蓮舫代表記者会見

2016年9月29日(木)17時33分~17時53分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=iKOAGtmAshU


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○代表質問を終えて

【代表】
 先ほど参議院本会議で総理の所信表明演説に対する各党の代表質問が終わりました。全体的に、議論が深まらなかった。代表質問はワンウェイ、一方通行ですので、お互いが思っていることがなかなかかみ合わないというのは非常に残念だと思いましたが、明日から衆議院の予算委員会も始まりますので、お互い消化不良と思えていた部分をいい形で審議をして、提案も引き続き行いながら、総理の認識も確認をして、議論を前に進めていければいいなと思っております。

○衆議院福岡6区の視察について

【代表】
 週末は衆議院福岡6区の補選の応援に入ります。福岡6区は農家の多い地帯です。先週末、北海道の十勝に入って、農家の皆様方、特に豪雨・台風災害もありましたが、自然災害がない地域の農家の方達からも、やはりTPPに対する不安の声は、かなり差し迫った問題として聞かれることが多うございます。今回もそういう声を聞ける機会があればと思っておりますが、そうした声を国会での質疑で役に立てていきたいと思っています。

○富山県連における政党交付金の不正取得について

【代表】
 これは非常に申しわけない、残念なのですが、富山の政党交付金をめぐる不正が明らかになった問題についてです。
 あってはならないと思っております。特に政党交付金は国民の皆様方から信頼を得ていただいているわけですから、それが不正に使われたというようなことがあってはならないと思っております。
 既に政務活動費関連で実際に正しい使われ方をしていなかった議員は除籍しています。ただ、今回の県連の話におきましては、党として直接調査をすることにして、既に着手しています。幹事長と、党地方組織立て直しを担務する江田憲司代表代行に指揮をとっていただくことにしています。
 とにかく、決して不信・疑念があってはいけないと思いますので、これは速やかに調査をして、一体どういうことがあったのか、実態を解明したいと思っています。

○児童扶養手当に関する安倍総理の答弁姿勢について

【代表】
 これは昨日の代表質問に戻りますが、安倍総理が随分強い口調で児童扶養手当に反応されておりました。
 よく見ていただきたいと、あらためて思います。児童扶養手当を今引き上げてほしい、22億円の差で、第2子・第3子への手当に所得制限を入れないでもらいたいというのは、ひとり親のお子さんの貧困率が現政権になって上がっているからこその私の提案でした。
 「民主党政権の時」という悪口をよくお話しになられますが、あの時には、子どもの貧困というデータを長妻昭さんが初めて出しましたが、今ほど悪化をしていません。むしろあの時に求められていた声は、それまでの自民党政権が実行してこなかった父子家庭のひとり親家庭に対する児童扶養手当、それを私達は新たにつくって、1年間で150億円の予算措置をしています。
 その時代、その時代に合わせて、求められる需要は変わってまいります。限られた財源の中でどこに優先順位を置くのか。私達は、そこは優先順位に応える政治をしてまいりましたので、今の政治で足りないものを提案したものを、4年前、過去にさかのぼって、声を大にして批判されるというのは、一国の総理として非常に残念だなという思いを今強く持っています。
 これは引き続き、予算委員会等でも提案していきます。


■質疑

○次期総選挙について

【フジテレビ・寺田記者】
 自民党が党大会を3月にずらしたことで、1月に解散があるのではないかという説が浮上している。このことについてのお考えと、党としてどのように取り組まれるかお聞きしたい。

【代表】
 党大会がいつであろうと、衆議院はいつでも総理のご判断で解散ができますので、「常在戦場」、いつでも戦える態勢を整えていきたいと思います。

○TPP「強行採決で実現」自民党理事の発言について

【時事通信・島矢記者】
 自民党の福井照議員(衆議院TPP特別委員会理事)が、TPPに関して強行採決を行うという趣旨の発言を今日派閥の総会でされた。その受け止めと、民進党として今後どのようにその発言に対応していくのか伺いたい。

【代表】
 その発言を直接伺ってはいませんが、びっくりしました。与党の責任ある理事の方の発言とは、議会人としてとても思えません。
 総理の、先日の衆議院でのスタンディングオベーションもそうですが、私の質問に対するある意味真正面から答えない乱暴な答弁もそうですが、与党のおごりでしかないと思います。これは厳しく臨んでいきたいと、私達の方針は決まっています。

【日本テレビ・古谷記者】
 福井理事は先ほど国対委員長に対して、発言の責任を取って(理事を)辞任するということを言って、それは了承されたらしい。要はこれで幕引きにしようということだと思うが、それについてはいかがか。

【代表】
 責任をとられることは当然だと思いますが、どういう意味合いで「強行採決する」という発言をされたのかはぜひ明らかにしていただかないと、それが間違いだったのか、それとも違う意味合いだったのかも含めて聞かせていただかないと、これから我々TPPの審査に入っていく時に、すんなり「そこはもう首を切ったから、なかったですよ」という話にはならないと思います。

○新潟県知事選挙について

【読売新聞・佐藤記者】
 新潟県知事選について伺いたい。民進党は今回、共産・社民・生活が推薦した米山さんの推薦を見送ったが、その理由と、昨日の記者会見で共産党の志位委員長が、民進党は自主投票になったので、「共闘の輪の中に民進党も入ってほしい」という趣旨の発言をされているが、党として今後どのように対応していくお考えか。

【代表】
 組織として機関決定したことを、私は覆しません。
 ただ、自主投票を決めています。特に新潟においては原子力発電所の問題が常にあります。泉田知事もそこで大変ご苦労されていたと思いますが、やはりここは政党間の戦い、特に国政を持ち込むというよりは、やはり県民の代表を選ぶわけですから、県民の皆様方がどのような思いを持って今回のさまざまな投票行動に出るのか、これは注視をして見守りたいと思います。

【IWJ・原記者】
 地元の米山選対の関係者から、野田幹事長は米山氏の擁立に前向きな姿勢も示したが、県連代表の黒岩宇洋議員が、もう会議で自主投票を決めたから、ということでかたくなに譲らなかったという話をしていた。蓮舫代表は、新潟県知事選をめぐるこうした経緯を把握されているか。下手をすれば無投票当選もささやかれていた県知事選だが、黒岩議員のこうした対応に問題があったと考えたりはされるか。

【代表】
 今の前提そのものを私は把握していません。そして、そうした事実はないと思っています。

【IWJ・原記者】
 民進党は27日の常任幹事会で、新潟県知事選に出馬した米山隆一さんの(衆議院選挙)公認内定を取り消すことを決定した。ネット等では懲罰的な解任処分で重ねてムチを打っているという意見を見るが、こういった、「処分」なのかわからないが、処分に至ったのはなぜかということを伺いたい。

【代表】
 私たちは組織です。今までいろいろな部分で、この組織の規律を守れずに国民の皆様方の信頼を失ってきた痛い経験を持っています。だからこそ私は、組織の規律はしっかり守るという前提で全てを進めています。
 その中で今回の米山さんは、民進党の総支部長として新潟県連の意思決定の場所にもしっかりと参加して、ご自身の表明をしない形で進めて、そして今の新潟県連の意思決定に賛成しています。その部分でその後思いがあってご意向が変わられたと思うのですが、それは我々の規約の中では、今ご指摘いただいた「処分」というよりも、そうした形になるとご理解ください。

【新潟日報・長野記者】
 民進党県連会長の黒岩衆議院議員の関係で、一度自主投票を決めたのにもかかわらず米山さんが出馬した経緯をめぐって、地元の連合から非常に強い反発があり、関係が悪化しているようだ。こちらについての受け止めと、党本部として何かフォローするのか伺いたい。

【代表】
 特段、受け止めはありません。

○富山県連における政党交付金の不正取得について

【TBS・永沼記者】
 富山の問題に対して、江田代表代行が陣頭指揮をとるということだが、具体的にどのような調査になるのか、今決まっていることがあれば教えていただきたい。

【代表】
 今、報道等で言われている部分では、不正請求・虚偽申告ではないか。そういった事実があったとしたら、これは当然許せませんので、あってはいけないことですので、実態がどうだったのかまず早急に調査を行う。その調査の結果がどういうものだったのかを、まず見させていただきたいと思いますし、事実関係を明らかにさせていただこうと思います。その次に、じゃあ県連をどのように立て直していくか、組織として皆様方の信頼を取り戻していくか、それを江田代行にお願いしています。

【北日本新聞・土居記者】
 政党交付金の使途不明金に関係して、昨日、民進党の県連が会見して、来月以降の市議補選・県議補選で候補擁立をしないということを述べた。地方での党勢拡大のチャンスを逃したことの受け止めをお願いしたい。

【代表】
 党勢拡大は常に求めなければいけないと思いますが、今回、議席を失った理由を考えた時に、やはりその理由は相当反省しなければいけないものだと思っていますので、ここにおいて党勢拡大・議席拡大ということを優先で考えるのは望ましくないのかなと、率直に思います。

○IR推進法案について

【朝日新聞・中崎記者】
 本日、超党派のIR(統合型リゾート)法案の議連が会合を開き、今国会でのIR法案の成立を目指すことで合意したということだ。この法案についての代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 IRに限らず、議連というのは自らの目的の法案を通すための活動を常に行っていきますので、それは決して珍しいことではないと思います。
 ただ、今回の臨時国会の長さも含めまして、相当課題が山積している時に何を優先順位で臨んでいくかというのも考えなければ、そのバランスも考えなければいけないと思います。
 あわせて「次の内閣」(ネクストキャビネット)が発足したばかりですので、部門会議でのどのような議論をこれからも続けていくのか。もう少し考えさせてください。

【朝日新聞・中崎記者】
 このIR法案、「カジノ法案」と言われるが、民進党内には立場がいろいろあって、この議連に入っている方もいれば、反対している方もいると思う。この法案に限らないとは思うが、党内をまとめていく上で何か考えがあれば伺いたい。

【代表】
 法案が実際に出るのかどうなのかも判断しないといけないと思いますが、我々は民主主義的な議論を経て、そして決まったことは守る。この原則を守ることに尽きると思います。

○衆議院東京10区・福岡6区補欠選挙について

【産経新聞・清宮記者】
 10月の衆議院補欠選挙について、共産党の志位委員長は選挙協力に前向きな姿勢を示していて、今、話し合いを進めているところだということだが、東京で野党統一候補として調整を進めるお考えがあるかどうかお聞きしたい。

【代表】
 基本的には私達はどの選挙においても、まずは民進党が旗を立てる、私達が中心となって候補者を公認で擁立していく方針は変わりません。ただ、総選挙と違って補欠選挙ですので、全国で2ヵ所しかありませんので、ある意味、シンプルな構図に持っていくことができるのであれば、それは否定するものではないので、幹事長に今、その部分はどういうことができるのかはお願いしています。

○生前退位をめぐる議論について

【日本経済新聞・宮坂記者】
 天皇陛下の「お気持ち」、生前退位の問題について伺いたい。政府が法案を出す前に両院議長がこの問題について与野党の意見を聞く場をつくろうという動きがある。総理も、一定の段階で与野党を交えて議論するということを示した。この問題、政府は特措法を通そうということがあると言われているが、こういった協議の場に対して民進党としてどういうふうに臨むお考えか伺いたい。

【代表】
 立法府の一員として、これまでも言ってきたことなのですが、静かに国会で議論することはやらなければいけないと思っています。
 党としてどういうふうにするのか。今、幹事長にお願いしているのは、どういう枠の中で、党内でどういう形で議論ができるのか、早い段階で固めてくださいと指示を出しました。

○憲法をめぐる議論について

【NHK・花岡記者】
 憲法審査会について伺いたい。憲法審査会の会長に自民党の森英介さんが就任した。代表は代表選挙の中でも常々、憲法改正が最優先かどうかというのはもう一度考えなければいけないという発言をされていたと思う。今国会はTPPや補正予算等があるが、憲法審査会の進め方はどうあるべきか、お考えを伺いたい。

【代表】
 どの委員会も、調査会も、審査会も含めて、やはり議運があって、それぞれの委員会等の理事同士の話し合いがあって運営というのは決まっていきますから、党代表が「こうだ」と言ったところで、それは合議制の中で通るはずもないと思っています。そこはやはり立法府のそれぞれのルールにのっとった判断に委ねたいと思います。

【NHK・花岡記者】
 民進党の中の、憲法改正についての議論というのは、今の段階では優先順位は高いとお考えか。それとも、もうちょっと時間をかけてじっくりやっていったほうがいいとお考えか。

【代表】
 国会の憲法審査会で、全ての理事が合意をして開催されたら、それは立法府の一員として当然積極的に参加します。
 党内で、憲法調査会、これはつくる方向で今、幹事長にお願いをしています。
 その上で私の意識としては、優先順位は憲法改正ではない。これは代表選で何度もお訴えをしています。それよりもむしろ、まさに今底割れしている生活の不安や、消費に向かわない将来のさまざまなライフステージにおける不安を取り除く。あるいは、政府が最重要課題としている「働き方改革」に対して、賛成できるのか、あるいは提案がどこまでできるのか。こちらのほうがむしろ優先されると思っていますので、そのようにご理解ください。

○衆議院予算委員会での議論について

【日本テレビ・古谷記者】
 新体制になって初めて国会で与野党で丁々発止の議論が交わされることになると思う。この予算委員会でどういう見せ場をつくれるかは今後にとっても非常に大事だと思うが、その中でかなり重厚な布陣というか、いいラインナップをそろえているように見えるが、どのような議論を明日から期待されるか。

【代表】
 期待する立場ではなく、一緒に戦う立場です。まさに広島カープのような、日ハムファイターズのような、スコンと抜けるような期待を持っていただける、そうした議論を行っていきたいし、そうしてもらいたいと指示をしています。

○社会保障と税の一体改革について

【IWJ・原記者】
 野田幹事長が一昨日の国会で、安倍政権の消費増税再延期の方針について、「後世で厳しく糾弾されるだろう」と発言をされた。確認だが、民進党の方針としては予定どおり来年4月に増税すべきという考え方なのか。あらためて増税に関する民進党の考え方をお聞きしたい。

【代表】
 岡田克也前代表のもとで、来年の予定どおりの消費税増税には反対する形で、今回の夏の参議院議員選挙を戦っています。今後どこの時点で(引き上げるか)、そしてそれに至るまでの間、社会保障サービスを充実させる代替財源、この議論はこれから始めたいと思います。