細野豪志代表代行記者会見

2016年10月12日(水)15時48分~16時03分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=TqrjZnMSsYQ


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○衆院予算委員会集中審議・総理の答弁姿勢について

【代表代行】
 今日は予算委員会で集中審議が行われており、私も一部見ておりました。率直に言って、相も変わらず総理が民進党を攻撃するというか、どちらが与党か野党かわからないようなやりとりがかなり行われていました。
 自民党は総裁の任期を3期・9年にする(ことを検討している)わけです。そうなると、場合によっては2020年という東京オリンピック・パラリンピックの年をまたごうかというくらいの長期政権を視野に入れている総理としては、非常に小さいなというのが率直な印象です。
 ですから、もっと堂々と、経済の状況であるとか、TPPなども今日かなり議論になっていましたが、政権としてどう考えるのかということをお答えいただくほうがいいのではないかと率直に思いました。

○パリ協定批准承認案の閣議決定について

【代表代行】
 気になっておりますのがパリ協定でして、昨日(批准承認案を)閣議決定して、今、参議院からの審議ということで、我が党としては全面的に協力する姿勢でおります。
 ただ、野党である我々がどんなに協力姿勢をとったとしても、与党の事前審査も含めて、閣議決定まで持っていかないと前に進まないわけです。残念ながら、このままのペースでいくと「時、既に遅し」で、(来月4日に)パリ協定が発効した時の(批准)国になれるかどうか怪しい状況になってきているということです。(世界の温暖化ガス排出総量に占める批准国の排出量の割合が)55%を超えてくると、もう発効しますから。
 これは明らかに政府の失態だと、この問題を軽視し過ぎていると私は思いますし、安倍政権が温室効果ガスの問題、温暖化の問題に積極的でなかったことの表れだと思っておりますので、ここは猛省を促したいと思います。
 再三我々は言っていますが、私どもは提案をしっかりしていく政党ですので、これは早期に日本として批准すべきだということを(9月30日の予算委員会で)私からも申し上げましたが、この問題については積極的に審議に応じていきたいと思いますし、早期に日本でも締結できるように努力する姿勢で臨みたいと思います。


■質疑

○パリ協定承認案について

【時事通信・島矢記者】
 パリ協定の関係で、与党側からは来月7日までに国会での承認をという意見が出ているが、これについては民進党としてどう対応されていくお考えか。

【代表代行】
 今のようであれば、それはそうしたほうがいいと思います。
 ただ、厳密ないろいろな手続でいうと、COPの会議(11月7日からモロッコで始まる「第22回国連気候変動枠組み条約締約国会議」)のかなり初めからパリ協定について議論になると思いますし、本格的にパリ協定の枠組みそのものの議論ということになると、おそらくその次の週くらいからということになると思うのです。ですから、その相当前に批准しておかないと発効した時の国ということにならないようですので、7日までというのは最低限だと思いますが、もう、かなり厳しい日程になっているというのが私の理解です。

○ネット対策について

【NHK・相澤記者】
 週末の全国幹事会で、代表が細野さんの役割についてお話しされ、その中で「ネット対策もお願いしてまいります」とおっしゃったが、具体的にどんなことをやるのか伺いたい。

【代表代行】
 今は現状把握に努めていまして、ここはどこの政党もそうなのですが、選挙の時のネット選挙ですとか広報対策と、平時のいろいろな取り組みはやや分けているようなところがあります。ただ、現実的には選挙期間に限らず常に、世論というのはネットで相当動く形になっていますので、その体制そのものをどうするのかというところから考えていかなければならないと思っています。
 ですから、これは長い経緯というのもありますので、今は現状把握に努めておりまして、その中でどういう戦略を立てていくか、早急に結論を出したいと思っています。

【フリーランス・安積記者】
 ネット対策をされるということだが、たしか細野さんはかつてツイッターでBOT(SNSで自動的に投稿するアカウント・プログラム)に対して話しかけたり、三宅久之さん(のなりすましアカウント)に、亡くなった後にコメントしたりとあったが、それからかなりネットリテラシーは上達されたか。

【代表代行】
 リテラシーって、何を言うかですが。
 私は社会に出たのは95年なのですが、95年というのはちょうどインターネットが普及してインフラになりかけた時期なのですね。当時はダイヤルアップでしっかりやらないとインターネットにつながらないような時代で、職場で私がIT担当としてやったのです。その後は、私は経済の予測屋をやっていましたので、シミュレーションを、エクセルを含めて徹底的にやるという仕事を数年やっていますので、基本的にパソコンを使うことについては何の苦もありません。
 あとは、例えばフェイスブックがどうだとかツイッターがどうだとかインスタグラムがどうだとかいうのは、これはソフトの問題なので、リテラシーというレベルの問題ではないと思います。
 私が勘違いでBOTにコメントしたというのはあるかもしれないけれども、不十分ではないかというご認識なのだとすれば、私にとってはインターネットを使ってどうやるかというのは、私なりにそこは自負はあります。
 今は、メディア戦略というのはそういうレベルではなくて、それこそビッグデータも含めてそこをどう活用していくかということですから、スキームの違う戦略を練っていかなければならないので、今、ご質問は個人のメディアリテラシー、ネットリテラシーということですが、そういうレベルとは全く違う議論をしないと戦略は出ない、ということを申し上げているわけです。私が言わんとしていることと、ご質問の趣旨が全く違うと思います。

○TPP承認案について

【共同通信・田窪記者】
 TPPに関して、与党は14日に審議に入りたいと言っているが、その辺の見通しはどのように見ているか伺いたい。

【代表代行】
 金曜日に審議に入りたいという話は私も聞いておりますが、そもそもTPPを今あわててやる必要があるのかというところから見解は分かれています。加えて、SBS米の問題。この問題できちっと情報公開がなされることが大前提だと思います。そういったことを考えると、今すぐに審議に入るという状況ではないのではないかというのが私どもの立場です。
 特にTPPのSBS米の問題は、これまでの予算のそもそもの大前提となっているところですし、この問題をないがしろにしてさっさと審議をして、ましてやそこで採決をするということにはならないと思います。

○IR推進法案について

【朝日新聞・松井記者】
 IR(統合型リゾート)についてお聞きしたい。先ほど議連(の会合)が開かれ、大阪から松井知事がいらっしゃっていた。各党、態度はさまざまで、民進党内でも意見が分かれている状況だが、民進党としてこの問題にどのように向き合っていくか、お考えを伺いたい。

【代表代行】
 私の仕事は政策全体について、将来に向かって民進党として何を取り組むべきかと、ここが私の役割ですので積極的にやらなければいかんなと思っているのですが、IRの問題は、これは個別の法案になりますので、政調でしっかり議論していただくことになると思います。

○臨時国会前半の論戦を振り返って

【「FACTA」・宮嶋記者】
 この間の衆参の民進党の先生方のハイライトは何だったろうか。細野さん、辻元清美さん。稲田防衛相の資質を問うたり、あるいは落涙を誘ったりというのが私は一番印象的だった。この間で何か、これは少し斬り込めたかなという、ハイライトについて代行としてどんな印象があるか伺いたい。

【代表代行】
 どう評価されるかは皆さんそれぞれですが、私は予算委員会にちょこちょこ顔も出しましたが、やはり委員会室に一定の緊張感が出てくることが重要だと思います。うっかり変な答弁をしたらまずいとか、しっかり準備をしないとまずいという雰囲気が出てこないと、国会の議論というのは迫力が出てきません。その意味では、やはり民進党の議員が(質問に)立っている時が一番、委員会室に緊張感が出てきていると思います。そこは画面を通してはなかなか全て伝わらない部分もありますが、一定の役割は果たしたかなと思います。
 中身ですが、経済についても相当いろいろな議論がされましたので、補正予算の議論もありましたから、そこは一定の、アベノミクスの限界ということについては提起できたのではないかと思います。
 あとは、やはりTPPだと思います。SBS米のところはそれぞれの議員がかなり突っ込んだ質疑をしましたので、国民の皆さんにも一定の形で伝わることにはなったのではないか。
 そして憲法の質問を、蓮舫代表も含めてかなりの人数やりました。私もやりましたが、安倍総理は徹底的に逃げを打とうとしたわけです。「総理としては、個別の条文については答えない」と。これを許してしまうと、国会で総理と憲法議論する場所がなくなります。憲法審査会というのはありますが、総理は出てきませんから。そこは、それではだめだということで釘を刺したのは一定の成果ではないかと思います。
 あとは、必ずしも多くの審議時間を取りませんでしたが、今国会の隠れた主要テーマはやはり「生前退位」だと思うのです。この問題について、政府の解釈も明らかになりましたので、これから議論する土台はできたかなと思います。

○新潟県知事選挙について

【朝日新聞・松井記者】
 細野代行はかつて原子力防災担当大臣を務められ、原子力防災に関して非常に密接にかかわってこられた立場だと思う。新潟県知事選では原子力問題が大きな争点の一つになっているが、代行として応援に入る予定はあるか。

【代表代行】
 私は明日、福岡に応援に入る予定です。できる限り、選挙についてはやれることはやっていこうと思っています。ただ、新潟はあまり日もありませんので、日程的に私が入るという状況ではありません。

○衆議院東京10区・福岡6区補欠選挙について

【読売新聞・中田記者】
 補選の関連だが、共産党が本日、民進党に対して、補選の共闘をめぐって、「要請を受ければ、できる限りいろいろな形で応えたい」ということを申し入れたという話だが、これに対しての代行の受け止めと、民進党としてどうそれに対応していったらいいと考えるか伺いたい。

【代表代行】
 選挙の対応については、執行役員会でも何度か議論になりまして、ご説明いただいた上で幹事長に一任しました。ですから、そこは野田幹事長に、もしご質問があれば聞いてください。

○代表代行としての役割について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 江田憲司代行は、2度目の代行になって、お行儀よいのはやめるんだと。やはり突破力なのだと。私はそれはいいことだと思うが、細野さんも若々しい髪型にもなられたし、(代表代行の中で)一番若いわけだが、心中期するもの、代行としてのカラーをどうしたいと。それを伺いたい。

【代表代行】
 いろいろやりたいなと思っていることはあります。心中期するところはあるのです。
 ただ、大事なのは、まずは蓮舫代表のもとで全体がうまく回ることです。自分が突出することでむしろそれができないということにならないように、今は気をつけています。ですから、代表とも幹事長ともコミュニケーションをしっかりとりながら、代表代行があとお二人いらっしゃいますから、そのお二人とも話をしながら、ここは私が突破力を発揮すべきだなというところで、その役割を発揮していきたいと思っています。