野田佳彦幹事長記者会見

2016年10月17日(月)15時31分~16時07分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=lYEexgXSNAI


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○TPP特別委員会での議論について

【幹事長】
 まずは、今もTPP特別委員会の審議が行われている途中でありますが、今日は野党の質問で、本格的な議論に入る前さばき的な議論が行われていると思いますが、既に今までの議論でもわかったことは、政府の姿勢はとにかく「隠せ隠せ」「急げ急げ」、こういう姿勢が濃厚に出ているのではないかと思います。与党の幹部からは、議論のいわゆる終わり時の話がもう出てきているようでもありますが、冗談ではない、議論は始まったばかりだと思います。
 今日の議論の中でも、例えば玉木雄一郎議員が質問した(牛・豚の成長を促進する)肥育ホルモン、この問題でも日本が非常に甘いことなどもわかってきましたし、新たな論点がどんどん出てきておりますので、徹底した審議を引き続き求めていきたいと考えています。

○新潟県知事選挙・米山隆一氏の当選について

【幹事長】
 それから、昨日投開票日でございました新潟県知事選挙で米山さんが当選されました。当選されたことに心からお祝いを申し上げたいと思います。
もともと米山氏は新潟5区の民進党公認候補予定者・総支部長でございましたので、自主投票ではありましたが、その範囲の中でできる限りの応援をすべく、多くの議員が新潟県に入りました。そういうことも含めて、お祝いを申し上げたいと思います。県民の期待に応えて、しっかりと県政発展のために尽力されることを期待したいと思います。
 なお、この詳細な総括は、新潟県連が行うと思いますが、単に相手が森さんという候補者だったというよりは、これはある種、「オール新潟」で戦った結果が自民党・公明党の推薦候補に勝った。それは安倍政権に対する一種の、いわゆる県民の怒りの声も表れていたのではないかなと思っています。


■質疑

○新潟県知事選挙の結果について

【フリーランス・横田記者】
 新潟県知事選に関して、松野頼久さんは「自主投票」から「推薦」に格上げすべきだと馬淵澄夫選対委員長に直訴し、それが実現しないまま、蓮舫代表がトップなのに個人的に演説に入るという異例の事態になった。なぜ組織のトップの意向がその組織の決定に反映されないのか。選挙を実質的に仕切っている幹事長・選対委員長が野党共闘に消極的だから、反対したのではないかという声も聞くが、執行部の対応について伺いたい。県連のことではあるが、東京都知事選の時は執行部がリーダーシップをとって候補者を差し替えたわけで、トップがなぜ仕切らなかったのか。執行部としてどう総括するのか、お考えを伺いたい。

【幹事長】
 あくまで組織としては地域の県連が決めたことを尊重するというのが、基本的な立場であります。今回、新潟県連が「自主投票」ということを決めました。自主投票を決めた後に、米山氏が立候補する運びになりましたが、自主投票とした後は、その限りの中でできるだけどういう協力ができるかを個々の議員が考えていました。党本部においても、その基本的な考え方を尊重してきたというのが流れであって、自主投票の中で、できる限りの協力の中で、最後は代表が総合的に判断し、対応したということであります。
 私と馬淵さんが野党連携に消極的というのは、どこからそんな声が出ているか知りませんが、今回の二つの補欠選挙も一つの野党連携でありますので、これからも野党連携、「できる限りの協力」ということは言っているわけでありますので、別に消極的ではありません。しっかりとその役割を果たしていきたいと思っています。

【フリーランス・横田記者】
 これだけ県民の民意が示されたのにもかかわらず「自主投票」という、県連がいわば誤った決定をしたことに対して、党の執行部がそれを見逃した形になると思う。東京都知事選みたいに執行部主導で県連の決定を覆すことは可能だったにもかかわらず動かない理由は何だったのか。その反省と自覚があるのかどうかお聞きしたい。

【幹事長】
 まず、県連の決定を「誤った」と一刀両断で言うことはできません。新潟県連も、いろいろな議論をしながら決めたことでありましたので、それを「誤った判断だ」と党本部が主導して変えていくというスタンスをとるつもりはありません。これからもそうです。

【フリーランス・堀田記者】
 連合新潟は森候補を応援した。来るべき総選挙では連合としては民進党を応援するということだが、ある意味で、蓮舫さんが入って結局森さんが負けてメンツ丸つぶれということになっている。連合新潟と新潟選出の各衆議院議員との交渉は、執行部としては取り持つのか。

【幹事長】
 連合新潟のお話がありましたが、まずは民進党新潟県連でこの選挙の総括をきちっとするという中で、どういう動きをするかということを見ていきたいと思いますが、一方で私自身も党本部としてこれまでの経緯等を、連合新潟のみならず連合本部も含めて、きちっとご理解をいただくような努力をしていきたいと思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 一番伺いたいことは、木曜日の夕方から金曜日に劇的な方針転換があったが、そこで代表と幹事長の間でどういう議論があったのか。
 それから翌日の江田憲司代表代行の会見では、政治というのは状況だから、要するに勝てそうだから代表の応援になったというふうに私には聞こえた。ある状況の中で、勝てそうだということになると突然代表が出ていったり、それも一つの政治かもしれないが、普通は理解しがたい。13日から14日に一体どういう議論があって、じゃ勝てそうだと、突然応援に行くような野党第1党なのかどうか。それではやはり連合もついてこないと思うが、その辺の総括を伺いたい。
 江田さんは、幹事長が了とするから自分は行く(「これは野田佳彦幹事長もご承知置きの上での新潟入り」)と会見でおっしゃっていた。幹事長が了解したのだと。だから、少なくともその辺の経緯はちゃんと説明していただきたい。

【幹事長】
 まず、勝てそうだから行くという判断ではありません。勝つか負けるかというのはわかりません。「接戦」という、さまざまな報道がなされていたことは事実です。でも、接戦というのは、勝つこともあるし、負けるリスクもあるわけです。
 その中で、民進党の支持者が多く米山さんを支持しているという傾向も出ているということも把握していました。
 我々は自主投票であったけれども、その中でできる限りの協力は何ができるかということを代表が大所高所からご判断をされたということであって、それを踏まえて私にも指示がありましたので、「了とした」かどうかということですが(江田代行は前日の会見で「これは野田幹事長もご承知置きの上での新潟入り」と発言)、それは代表がおっしゃったことはお伺いをしたということであります。

【フリーランス・横田記者】
 執行部として総括をするのか、しないのか。今回の選挙が安倍政権に打撃を与えたモデルケースになるような選挙だと思うが、その中で米山隆一さんが訴えたのは、原発事故が起きた時に現在の避難計画は不十分だ、住民を避難させるバスの運転手を確保できない、そういう状態では再稼働は認められないと、はっきり「再稼働反対」を打ち出した。これは民進党の避難計画が不十分なのをより詳しく訴えたわけで、これはそのまま1週間後の補選にも使えて、次期総選挙でも十分野党間で共闘できる内容ではないかと思うが、そうした総括は執行部としてされないのか。連合に配慮しなくても、原発政策をもっとはっきり訴えれば選挙に勝てる可能性が高まるという議論を、馬淵さん含めて執行部でやらないのかお聞きしたい。

【幹事長】
 「選挙に勝てるから新潟に行ったのではないか」と言われましたが、今は「選挙に勝てるから変えろ」という話ですか。
 先ほど言った、2030年代(原発稼働)ゼロを目指すということが基本で、再稼働に当たっては避難計画をちゃんとつくれということも言ってきています。その基本線は変わりませんから。その範囲の中で、どういう選挙を戦っていくかは、個々の選挙区によって違うし、個々の選挙によって違うと思います。どう、これから何を政策の位置づけで戦っていくかは、これからのことです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 私は、結果的には蓮舫さんが行かれたのは英断だったと思っているくらいだ。幹事長が制止したけれども、それを振り切ってこういう大きな判断をしたのだと私は理解しているが、そういう理解でよろしいか。

【幹事長】
 代表の一つの決断だと思いますが、「行くな」とも言っていません、「行け」とも言っていません。それは蓮舫代表だけではなくて、全ての議員にそうです。自主投票と決めた以上は。推薦になれば、「みんな行ってください」とか「秘書出してください」だけど、そうではない。自主投票という範囲の中で「行きたい」という人がいれば、止めない。だから「行け」とも言っていない、「行くな」とも言っていません。という中の一環の話であって、これはずっと変わっていない姿勢であります。ですから代表についても、羽交い締めすることもないし、背中を押すということもありませんでした。一人の見識あるリーダーの判断であって、私が云々ということは関係ありません。

【フリーランス・横田記者】
 質問が集中するのは、結局、執行部の考えがよくわからないというのが一番の原因だと思うが、執行部として今回の新潟県知事選、総括するのかお聞きしたい。

【幹事長】
 総括は、あくまで県連が総括する。それを見たいと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 新潟県知事選で、先ほど連合に対して「丁寧に説明していく」というご発言があったが、あらためて次期衆院選に向けての連合との関係について、今後どのように対応していくか。今回、連合が、蓮舫代表が突然入ったことで違和感を覚えているようだが、そのあたりの修復をどのように行っていくのか、あらためて伺いたい。

【幹事長】
 経緯についてあらためてじっくりとご説明をし、ご理解をいただくように、幹事長として努力していきたいと思います。
 どんな選挙も、勝っても負けても、戦後処理というのは必ず出てくるものですから、その処理というか対応は私の責任だと思いますので、しっかり対応して、次の衆議院選挙、これはいつになるかわかりませんが、そのための環境整備に努めていきたいと思います。

○TPPについて

【産経新聞・清宮記者】
 新潟県知事選ではTPPについても争点になった。今回、米山さんが当選したことで、これは「TPP反対」という民意が示された結果だというご認識か。

【幹事長】
 今日の特別委員会の質問でも、そういう質問が幾つか出ていました。
 いろいろな争点があった中でも、やはりTPPについても関心を持っていらっしゃる方がたくさんいたと、現地に応援に入った方の意見としてはそういうものをたくさん聞いていますので、少なからず今回の知事選にも影響があったと思います。
 そういうことも踏まえて、この特別委員会に徹底審議を求めていきたいと思います。

【北海道新聞・金子記者】
 TPP審議の関係で伺いたい。冒頭、審議について感想を述べられたが、これから本格論戦が始まっていく中で、民進党としてどのあたりにポイントを置いてTPPについて政府に質していくのか伺いたい。

【幹事長】
 まだ、論点は出尽くしていないと思います。今日は情報開示を求めることであるとか、アメリカ大統領選挙との絡みであるとか、入り口の政治論のところでした。具体的な論点は、今日は食の安全の問題など、新たに出てきました。まだまだ出てくると思いますので、絞り込みをするような段階ではまだないと私は思います。

○野党連携について

【朝日新聞・松井記者】
 新潟県知事選では原発問題が一つの大きなイシューとして取り上げられたが、昨日の夜、共産党の志位委員長が会見で、原発政策をイシューとして自公に勝つことができた、ついては今後の野党共闘についても脱原発という方向性について4野党で政策一致を目指したいということを発言されていた。脱原発を野党共闘の政策一致の一つにしようという意見については、民進党としてはどのように対応されるか。

【幹事長】
 それはあくまで志位委員長のお話であります。そういうお話があったということは承知していますが、衆議院選挙のことを念頭に置いていらっしゃると思いますが、どういう政策を何をもって戦うかということは、まさにこれから。衆議院選挙においては自分達のまとめるこれからの選挙公約を踏まえて、ということが戦いの基本だと思います。
 一方で、「できる限りの協力」をすると、野党の連携も模索をするわけですから、そこでどういう議論をするかというのはこれからの問題であって、今から何かを決め打ちするということではありません。
 原発については、先ほど申し上げたとおり、2030年代(原発稼働)ゼロを目指す、この基本の中で我々はこれからの議論を進めていきたいと思っています。

【TBS・牧野記者】
 今回の新潟県知事選での野党候補の勝利が、今後の衆議院選での野党共闘にどのような影響を与えるとお考えか伺いたい。

【幹事長】
 地域によっていろいろある、いろいろな差があると思いますが、今回の新潟県知事選挙は一つの参考としたいとは思います。

○原発再稼働・エネルギー政策について

【読売新聞・藤原記者】
 新潟県知事選の中では原発政策のあり方が大きな争点になったと思う。再稼働に慎重な米山さんが当選するという結果だったが、これは野田幹事長として、民進党として、東電の柏崎刈羽原発の再稼働についてはどうあるべきとお考えか。

【幹事長】
 個別政策がどういう位置づけだったかということは、これからの総括の中で議論していかなければなりませんので、特定の原発がどうのということを私が言うことは差し控えたいと思いますが、言えることは、民進党は旧民主党のころから決めている「2030年代に(原発稼働)ゼロ」を目指すと。その枠の中でこれからも対応していくということであります。

【産経新聞・清宮記者】
 新潟県知事選の関連で、原発政策で確認させていただきたいが、先ほど、2030年代脱原発依存という話をされたが、党の政策では、その前段として原子力規制委員会の基準をクリアした原発については再稼働を進めていくことが盛り込まれていたと思う。今回、米山さんの勝利した結果を受けてもその点は変わらないということでよろしいか。

【幹事長】
 これは、今の政策が突然何か変わるということはないと思います。党内議論をやっていく中で、どう判断をするかということだと思いますが、ただ、再稼働については、避難計画、これをしっかり策定することはずっと言い続けていますので、そこが今回、米山さんと似ている部分があったのではないかと思います。

○安倍政権との対立軸について

【東京新聞・我那覇記者】
 新潟県知事選だけではなく、過去のことも踏まえてお尋ねしたいが、今回、なぜ与党系が負けたかということに関して幹事長の見解を伺いたい。
 冒頭、「安倍政権に対する一種の、いわゆる県民の怒りの声というものも表れていたのではないか」とおっしゃったが、今回、原発ワンイシューのように言われつつも、TPPも争点になっていたと思うし、前回の鹿児島県知事選、あるいは滋賀や沖縄、必ずしも原発立地県ではないところでいろいろな争点に対して与党系が負けている、野党系が勝っている結果が出ていると思うが、ある種、問題の裾野みたいなものが広がっていて、それに対する怒りが表れていると見られないこともないと思うが、この点に関して、新潟県知事選も含め、過去も踏まえて伺いたい。

【幹事長】
 何が問題、何が争点でどうなったかということは、これはよく分析しなければいけないのですが、一つの空気として、やはり自民党・公明党の政権の一種のおごりみたいなものに対する、いわゆる有権者の警戒心みたいなものが出てきているのではないかという気がします。それを受け止める力を、これからの衆議院選挙で我々がどうやって受け皿をつくっていくか、どういうアンテナを張っていくかという意味では、いろいろな選挙にヒントがありますが、今回もよくこれは分析していきたいと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 その上で、先ほどTPPの話、原発の話もあったが、今後、いろいろな争点が広がっている中で、それを軸に野党として結集する考えはあるか。例えば参院選の時には市民連合と政策協定を結ぶような形で野党が結集することがあったと思うが、その点に関する考えを伺いたい。

【幹事長】
 まさにこれはこれからの問題です。自分達の「主座」を持って、どういう連携というか、「できる限りの協力」というのはどういうことができるか、それは模索していきたいと思います。

○生前退位をめぐる議論について

【テレビ朝日・原記者】
 本日夕方から政府が、天皇陛下の生前退位に関して有識者会議を開くということだが、この有識者会議の議論に望むことと、今後、国会でも議論があるかと思うが、どのように議論をしていきたいか、あらためて伺いたい。

【幹事長】
 論点整理をこれからされていくわけですので、その論点整理をする際には、まさに国民総意に基づく象徴天皇のあり方ですので、曇りのない目で、国民がどういうところに関心を持っているかなどを踏まえて、あまり政府に誘導されないで、しっかりと議論をしていただきたいと思いますし、その論点整理の議論の状況をよく見守りながら、いずれ国会の場でも議論していかなければなりませんので、党の中につくった皇位検討委員会、その中で、その議論を横目でにらみながら、議論の集約に向けて静かに議論を進めていきたいと思います。

【日本経済新聞・根本記者】
 生前退位の関係で二つ伺いたい。まず一つ目が、どういうふうに法整備をするか。特例法で対応すべきか、皇室典範の改正などに踏み切るべきかという議論があるが、前回(会見が)2週間前だったので、あらためて今日というタイミングでご意見を伺いたい。

【幹事長】
 私は、1代限りの特例法に限ることなく、典範改正も視野に入れて議論したほうがいいのではないかと代表質問しましたが、それをあえて言ったのは、政府がいわゆる前さばき的に特例法ありき的な動きをしているような報道があったのですね。これ事実はわかりませんでしたが、今回の有識者会議の中では法整備のあり方も論点として議論するようですので、その点については有識者会議の中でもしっかり、誘導されることなく、よく議論してほしいなと思います。

【日本経済新聞・根本記者】
 二つ前の質問に対して、「いずれ国会の場でも議論していかなければならない」とおっしゃったが、その与野党間での議論であったり、あるいは立法府としてどういうふうに意見集約をしてこの問題に対応するかというところで、どういうイメージをお持ちか伺いたい。

【幹事長】
 まだイメージしにくいのですが、例えば論点整理をしたものを有識者会議が各政党や国会に説明して「意見を聞かせてください」と言うのか、政府なのか、自民党が汗をかくのかなどなど、運びが見えていない。どういう運びにするかについては細心の注意が必要だと思っていまして、基本的には政府が有識者会議に委ねた議論を踏まえて、各党とか国会の意見を聞きながら閣法に集約していくのだろうと思うのです。その閣法が出る前に、国会が下請機関になってもいけない。これは三権分立に関わる問題などなど細心の運びをやっていかなければいけない。そこはまず、政府がどう考えているのか含めて、まだ聞いてもいないのでわかりませんが、そこは細心の注意を払ってほしいと思います。

○一票の格差「違憲状態」判決について

【共同通信・橋本記者】
 参議院選挙の「一票の格差」の訴訟について、今日、名古屋高裁金沢支部で判決があり、7月の参院選を「違憲状態」と判断した。これは14日の広島高裁岡山支部と同様の判断だが、この受け止めと、国会に求められている責任をどうお考えか伺いたい。

【幹事長】
 これで二つ続いたわけです。その判決については、やはり重く受け止めなければいけないのだろうと思います。重く受け止めた中で、この間、合区を含めた対応をしたはずなのですが、さらにこういう判決が続くということは、もっと重く受け止めなければいけないということだと思います。
 ただ、この後まだ高裁の判決が続くのではないでしょうか。そういうものを見極めながらの判断をしなければいけないだろうと思います。

○地方首長選挙における相乗りについて

【フリーランス・堀田記者】
 昨日、昭島市長選挙が行われ、自・公・民、相乗りだ。臼井さんが受かり、小田原潔さんと長島昭久さんがバンザイをしていた。とても麗しい光景だが、相乗りに関しては、今現在どうなっているか。

【幹事長】
 これはもう地域の総支部の判断です。相乗りになることもあるし、独自候補を立てることもあります。その地域の事情によって違いますね。

【フリーランス・堀田記者】
 つまり、ボトムアップということか。

【幹事長】
 そうです。基本は総支部で対応を決める。それを、昭島だったら都連が了承するとか、そういう地域の手続がありますが。

○自民党憲法改正草案について

【読売新聞・藤原記者】
 憲法改正について、自民党は先週の党の会合で、これまで出した党の二つの改憲草案について、撤回はしないものの、歴史的文書で今後の議論の参考にするという位置づけにした。幹事長は(草案の)撤回をボールとして投げて求めていたわけだが、この自民党の判断・見解についてはどう捉えるか。

【幹事長】
 それは(自民)党の判断ですから。だんだん議論できる環境整備に努めつつあるのではないのかなと思いますが、まだまだだと思っています。
 もちろん、それは憲法審査会あるいは憲法調査会の中で、つかさつかさで判断していきたいと思いますが、「自民党憲法草案をベースにして」という総理の発言がまだ残っていますが、私はベースにするのは日本国憲法だと思います。その上で建設的な議論というのはあり得ると思いますが。ちょっとそういう調整があるかもしれませんが、これはもちろん憲法調査会や審査会のほうに委ねたいと思います。

○安倍政権との対立軸について

【東京新聞・我那覇記者】
 確認だが、現在の自民党・公明党の一種のおごりみたいなものに対する有権者の警戒心が出てきているのではないかということだが、何に対しての警戒心と思われるか。例えば今回の知事選でいえば、原発がメインイシューになっていたが、それに対するものなのか。何か具体の政策に対して、どういう警戒心が起きているとお考えか。

【幹事長】
 原子力政策についてもあるのかもしれませんし、農業政策、TPP含めてあるのかもしれません。あるいは、アベノミクス、「道半ば」と言って、長い道だなあと思っている方もいらっしゃるのかもしれません。安全保障の面での行き過ぎ感についての警戒心もあるかもしれません。そういうことが総合的に出てきているのではないかと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 それは今後、例えば選挙で御党としても厳しく問うていくということでよろしいか。

【幹事長】
 もちろん、安倍政権にはいろいろなことを問うていかなければなりません。

○幹事長就任から1ヵ月を振り返って

【NHK・山枡記者】
 幹事長就任から1ヵ月ということで、振り返りのような質問になるが、「蓮の花を支える蓮根」という表現で1ヵ月前におっしゃっていたが、この1ヵ月を振り返ってどう思われるか。

【幹事長】
 そうですね、1ヵ月、あっという間にたったかなと。それぞれの、いわゆるつかさつかさの役員を決めて起動し始めたというところであって、一方で国会もこういう形で、臨時国会、いろいろな争点が出てきている。補選も戦っているという状況の中で、あまり振り返る余裕はありませんが、日々、毎日全身全霊、党勢拡大に向けて努力をしてきたと思いますし、これからも頑張っていきたいと思います。

【NHK・山枡記者】
 政権運営もされてこられた中で、今度は党運営の側に立つことになるが、その難しさみたいなものをあらためてどう感じているか伺いたい。

【幹事長】
 基本的には、政権運営と党運営は基本は同じだと思います。
 一つは、何か起こった時。予想ができないことって、しょっちゅう起こります。その時に即断即決をどうやって責任を持って執行部がやっていくかということと、党としてのタメ。急ぎ過ぎずに、議論の熟成を待って、党内がみんな問題意識を共有するまで待って決断するものと、二つあると思うのですね。政権もそうでした。
 そこの基本をしっかり、なかなか難しいのですが、忘れずにやっていきたいと思います。

○台湾籍の離脱に関する法務省見解について

【朝日新聞・松井記者】
 蓮舫代表の国籍の問題について、ここ数日、国籍法違反ではないかという声が上がり、蓮舫代表から、法務省に確認して、そうではないという見解を得たというご説明があった。この間の一連の国籍問題での蓮舫代表の対応ぶりについて、幹事長としてどのように受け止めているか伺いたい。

【幹事長】
 結果的には、法務省に確認して、「国籍法16条違反には当たらない」と、文書の回答をいただいておりますので、それが全てでありますが、最初のころのご説明のころから少し一貫性に欠けるような印象を与えたことは、これはご自身も含めて反省されておりますので、そういうことだと思います。説明ぶりには一貫性がなかったことはご自身の反省のとおりだと思いますが、結論的には「国籍法16条違反には当たらない」と、法務省の見解はちょうだいしています。