安住淳代表代行記者会見

2016年10月28日(金)14時15分~14時33分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=WQpGtCkIhLY


■質疑

■冒頭発言

(なし)


■質疑

○国連核兵器禁止条約の交渉開始決議に対する日本の「反対」について

【テレビ朝日・原記者】
 国連の核兵器禁止(条約の交渉を始める)決議について、日本はこれまで棄権ということはあったが、今回「反対」ということになった。これに対する受け止めをお願いしたい。

【代表代行】
 今日のTPP特別委員会ですが、急遽、冒頭この問題について緒方林太郎議員から政府側の対応について追及します。
 唯一の被爆国として「反対」をするというのは、世界にはわかりにくい話で、そういう点ではなぜ反対したのか、国民や世界にわかりやすく説明する責任が政府にあると思いますので、厳しく追及していきたいと思っています。

○野党連携・連合との関係について

【産経新聞・山本記者】
 昨日、共産党の志位委員長が、連合を取るのか共産党を取るのかという趣旨の発言をされた。受け止めをお願いしたい。

【代表代行】
 両方取らせていただいて、仲よくやっていきたいなと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 東京10区(補選)に関して、池袋の西口で(合同演説を)やった。あの前の日に、要するに志位さんが来るということで、連合東京は手を引くという話が、まあ、うわさ話だが出た。そのあたりはどうなのか。

【代表代行】
 志位委員長が最終的に参加の決断をされたのは当日の朝だったと思います。久留米に続いて連続でやろうということで、私も、それであれば市民団体の皆さんからの要請ですし。選挙というのは、私の基本的な考え方は、応援していただく方はどなたであっても、ぜひいろいろな立場で支援してもらわなければ、あの強大な自公に勝てません。そういうことで、市民団体の呼びかけに応じる形でやりましたが、そこは東京の考え方もいろいろあったので、候補者がその場に来るには至らなかったことは非常に残念なことだったと思います。
 連合内部でさまざまな事情があって、そういう点では少しネガティブな対応をなさったとすれば非常に残念なことですし、今後そういうことについては意思疎通をしっかりやっていきたいと思っています。

【フリーランス・上出記者】
 連合との関係で。これまで野田佳彦幹事長や蓮舫代表にも同じことを聞いてはいるが、やはりちょっとニュアンスが皆さん違う。見方によっては、ある厳しいメディアなどは、連合は逆に自公などの代弁者だという言い方までしていて、それをきちんと切らない限り民進党の票も大きく伸びることもないのではないかと。野党共闘を発展させる以外、今の力関係ではうまくいかないと。そういう連合に対しての強い批判に対してどのように安住さんは受け止めているか。

【代表代行】
 連合といってもさまざまな組合があり、政策テーマによっては我が党と相入れない部分を持って対応することもよくありました。全国見てもらえればわかりますが、逆に我々が岡山(県知事選)では、相乗りだった。選挙というのはさまざまありますから、だから新潟(県知事選)のことを取り上げてことさらに連合批判をするのもちょっと大人げないなと私は思っています。
 ただ、たぶん皆さんから見た時に、自公相手に選挙をする時のスッキリ感がないのではないかということに対しては、国民の中にもそういう考えを持っている方も多いでしょうから、私としては、いよいよ総選挙になった時には、これはよくも悪くも、野党第一党の民進党の代表というのは今の政治状況の中では「野党の総大将」で戦うしかないのだと思うのです。そこで不協和音があったらこれは選挙になりませんから。
 そういう意味では他の野党との連携はやるべきだと私は思いますし、そのために乗り越えていかなければいけない課題がたくさんあるその一つに、やはりいろいろな政策テーマと支援団体の関係というのがあるのです。ただ、それは決して乗り越えられないものではないし、連合内部にもさまざまな意見がありますから、一つずつ丁寧にやることによって解決すると。解決できなければ、それは自民党を利するだけです。
 そういう点では、排除主義に陥ることなく、広げていくんだという意思をちゃんと持って、仲間をどんどん増やしていくような運動になっていかないとだめだと思います。

【フリーランス・上出記者】
 まさに安住さんのおっしゃったとおりだが、自民党は野党がまとまったら86議席とか減ってしまうとか、わざわざ言ってくれているわけで、相手の嫌がることをやるということからすると、先ほどおっしゃったように「総大将」として野党を一つにまとめるということ。その辺の決意が、それぞれ民進党の方にも違いがあるが、これをしっかりやっていけるという安住さんなりの手応えというのは何かあるか。

【代表代行】
 私が党内を見ている範囲においては、特に小選挙区を戦う上で野党がバラバラで戦ったほうがいいと思っている議員はほとんどいないと思いますし、そういう意味でのコンセンサスは得られつつあると私は思う。
 ただ、1足す1が、2ではないわけです。それは確かに「自由党の皆さん、社民党の皆さん、共産党の皆さん、我が党を足したら、足し算でこうなります」と簡単に言う人はいるのだけれども、選挙はそんなに簡単なものではないし、甘いものでもない。我々もそうだし、安倍総理も大義なき解散をやったらたぶん大変なしっぺ返しを食う時代だと思う。自分の政権運営の都合だけでもし年末年始に解散をするなんて言ったら、「大義は何だ」となりますから。逆に言えば、我々も大義がなければ「野合だ」と言われる。
 だから今、例えば原発の問題等についても、工程表をしっかりつくる。そのことで接点が見出せるのであれば、そういうことを一つずつ野党側で共有して初めて協力というのは成り立つのですね。
 我々と連合というのは、政党と政党ではありません。政党と支援団体なので、考え方の違いもありますが、しかし、この20年間、難しい問題はいろいろあったけれども、ほとんど乗り越えてきた関係なので、私はそういう点では全く心配しておりません。
 ただ、これまで野党連携を深化して進めて総選挙を自公と戦うというのは初めての経験だし、率直に言えばこれは共産党との、例えば参議院選挙での1人区での共闘というのは歴史上初めてのことだったのですから。しかし、それはうまくいった部分のほうが非常に多くて、今の野党一党の我が党の実力では残念ながら単独で自公と戦う力がない以上、いろいろな意味で連携をすることが大事だと、自分なりには思っているのです。そのための環境づくりには少し時間がかかるということです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 安住さんのおっしゃる、連合と共産党、両方ともというのは願望で、それはそのとおりだと思うが、やはり安住さんは少なくとも野党共闘の側にシフトしている民進党の執行部の方だと私は思うが、中には「共産党はノーだよ」とおっしゃる方もいる。そこが実ははっきりしないと私は見ている。全体として最大の集票というのはわかるが、共産党について、野党共闘の主たる地位を占めているならば「これこれをやれ」というような条件を出すべきであって、向こうから「推薦してくれなかったら」みたいに言われていること自体が、民進党は一体どこにいるのだろうとスッキリしない感があるが、その辺はどうお考えになっているか。

【代表代行】
 参議院選挙はきちっとやりました。衆議院はこれからの話なのだから、総選挙に向けたいろいろな取り組みを見ていただいたほうがいいと思います。現実に衆議院選挙をどうするかは、まだ実際は決まっていないわけですから。
 私は、共闘したほうが、たぶん自公とはいい選挙になるだろうなとは思うのですが、ただ衆議院選挙というのはやはり政権選択の選挙なので、参議院と同じようにシンプルな構図で共闘というわけにもいかない難しい部分があるのです。だから、そこをまず乗り越えられるかどうかということだと思います。
 我が党も150人くらいいるので。それは自民党だって最初、公明党と組む時は「他の宗教団体と一緒でない」「一緒だ」なんて、相当かんかんがくがくやったのではないですか。我が党のことだけあげつらって批判するのも、ちょっとメディアの皆さんもどうかと私は思います。それをうまくまとめていく力量があるかどうかは、これからを見てもらわないといけないということだと思うのです。

【日本テレビ・古谷記者】
 共産党と連合の関係について、昨日、共産党の志位委員長が記者会見で、かつては(連合の)夏期セミナーで講演などして接近した時期もあると。ただ、今はこういうことになっている。ただ共産党としては門戸は開いているのだ、別に連合を拒否しているわけではない、という考えを示している。ただ、きっかけがないので、なかなかそこは難しいんだ、ということをおっしゃっている。
 一つの方法としては、民進党の、これは安住さんなのか誰なのかわからないが、そこの間に入って取り持つというのも一つの方法ではないかと思うが、そういった融和を図る上で仲を取り持っていくことはお考えか。その可能性はあり得るか。

【代表代行】
 思想や社会のあり方、そういう政治の世界で、先ほど言ったように大義の話ですから、そこがちゃんとある程度同じゾーンに入ってこないと、やはり国民から見た時にはたぶん「選挙目当ての野合だ」と、皆さんも批判するでしょう。そこをちゃんと越えないとだめだと私は思っているのです。それを越えられるかどうかだと思う。
 我々と連合とはもう既に越えているし、自由党や社民党とはある意味、政権を一緒にした経験もありますから越えられると思うのですが、やはりそういう点では共産党の皆さんとの連携というのは、いろいろな意味で初めてなのです、衆議院では。そういうところのハードルをうまく、政策的にちゃんと本当に、共産党の皆さんにも願わくは歩み寄ってもらいたいところもあるから、そういうことを真剣に、皆さんが見えるところでやって、「なるほど、こういうところで合意したのか。それで野党連携に行ったんだな」というのが国民の皆さんにわかるようにやるというのが、野党側のこれからの責任だということを私は言っているのです。
 それでうまくまとめ切れないと、これはやはり自公になかなか勝てないですよ、ということを話しているのです。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 安住代行は、候補者のいない中で、4党首の演説会に出られた。これはかなりバツが悪かったのではないかと思うが、もうこういうことはやってはいかんと、そういう認識なのか。やはり二階さんではないが、今の執行部でちょっと“黒光り”しているのは安住さんくらいで。そういう意味では野党共闘のキーマンは安住さんではないかというのが僕の見方だが、その辺はどうご認識になっているか。

【代表代行】
 反省はいろいろあるが、やはり選挙というのは、あれがいいだの、これが悪いだのと言っている間は勝てないですよ。みんなが一丸となってやって、言葉は不謹慎ですが、私の選挙ではもう猫の手も借りたいくらいで、カカシにも「ありがとうございます」で頭を下げる。そういう点では、選挙は、特に小選挙区では過半数を取るのでしょう、そういう選挙っていうのは、ゾーンを決めて「それ以外の人はだめ」みたいな話は、少なくとも私が選挙をやる範囲で言うと、そんなことをやっていたら自民党や公明党の皆さん、たぶん喜ぶと思う。だから、そういう選挙をしてはだめだということです。

○TPP承認案の審議について

【朝日新聞・松井記者】
 国会運営について伺いたいが、今、TPPの採決がいつになるかということが焦点になって攻防が続いているわけだが、そういった中で、与党の中でも意見がいろいろ、官邸と与党とでも意見が違う、議長を含めてハウスの方と与党・官邸とでまた意見が違うという状況が起こっているが、こういう与党と政府との意見のそご・相違について、それと対峙する側である民進党としてはどのように見ていらっしゃるか。

【代表代行】
 出口の話は、我がほうから与党側に伝えているメッセージは極めてシンプル。それをどう受け止めるかは与党側で今いろいろな意見があるでしょうけれども、少なくとも、こういうご不幸なことがあって喪に服している1週間の中で、やはりそういう状況を政治的にもいろいろ勘案しながら対応するというのはあってしかるべきだと私は思うし、我が党もやみくもに、もう少し議論は必要だと思いますが、議論が詰まってきた中で真摯に採決に向かっていくというのであれば、全く話し合う余地はないとは言っていないわけですから。それを無理に、「とにかく一日でも早く」とか「月内に」と言って、逆に皆さんに期待感を持たせたのは与党だから、自分達でもそれに困っているということなのでしょう。
 私としてはとにかく、山井和則国対委員長には「与党側の出方をよく見るように」という話はしています。

【朝日新聞・松井記者】
 出口について、丁寧な審議を進めるという観点において、ハウスの側と与党・官邸で意見の相違が多々見受けられるが、そういった点については。

【代表代行】
 それは与党に聞いてください。