民進党、共産党、生活の党と山本太郎となかまたち、社民党の野党4党の幹事長・書記局長は5日、国会内で会談した。10月23日に行われる衆院東京10区と福岡6区の補欠選挙で、野党4党が民進党の公認候補に絞って戦うことを協議し、共産党は候補を取り下げて、各党もできる限りの協力をすることが決まった。

 会談終了後の記者会見で民進党の野田幹事長は「私から会談を要請させていただいた。5月19日の党首間で合意されたことを踏まえての協議という位置づけ。来週から始まる東京と福岡の選挙について、大変厳しい選挙になるという認識を持っている。そのなかで、野党候補が複数出馬するとなると一層厳しいものになる。与党、野党シンプルに戦う構図をつくっていかなければならないという認識のもと、東京10区、福岡6区は民進党の公認候補一本に絞って戦わせていただきたいという旨を、すなわちそれは共産党の候補を降ろしてほしいという意味だが、その要請をし、各党にはできる限りのご協力をお願いするという要請と呼びかけをした。共産党の小池書記局長は了とするということだった。各党からもできる限りの協力をするという回答をいただいた。各党から今後の衆院選についても協議していきましょうという話があった。これも5月19日の政党間合意に含まれているので、衆院選についてできる限りの協力を行うという中身をこれから詰めていくということもあらためて確認させていただいた」と会談の内容を説明した。

 安全保障関連法の廃止など、これまでの野党間の政策合意の補選での取り扱いを問われると「先ほどシンプルに戦うと表現を使ったが、ここであらためて政策協定を結ぶということはしていない。また、推薦をいただくというプロセスも取らない」と述べた。

 他党からも推薦したいという要請はなかったのかという問いには、「社民党から、推薦(を受けること)はあるのかという確認はあった。公認候補として、できる限りの協力ということで対応していただきたいと回答した」と語った。

 共産党の小池書記局長が9月23日の野党4党の会談で、安倍政権の憲法改正に4党で反対していくと確認したと言っていることについて、そのことが共通公約になるのかと問われると「共通公約という議論ではない。過去に合意したことを踏まえて、あるいは一緒に法案を提出したもの、臨時国会で共闘していくことを具体的に実現するための戦いであることを申し上げた」と述べた。

 記者会見では、幹事長・書記局長会談とは別件で、天皇陛下の生前退位について民進党が皇室典範改正案を通常国会に提出する考えと一部で報じられたことについて確認を求める質問も出た。野田幹事長は、「ちょっと見出しはびっくりした。生前退位だけでなく、それに関わる論点はいろいろあるので、皇室典範改正を視野に入れて検討をするという方向性は申し上げた。私が代表質問で質問した時と1週間前の記者会見で聞かれたときの言い方と基本的に変わっていない。通常国会が来年あるので、それまでには検討委員会で議論を収束して、党内で認識を共有しなければいけないので、党の考えをまとめなければいけない。しかし、党の考えをまとめることが法案を提出するというのは飛躍があり、そこのところは申し上げていない。法案を提出するのは閣法にぶつける対案になる。そういう議論の仕方がいいのかという問題もある。そこまで踏み込んだ発言はしていない。皇室典範改正案ではなくて、視野に入れた検討をこれから行うということで、それ以上でもそれ以下でもない。ミスリードになってはいけないと思うので、そこは訂正させて欲しい」と一部報道を訂正した。