枝野幸男幹事長は30日午後、国会内で定例の記者会見を開き、(1)台風10号への備え(2)GPIFの運用損益赤字(3)2年余りの幹事長職の振り返り――等について発言した。

 台風10号について、「過去にないルートで東北に上陸する見通しだ。前例のないルートということは、雨・風その他前例のない被害が予測される。政府、自治体には万全の態勢を取ってもらいたい。特に福島第1原発への備えも徹底してもらいたい」と述べた。

 GPIFについては、「本年4月から6月の3カ月間の運用損益が、5兆円の赤字となったことが正式に明らかになった。私たちの指摘が正しかったということ。安倍政権が運用比率を引き上げてからの通算でも運用損益が赤字になった。この問題については、国会でも取り上げていく」と語った。

 同日の記者会見が最後の定例会見になることについては、「海江田代表から岡田代表と、幹事長職を引き受けてちょうど2年となる。受けた時の意識は、この党がなくなるのではという強い危機感があった。評価はいろいろあると思うが、現在は民進党という形で発展的に前進しており、最悪の状況からは抜け出せたのではないかと思う」「しかし、日本社会全体が危機的な状況にある。与野党や政治がどうこうという次元の危機ではない。強いものにこびへつらい、弱いものをたたくということが堂々と行われる社会になってしまっていることに強い危機感を持つ」と話した。今後は「これまでとは違う立場で頑張って行きたい」とも述べた。

 民進党が過去の民主党の最悪の状況を脱したと見る枝野幹事長は、その理由を「耐えてきたことだと思う。海江田元代表も、岡田代表も、一番厳しい時に耐え、それに党内の皆さんも足並みをそろえて耐えることができたことだ」と考えていると答えた。

 参院の1人区で勝てた選挙区での取り組みの評価を問われ、「自民党に入れてもおかしくない層にきちんと食い込んでいたかどうかが勝敗を分けたのではないか。一歩間違えたら自民党に入れかねない人たちに、時間をかけて日頃からしっかりとコミュニケーションしていくことが、これからのわが党にとって最も重要なことだと思う」と答えた。