大串博志政務調査会長は4日、政調役員会後に記者会見を開き、(1)年金問題(2)SBS米の価格偽装疑惑(3)北方領土(4)補正予算への賛否――等について発言し、民進党として「さらに政策提言ができるよう、各政策のアップデートを指示し、スピード感を持って政調を動かしていく」と述べた。

 大串政調会長は冒頭、「今回、オートファジーの研究で大隅良典先生がノーベル賞を受賞した。科学技術は日本の柱。科学技術を後押しできる提言を行っていきたい」と述べた。

 年金問題については、「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)での運用が10兆円の損につながったということに加えて、政府は、将来試算もまったくなしに場当たり的にデフレ調整を行うという法案を出している。世代間の公平を保つ調整は極めて大切だが、それは年金の将来に対する信頼性を確保できる形でやっていかなければならない。2004年の年金制度改正の時、政府は『100年安心の年金になるのだ』と胸を張っていた。ところがその後、将来の年金推計などが全くないなかで、場当たり的に調整を行おうとしている。年金の将来不安をあおるだけで、いかにも年金の安定性、安心感について無頓着な政府の姿が見て取れる」と批判した。

 TPPに関して、海外から輸入されるミニマムアクセス米のSBS米の価格偽装疑惑については、「政府の説明はたどたどしいものになっている。政府が調査結果を出してくることになっているが、それが本当に客観性を持つものなのか。単なる業者への聞き取りのようなものではなく、本当にSBS米が国産米と遜色のないレベルで流通している実態があったのか。客観的な資料になっているかどうか」と、厳しくチェックしていくと述べた。

 北方領土の問題については、「『4島の帰属を確定し』というコアの合意内容について、昨日の岸田外相の答弁はきわめて不確かなものだった。これまでの政府答弁を総合すれば、4島の帰属とは、4島の日本への帰属と理解されているのが通常だ。それを不確かなものにしていく政府は、日本の国益を守る姿があるか疑念を持たざるを得ない」と批判した。

 補正予算への対応に関しては、「現在議論している補正予算は、無用な公共事業が多い、大雨豪雨災害への対策はまったく入っていない、TPP対策は充分なのか――などを考えると、とても賛成できるものではない」と断じた。