枝野幸男幹事長は26日、国会内で定例記者会見を開いた。

 記者会見の冒頭、同日未明に神奈川県で起きた障害者施設での殺傷事件について取り上げ、「多くの皆さんが命を失い、傷つけられた事件について亡くなられた皆さんに哀悼の意を表するとともに負傷された皆さんの回復をお祈りしたい」と述べた。

 そのうえで「動機その他事件の背景をできるだけ早く明らかにして、再発の防止に取り組むのが大変重要なこと。こうした事件が起きてしまった背景について、政治の立場からしっかり検証できるように情報収集あるいはしかるべき機関に情報公開を求めたいと思っている」と述べた。

 野党幹事長・書記局長会談については無所属議員の会派問題について話をしたと報告し、「山形の舟山議員は党籍無所属のまま民進党・新緑風会への会派入り。岩手の木戸口議員は生活の党に入党の上、生活と社民党が参院で組む統一会派に入り、新潟の森議員は当面、無所属。沖縄の伊波議員は糸数議員と2人で統一会派を組むと報告と情報提供があった」と述べた。無所属候補についてはそれぞれ野党各党が協力して戦った候補者なので幹事長・書記局長レベルで確認し、それぞれの党が納得できる結論になっていると報告した。また、沖縄選出の2人の議員については、「特に沖縄問題について2人とも役割と責任を負っているなかでの活動のしやすさについて配慮できることは最大限配慮していこうということで、小川敏夫参院会長予定者にもお願いをした」と枝野幹事長は報告した。また枝野幹事長は、自民党の谷垣幹事長が負傷して復帰のめどがたっていないことに触れ、「一刻も早い回復をお祈りする」と述べた。

 週末の世論調査で鳥越俊太郎候補が小池百合子候補と増田寛也候補に差をつけられているとされていることについて、戦略を変更する考えはないかと問われ、「率直に言って出遅れであったのは間違いない。いろいろなものが後手後手に回ってきたと思っている。そうしたなかで各党の大物幹部が候補者と並んで大きな街頭活動をやるよりも、それぞれの党の支持層に対して独自に働きかけていく方が効果的ではないかということを言ってきた。そうした段取りが先週半ばくらいからようやく整って、本格的に走っている」と答えた。

 鳥越候補が昨日、原発に関して東京から250キロ圏内の原発を廃炉にすることを働きかけると言っていることについては「前後含めて詳細を聞いていないのでコメントは避けたいが、東京都が決定権をもっているなかで何か方針を出されたのではなくて、地方自治体としての要望があったとしてもそれは国全体の原子力政策と矛盾するものではないと思う」と述べた。

 GPIFの運用結果が29日に発表されることに伴い、このことについて参院選での取り組みを問われると、「参院選の時は急きょ新聞広告を打ったり、民進プレスの号外も出したり、多くの弁士がこのことを訴えていた」と述べた。

 天皇陛下の生前退位に関する報道について勉強会や見解を用意しているのかという問いに対しては「NHKに始まる一連の報道はまったく裏が取れていない。宮内庁は否定しているし、この報道にもとづいて何か皇室問題についてコメントするのは避けるべき」と述べた。