安住淳代表代行記者会見

2016年10月19日(水)13時00分~13時23分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=kbnwvc8YrME


■質疑

■質疑

○TPP“強行採決”農水大臣発言について

【読売新聞・高田記者】
 ご承知と思うが、昨日、山本農水大臣から強行採決に関しての発言が出て、自公の中からも反発が出ているが、代行の受け止めを伺いたい。

【代表代行】
 ちょっと驚く発言ではありますよね。
 総理は、福井前理事は党の意向に反して強行採決をちらつかせたから交代させたと、17日のTPP特別委員会で説明している。それから言うと山本大臣の発言も同じような発言なのかなとは思いますが、今、TPP特別委員会の理事会でそのことをもって紛糾しているということですから、事態の推移を見守りたいとは思いますが、国会審議に影響が出ることは避けられないような重い発言だと思います。

【時事通信・島矢記者】
 山本農水大臣の発言に関して、安住代表代行としては山本大臣は辞任すべきだとお考えか。

【代表代行】
 辞任する・しないという短絡的な話ではなくて、なぜそういうふうに強行採決を匂わせるような発言を(するのか)。別に質疑が行き詰まっているわけでもないし、かみ合ったところはかみ合った議論をしている間に、審議を妨害するような発言を所管大臣がなぜするのかということから、資質を含めて、しっかり現場で議論をするということです。
 だから単に進退とかそういう話ではなくて、このTPP法案の本質にも関わるし、農水省のこれまでの情報開示のあり方も含めて、この際きちっと問題提起をして、それが納得いかないのであれば、野党としての審議をやる状況にはないのではないかというところから始めていきたいと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 つい先ほどまで開かれていたTPP特の理事会で、山本大臣が謝罪をした。ただ、野党側の理事からは「謝罪すれば済むというものではない。責任をとるべきだ」という発言があり、強行採決しないと確約する文書を出すように野党側から求めた、と事後ブリーフで説明があった。民進党として、今回の発言をもって山本農水大臣に辞任を求めていくのか、また強行採決しないという文書を出さない限り、審議には応じるべきではないのか、民進党としての考えをお聞きしたい

【代表代行】
 先ほどお答えしました。

○新潟県知事選挙の結果について

【フリーランス・上出記者】
 新潟県知事選の関連で伺いたい。メディアの報道を見ていると、民進党は今回、民意を見誤った、見えなかったのではないかという指摘をしている。自主投票にして、最後に蓮舫さんが。それはそれで今後の野党の発展につながることだとは思うが、今の段階で、どのように今後の野党共闘の問題につなげていくか。今回の、民意が見えなかったということに対しては、連合との関係とかいろいろ複雑な事情があると思うので大変だとは思うが、安住さんなりのご所見を伺いたい。

【代表代行】
 結果が出たからそれでおしまいという話ではなくて、党で自主投票に至ったプロセス等も丁寧にやってきたのですが、ただ結果的には米山さんを推薦するという経過には至らなくて、自主投票と。しかし、最後の1週間は実質的には支援をした議員もたくさんおりますし、代表も行かれました。
 いろいろ反省すべきところもありますし、代表の交代の時期に重なっていたこともありまして、そういう点では前の執行部と今の執行部の間の中でそういうことが起きたのですが、ただ、私の宮城もそうですが、知事選挙というのはまず大原則は地元の意向をしっかり踏まえた対応をするということです。地元も苦渋の中で自主投票を決めたのだと思いますから、それはそれで了としますが、自主投票の中でできる限りの支援は米山さんにはさせていただいたつもりでおります。
 ただ今後、支援団体の連合の皆さんと、民進党を支持してくれている人達の、多少乖離があるのではないかということだと思うのですが、そこはやはり我々自身が埋めていく努力をしていかないといけないと思っております。
 今後はできるだけ国政選挙はわかりやすく、私もそういう仕事を担っておりますので、前からの経緯もありますし。今、国政選挙をやっていますが、他党に支援していただいていることを私は心から感謝を申し上げておりますので、より連携を深めるような体制を築けるように努力をして、
「I am not ABE」を「We are not ABE」にどうやってしていくかということを考えないといけないと思っております。

○衆院補選・野党連携について

【読売新聞・高田記者】
 野党共闘に関して、今日、福岡のほうで党首級・幹部級の皆さんがそろい踏みすることになっている。これはやはり新潟県知事選が影響しているのか。どういう経緯かということが一つと、新潟県知事選でも出たが、他の野党のほうからは「民進党はもう少し野党共闘に本腰を入れてほしい」という声が出ているが、これに関してあらためて考えをお聞きしたい。

【代表代行】
 国政選挙と知事選挙は違いますので。国政選挙(衆議院補欠選挙)というのは、幹事長・書記局長会談で、支援をしていただくということと、(候補者を)取り下げていただくということは合意してありますから、別に新潟の結果云々に限らず、参議院選挙戦の延長線上ととらえて、今日は特に市民団体の皆さんが主催することに対して我々は喜んで参加をさせていただくし、候補者を出している政党としては、そういう会を開いていただくのは本当にありがたいと私は思っています。
 ですから、そういう点では、今後、国政選挙に向けて、いろいろな意味で国会等での連携の延長線上で、どういうふうなスクラムを組んでいったらいいのかということは、十分党内のコンセンサスを得ながらやっていきたいと思っています。
 目下厳しい選挙戦ではありますが、東京にしても福岡にしても応援をしていただいている他の野党の皆さんに本当に全力で応援していただけるような環境づくりを私自身がやらなければいけないと思って、今日は伺います。

【共同通信・田窪記者】
 今日の合同演説会に安住代表代行が行かれる経緯について、これは国対つながりということか。

【代表代行】
 国会対策の関係で選挙なんかやりません。

【TBS・牧野記者】
 今回、蓮舫代表が入らない理由というのは何かあるか。

【代表代行】
 蓮舫代表は土曜日に入るので、それはそれで蓮舫代表に入ってもらいますが、政治日程が合わないとそうなっちゃうので。
 市民団体の皆さんには呼んでいただくので、私が行くことになったということです。

【朝日新聞・松井記者】
 ということは、市民団体からのご指名というか、安住代行をご指名だったので安住代行になったということか。

【代表代行】
 参議院選挙の時も私が代表してマイクを持っていましたので、他の政党の皆さんも市民団体も、私のほうが比較的なじみやすいのかなと。「私でよければ行かせていただきます」と申し上げました。

○生前退位をめぐる議論について

【共同通信・田窪記者】
 今日、菅官房長官が衆議院内閣委員会で、関連法案を来年の通常国会に出そうと思っているという趣旨の話をした。それについてどう受け止められたか。

【代表代行】
 政府のとらえている政治日程でどういうふうにされるのかは政府のご意向ですが、ハウス(議会)の中でそれをどう受け止めてどう議論していくかというのは、全く別の話ですから。いずれ、来年の通常会ということになれば我々としての考え方も、今、党内に長浜博行副代表を中心に皇位検討委員会を立ち上げましたので、しっかりとした考え方を持って臨みたいと思っております。
 私達は野田内閣の時から、皇室典範を含めて、女性宮家の創設等、入り口を狭めないで、そしてなおかつ陛下の「お言葉」にあったご意向を踏まえて、どういうふうにすればいいのかというところまで議論したほうがいいのではないか、という考えで私どもはおります。
 政府の考え方を見ていると負担軽減のほうをどちらかというと優先して、当座はそこまでにして、その先のことはどうも先送りするような考え方が多少伝わってきてはいるのですが、私はできれば女性皇族、宮家の創設を含めて、今の皇室典範の改正を含めたところまで、静かな環境で国民の皆さんが冷静に判断していただけるような議論を、いずれ国会の場でやったほうがいいのではないかと思っております。

【共同通信・田窪記者】
 政府は、陛下1代限りの特別立法で、ということを考えているようだ。特別立法というのはどう受け止められるか。

【代表代行】
 それは中身にもよりますし、いわゆる特例法で解決することになるのかもしれません。ただ、それは有識者会議なるものが本当に国民を代表して言っているのかどうか、私はわかりませんから。
 ただ、政府が出してきたことと、国会で我々が国民から付託された政党としてこの問題にそれぞれどう関わるかというのは、これは政府側に歩調を合わせてやるということでは全くなくて、私達は私達の考え方をしっかり持って、陛下ご自身もお述べになられましたこの象徴天皇の役割というものをどういうふうにこなしていき、また、その場合の制度としてはどういうものがいいのかということをきちっと議論したほうがいいと私は思っています。
 ですから、政府側がどういう対応をしてくるかわかりませんが、それはそれで、出た段階で我々の考え方もしっかり申し述べさせていただこうと思っております。

【朝日新聞・松井記者】
 「我々の考え方」というのは、民進党としての考え方は皇室典範の改正も視野に入れた検討をするという理解でよろしいか、あらためて伺いたい。

【代表代行】
 長浜さんのところでこれからやっていただく検討事項の中には、陛下の1代限りの負担軽減や退位の問題に限らず、私どもが野田内閣の時から持っている問題意識というのは、皇室制度が国民に本当に信頼されて、尊敬を受けてこの先も続いていくためにはどうしたらいいのかと。そういう中でいろいろな問題があると思っておりますので、そういう観点に立って議論をしたいと思っています。

【フリーランス・上出記者】
 乱暴な言い方になるが、官邸とパイプのある記者の話では、もう結論が見えていると。有識者会議は単なるガス抜きで、いろいろな方に話を聞くらしいが、それで言わせて、「やっぱりそう簡単ではないですよね」ということで政府の考えているところに絞り込んでいこうと。これはいつものやり方だろうけれども。そういうふうにもう決まっている、と言っている人もいる。その辺も含めて、今の皇室典範まできちんと議論していくためにはどうしたら、世論ではそこまで支持するような雰囲気だと思うが、いかがお考えか。女性天皇のことも含めて。

【代表代行】
 運び方は、政府の進め方なので私どもがとやかく言う立場ではないと思いますが、国会に来た場合は国民的議論はしっかりやらなければいけないと思っているのです。それはもう静かな環境の中で、政治的な立場は違えども、日本国憲法における象徴天皇のあり方について、陛下ご自身もご提起されている問題がありますから、そうしたご意向も踏まえた上で、今の現行憲法を大切にしていって守っていくことを前提に、今の皇室のあり方はこの先も本当に発展していけるかどうかを含めて議論すれば、当然、皇室典範の今のあり方についても少し考慮すべきことは出てくるのではないかと思うのです。
 ですから、1代限りで、それ以外の問題は議論の対象外という考え方ではなくて、この問題というのはしっかりと時間をかけて議論したほうがいいと私は思っております。

○自民党総裁任期の延長論について

【共同通信・田窪記者】
 自民党が総裁任期を9年に延長しようとしており、安倍総理が長期政権を目指しての動きとも見ることができるが、それについてどうお考えか伺いたい。

【代表代行】
 安倍さんにこびているのでしょう、みんな。他党のことだからとやかく言う立場ではないけれども、党内に反対する勢力をつくれないのだから、やはり我々が頑張って安倍さんに対抗する勢力をつくらないといけないということだと思います。

○原発・エネルギー政策について

【フリーランス・上出記者】
 新潟県知事選では原発再稼働が典型的なイシュー、争点になり、民意が非常に明確に見えた典型的な、最近では珍しく野党が勝ったケースかと思う。今後の再稼働については、政府もいろいろな検討を迫られ、経産大臣もいろいろ手直しを言っていた。今日これから原子力規制委員会の田中委員長の会見があるが、そこでも出るかもしれない。党内では人によって温度差もあるが、民進党としてあらためて原発問題についてきちんと取り組んでいけるかどうか、代表代行としてはどのようにお考えか。

【代表代行】
 やはり福島の事故以来、国民の皆さんの意識は変わったと思うのですね。その変わった意識の中で、ベース電源をどうしていくかという議論だとは思いますが、やはり立地地域でのアレルギーが相当強いということはあらためて示されたと思うので、そうした立地地域を含めた国民の皆さんの理解をちゃんと得るような形でないと、なかなか再稼働の問題というのは難しいなということは、あらためて今回知らされたのではないでしょうか。だから避難計画とか、私自身も立地地域に生まれ育っておりますが、それぞれの電力会社にとっても大変なことではあるけれど、やはり稼働するということは、これまでとは違って相当なコンセンサスを得る必要がある。
 そういうことを踏まえた対応を民進党もしていきたいと思っていますし、また「2030年代(原発稼働)ゼロ」というのはお題目ではなくて、ちゃんとした現実的な政策に立った工程表をつくることで、他の野党とはそこはたぶん多少の溝はあるのですが、しかし、それがいわば許容範囲の中におさまらないと、選挙で一緒にやるというのはなかなか難しいとは思うのですね、例えばこういう問題が争点になったら。そこで、我々としては我々の工程表をしっかりつくって、そして我が国のいわば経済を成長させる上でも、こうした「2030年代(原発稼働)ゼロ」というのがプラスになるのだという絵をどう描けるかということだと思いますので、早急に玄葉光一郎エネルギー環境調査会長や、細野豪志代表代行のところで、こうした議論を進めてもらおうと思っています。

【フリーランス・上出記者】
 今の問題にどうしてもひっかかってくるのが、電力総連とか、連合との関係だが、これも含めて今後いろいろなところでまた出てくるかもしれないが、その辺はどのように対応されるか。

【代表代行】
 よくそういう話が出るのだけれども、連合には多様な意見があります。原子力をめぐっても個々個別の産別によって全然考え方も違うので。しかし、多様な意見をどういうふうにまとめていくかというのが、これは連合にとっても大変な努力の要るところだし、また応援していただいている我々にとっても重要なことなのです。それはそれで違いはあれども、しかし、政権交代に向かって一緒に力を合わせてやっていこうという環境をどうつくれるかだと思うのです。あれがだめだ、これがだめだと言い出していたら、だんだん細っていくだけですから。
 だから、やはりそこは電力会社で働いている皆さんにもちゃんと納得をしてもらえる、そういう「2030年代(原発稼働)ゼロ」に向けていく工程表と、それにかわり得る代替の再生エネルギーをどういうふうに構築するかということを自分達でちゃんと示すことがやはり大事だと思うのです。そういう方々に本当に理解を得ていれば、逆に言えば本物だということですから。
 私は、そういう点では、どこかの団体等を排除するのではなくて、せっかく連合や我々のところに集まっている仲間をさらにウイングを広げていって、そしてクリアな方針を出していくという努力を蓮舫執行部でやっていきたいと思っています。