に戻っていいんですか。民主党の3年3カ月に戻っていいんですか。何もしてくれなかったじゃないですか』と何度も言い続けてきた。多くの国民の皆さんの中には民主党は何もしなかった、暗い時代だったとインプットされているかもしれないが、旧民主党時代に子ども手当と高校授業料無償化、農業者戸別所得補償制度を約束し実現した。しかし、安倍政権はそれらの政策に年収制限を設けたり、農業者戸別所得補償は2030年に廃止してしまう。北海道の農業が危機にさらされている」「自民党は民進党には対案がないといつも言うが、人への投資で緩やかだが個人消費は伸び、経済再生につながっていく。これこそが国民本位の経済政策だ」と徳永候補は訴えた。

 「私は女性国会議員。衆参合わせて1割しかいない。男性はすぐ数字で評価したがるが、私は実感が大事だと思っている。暮らしが楽になった、先に希望を持てるようになった。そうした実感を持てる政策を進めていくには生活感覚のある女性の感性が必要。優しくて暖かい政治をつくるには男性には任せておけない。女性の私たちがやらなければならない」と力強く述べ、支援を求めた。

満面の笑みで声援に応える徳永候補

満面の笑みで声援に応える徳永候補

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