安住淳代表代行記者会見

2016年9月28日(水)16時45分~17時03分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=tOLVNt_Mgso


■質疑

■冒頭発言

【代表代行】
 私のほうからは特段ありません。


■質疑

○予算委員会審議・輸入米価格偽装問題について

【日本経済新聞・学頭記者】
 30日から予算委員会の審議が始まる見通しだが、民進党として主にどういったところを追及していくか伺いたい。

【代表代行】
 (参議院選挙後)新内閣が発足して初めての予算委員会ですから、それなりに十分な質疑時間を取っていろいろな角度から質疑をしてほしいということは国対委員長にお話をしております。
 考えてみれば、6月1日に国会を閉じて、6月、7月、8月、事実上9月と、4ヵ月間、総理は我々と質疑することを拒んできたわけだから、聞きたいことはたくさんあります。
 今まで、選挙を通してもそうなのですが、国会がないと「言いっぱなし」で、この委員会というのは、国民の皆さんに、アベノミクスのさまざまな問題点や、TPPの今のプロセスの中で承認することが本当に国益になるのかどうか、さまざまなことを、我々も新体制になりましたから、野党第1党として責任ある質疑をしっかりしていきたいと思っております。
 今、コメの問題が騒がれていますから、TPPの問題もあわせて、できれば総括的質疑とは別に集中審議等もやって、充実した委員会を開いてほしいということは私からも自民党にお願いしております。

【朝日新聞・松井記者】
 (SBS輸入米の)コメ価格偽装問題について伺いたい。明日の昼に開かれる理事会で資料を出してくると政府が言っている。その資料の中身がどの程度のものなのか判然としない状況であるわけだが、中身がないものであったら、民進党として予算審議に入ることには応じられないという意思を示す可能性はあるか。

【代表代行】
 詳しくは国対委員長に聞いていただきたいと思うが、「調べている、調べている」と言ったって、本当は企業名なんてすぐ出せると思いますよ。もったいぶっているのか出したくないのかわかりませんが。長妻昭筆頭理事にも、とにかく出させるように最大の努力をすべきだと言っています。それでももし出さない場合は、資料についてはこちらの自助努力で何とかしたいと思っています。
 もちろん、そんなことはけしからんのだけれども、それ以外にも聞きたいことはたくさんあるんです。だからそういう点では総合的に勘案して、最終的に予算委員会のスタートをどうするかは明日決めたいと思います。

○所信表明演説での総立ち拍手・TPP文書の誤訳について

【読売新聞・高田記者】
 今日も山井和則国対委員長が会合で言っていたが、安倍総理の演説中でのスタンディングオベーションや、さらにTPPの誤訳等々、少しつまずきが見られる。これに関して代行の受け止めを伺いたい。

【代表代行】
 それは政策決定の中身の問題ではないので私がコメントするのもどうかと思うのですが、最近の自民党、何となくどよんと、嫌な感じですよね。皆さん見ているとおり、あれも国対の幹部がみんな歩いて、「立てよ、立てよ」とやっていた。それを記事にしているのはごく一部の新聞ですが。明らかなヤラセなので、自然発生的に「すばらしい」という話でないから、なおさら、本当に嫌だなという感じがあります。十分反省してもらいたいし、我々の党の戒めも含めて言うと、そうした小さなことにその党のおごりとか組織の歪みが出てくる。そういうことなのではないかなと思っています。
 外務省のことは、私も財務大臣の時に本当に口酸っぱく役所に言っていたのは、90兆円近い予算の計算を1円たりともミスしないで確認するというのは、実はとてつもなく大変な作業なんです。だから主計局にしても主税局にしても、みんなで電卓弾いて何度も検算を重ねて国会に出すものなんです。聞くところによると18ヵ所ぐらい誤りがあったというのでしょう。これは役所としてのノウハウというか、イロハのイの問題だから、これは大変残念なことだし、外務省しっかりしろと言いたいと思います。

○代表質問について

【テレビ朝日・原記者】
 この2日間で代表質問を終え、総理の答弁の受け止めを伺いたい。特に、本日の代議士会で蓮舫代表も批判していたが、(総理は)数字を挙げて民主党政権を批判する答弁が多かったように思う。この姿勢についてはいかが。

【代表代行】
 3年数ヵ月それしか言うことがないのか、という話なのですね。たぶん経産省の若い官僚あたりに書かせたのを一方的に読んでいるのだとは思うのだけれども、私、最近聞いていて思うのは、「未来志向」と言いながら、とにかく過去と比較して批判ばかりしているから、ちょっとそういう点では、総理どうなのかな、という感じはしますよね。
 さかのぼれば、じゃあ麻生さんの時の例も挙げてほしいよね。リーマンショックでひどかった時のことは一切言わないで、東日本大震災で大変な時の経済状況と今を比べて「はるかにいい」なんて、比較すること自体、恥ずかしい人の言うことだから。
 一般の国民の皆さんだって、そんなことを例にして議会で言う人、例えば地方の市長さんなんかいませんよ。私は被災地で一番ひどかった地域の議員だけれども、例えば石巻市で、あの2011年の悲惨な状況と今の石巻市の経済を比べて「よくなったでしょう」なんて言ったら、その市長さん、終わっちゃいますよ。そういうことを営々と言っている人が今の日本の総理大臣だということを、私はちょっと恥ずかしいなという感じはします。

【NHK・花岡記者】
 獏とした質問だが、民進党の代表質問が終わったが、衆議院で幹事長、しかも総理経験者の野田佳彦さんが代表質問し、参議院では蓮舫代表が代表質問するということで、なかなか重厚というか、役者が両院でそろったような代表質問になったと思う。この民進党の代表質問の受け止めと、総理の答弁ぶりをどのように受け止めているか。

【代表代行】
 野田幹事長の野田カラーもよく出ていたし、蓮舫代表の今日の演説も蓮舫カラーが出ていたと思います。
 そういう意味では国民の皆さんに、民進党がある意味変わったなというのを見ていただけたのはよかったと私は思うんですね。だから、私みたいな“昔の名前”で出ている人間が記者会見をするのはどうかなと自分でも思っているのだけれども、私も新しい気持ちで頑張りたいと思っております。
 (総理の答弁ぶりについては) 総理は体調が悪かったのかな。ちょっと雑な答弁だったような気がします。
 それと、本当に同じことを繰り返すのだけれども、本会議といえどもかみ合う議論をするには、こちらの出した数字を言うと、例えば消費者物価指数の話を出したら、「いやいや、雇用はよくなった」とか、全く違う、都合のいい統計を出してそれに反論したら、かみ合わないですよ。皆さんの会社の中でそんなことを社長の前で議論したら、たぶん重要な部署から飛ばされると思いますよ。
 かみ合う議論をする時は、私らも与党であったからわかるけれども、都合のいいことを言うのではなくて、聞かれたことに対してちゃんと向き合ってほしいなと思うのだけれども、残念ながら安倍総理は、この3年半以上ないですね。だから、いつも同じことばかり言う。我々は、いろいろな角度から数字を出してアベノミクスのことを聞いているんです。ところが、答えは必ず一つでしょう。「雇用(有効求人倍率)は1倍以上になりました」とか、「もはやデフレでない状況になった」とか、何を聞いても同じことを答えたら、かみ合わない。
 予算委員会はきちっと、悪い統計があると言われたら、その悪い統計を政府はどう考えているのかを、都合のいい数字ではなくて、その統計についてちゃんと向かい合って話せば、より深い「熟議の国会」になって、我が党の提案もすっと耳に入っていくのではないかなと思う。いたずらにあの防御をつくっているのは、総理にとっても政府にとってもマイナスだと思いますよ。

【朝日新聞・松井記者】
 「蓮舫カラーが出ていた」とおっしゃったが、蓮舫さんらしいなと特に思われた部分は具体的にどんなところがあるか。特に今日の蓮舫さんの代表質問で評価できるところ、強調したいところを教えていただきたい。

【代表代行】
 私は、自分で代表のあの原稿を読んでいて、もし自分でやっていたら全く気づかなかったのは、やはり「女性活躍」の部分などは蓮舫さんらしさが出たと思うんです。考えてみれば、この1年間で首相が「女性活躍」の問題をどう取り上げて、それをどうしてきたかというのを、私は恥ずかしながらそれに気づいていなかったのだけれども、蓮舫代表に言われて、なるほどなと思いました。
 (総理にとっては)“お題目”だったのでしょうね、たぶん。本当の意味で女性が進出して、私なりの言い方が適切かどうかわからないけれども、対等に渡り合って、女性がいろいろな場で名実ともに思う存分その才能を発揮できる社会をつくるためにどうしたらいいかというのは、たぶん私達以上にプライオリティーの高い問題だったのではないかと思うのだけれども、そういうことを今回ちゃんと質問してもらったのは非常によかったと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 蓮舫さんは「提案」ということを前面に掲げ、今日も「提案」という言葉をたくさん使っていた。具体的な数字もたくさん挙げていたが、一方で、現時点では参院選でいろいろ打ち出してきたことがどうしてもベースになってしまっていると思う。今後、新しい政策をどのように党として提案していくか、考えを伺いたい。

【代表代行】
 提案したり議員立法を出すのは幾らでもできるのだけれども、蓮舫代表も野田幹事長も、私もそうなのですが、やはり財源の裏付けとか、ちゃんとそういう根拠を持ってやるとなれば、そう簡単なことではないんです。
 そういう意味では、やはり政権を目指して議論を日本政府とやる。自民党というよりも霞が関が後ろに控えているから、そういうところと対等にやっていくというのは、より現実的で具体的な話をしたほうがいいと私は思うんです。だから社会保障の話だって、我々は逃げないと言っているわけだから。
 だからそういう意味では、選挙目当てのことばかり考えて、ということを野田幹事長はおっしゃっていたけれども、全くそういう姿勢を私は安倍内閣に感じるので、我々としてはそういう点ではより現実的で国民の皆さんが納得してくれるような対案をこれからも出していったらいいと思いますよ。
 政党が一つなんだから、参議院(選挙)で訴えたことがベースになるのは当然なのだけれども、時代はそれでも刻々と変わって、重要なテーマも出てくるから、そういうことについては蓮舫代表のカラーでこれからどんどんやっていけばいいんじゃないかと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 「提案型」ということについて自民党側は、例えば憲法について言えば「民進党の案を出してください」と安倍首相が求めたりして、逆にテーマによっては土俵に乗せられてしまうリスクもあると思うが、その点についてはいかがお考えか。

【代表代行】
 それは何というか、すれ違って議論して、国民が納得したりすればいいけれども、私はある意味、自民党の都合のいい土俵には乗るつもりはないけれども、国家にとって本当に重要な問題が出てきたら堂々と乗って「がっぷり四つ」でやっていいと思っています、テーマによっては。
 我々の場合は、そういう意味ではいろいろな蓄積がしてあるから、堂々とそれは議論したいと思っています。

○次期衆議院選挙について

【共同通信・橋本記者】
 にわかに衆議院解散の空気が永田町で出てきているかと思う。それに関連して、今日、公明党の山口代表が、この先いつあってもおかしくないというような発言をしたが、代表代行としてはどのように感じているか。また、その山口発言についてコメントをいただきたい。

【代表代行】
 私は、この10月で在職20年、当選7回です。割り算すると2年から3年で選挙があると覚悟しないといけないという意味では「常在戦場」なので、いつ解散があってもおかしくないということは正しい考え方だと思うのです。
 もう一つ。この空気をつくっているのは、来年の政治日程が窮屈だということでしょう。それから、区割り審を含めて選挙制度改革の重い法案が出てくるので、その前後の縛りを考えたり、都議選を考えたり、政治状況を考えれば、何となく来年の冒頭以外の解散・総選挙は狭い感じがするということで出てきたということですよね。
 状況的にはそうかもしれないのだけれども、我々としては、野党第一党で今これだけの、100を下回っているような数なので。やはり選挙をやらなければ野党は議席が増えませんからね。そういう意味では、いつでも受けて立つという気概で選挙をやるべき。我々としてはいつでも待ち構えて、選挙をやった時にはそれに対応すべきだと思っています。いつやられると困るとか、そんな話ではないと思います。