民進党は15日、「自衛隊員救急救命法案」(第一線救急救命処置体制の整備に関する法律案)を自由党とともに衆院に共同で提出した。

 本法案の提出にあたっては、外務・防衛部門会議での専門家からのヒアリング等で自衛隊の救急救命体制が諸外国のものと比べて極めてぜい弱であることが判明し、自衛隊員一人ひとりの命に関わる大きな問題で、政治が早急に対応しなければならない問題であることから、立法作業に至ったという経緯がある。法案では、国の責務、法制上・財政上の措置、体制整備にかかる基本計画や実施基準の策定、医学的知見の反映や審議会の設置等を定めることとしており、政府に自衛隊の救急救命体制の整備を行うよう求めるといった基本法的な内容となっている。

 法案提出後には、青柳陽一郎「次の内閣」ネクスト防衛大臣など提出者が揃って記者会見を開いた。後藤祐一衆院安全保障委員会筆頭理事は、「『駆けつけ警護』よりも自衛隊の救急救命の方が大事だというのがわれわれのスタンスだ」と強調し、議員立法に至った問題意識、経緯を紹介した。また、法案策定に大きく関わった大野元裕ネクスト防衛副大臣も記者会見に同席し、自衛隊の救急救命携行品と米軍のものとの比較を説明し、その不十分さをあらためて指摘した。また、後藤議員は質問に答える形で、この日の衆院安保委でも政府側から前向きな答弁があったことも踏まえ、今後各野党への働きかけを行うとともに、与党に対してもこの法案に賛同するよう呼びかけた。

 本法案は、自由党が共同提出に加わったほか、民進党からは青柳ネクスト防衛大臣、後藤議員のほかに、升田世喜男衆院安全保障委員会次席理事、中島克仁党政務調査会副会長(外務防衛担当)、長島昭久衆院議員、神山洋介衆院議員が共同提出者となった。

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