大串博志政務調査会長記者会見(要旨)

2016年11月22日(火)11時30分~11時43分
編集・発行/民進党政務調査会

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=HqnOrKYURa8


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○福島県沖を震源とする地震について

【政調会長】
 今朝の(福島県沖を震源とする)地震と津波について、現状を注視しながら、私たちも見守っています。けが人の方々が何名か出ていらっしゃって非常に心配されますし、津波も注意報になったとはいえ、まだまだ予断を許さないと思いますので、現地の状況等見きわめていきたいと思います。
 党においては、ご案内のように早朝に情報連絡室を設置して、福山幹事長代理を責任者として、各県連とも連絡をとり合っているところですので、よく見きわめていきたいと思います。

○国民に説明しない安倍政権の外交姿勢について

【政調会長】
 私のほうから二点ありまして、一つは、安倍政権の外交上の失策と言わざるを得ない状況が続いていると思います。
 TPPに関して、そしてそれ以外も含めて、トランプ氏と安倍総理が急ぎ会って、信頼できる指導者であると確信したと言ってはいるけれども、内容に関しては何も語らなかった。内容について何も語らず、信頼できる指導者であると確信したと言うこと自体も、国民に対する説明に対して極めて後ろ向きで、不誠実な態度だと思いますが、当然その中でTPPに関する話をどうしたのかと気になるところでもありますが、そこも何も言わなかった。そういった中で、トランプ氏がビデオメッセージの中でTPP離脱を表明しているという状況になっていまして、明らかに安倍総理は自分の行なってきたこととの整合性に関してきちんと説明すべきだと思います。どういう会談内容で、どういうことがあって現下に至っているのかということを、きちんと説明すべきだと思います。
 このような外交に関して説明しない姿は、ロシアとの領土問題に関する議論にも通底していると見ておりまして、プーチン大統領から共同経済活動を行うことが一つの案だと言われているにも関わらず、安倍総理の方はこれに関しても何も語らない。
 安倍政権においては、TPPの黒塗りの資料も、駆けつけ警護に関する現地の安全性を示す資料もまた黒塗りが出てきた。一貫して自分たちから何も言わない。きちんと国民に説明はしないけれども、大丈夫だ、任せておけと言っておきながら、でも結果が違っている。パリ協定もそうだし、AIIBもそうでした。非常に外交の失態が続いている状況ではないかと思います。

○規制改革推進会議の農協改革案への対応について

【政調会長】
 二点目に農協改革に関して、規制改革推進会議が11日にとんでもない提言を出しました。
 確かに農協、或いは全農も含めて、農家の皆様から出資をいただいて行っている民間事業体なので、100%出資者のためになる活動をしていかなければならない。そのために不断の改革をしていかなければならないというのは、その通りです。
 その通りですが、規制改革推進会議が、権限もないのに全農の購買部門の割合や信用事業のあり方について、個別具体的な数字も含めて行政指導をしていると言われかねないような内容の文書を出している。この政権、どうかしちゃったのではないかなと。
 規制改革推進会議は、基本的に時代に合わなくなった規制などを変えていく、あるいはなくしていく、どちらかというと規制緩和の方向を打ち出す、民間側の自由な動きを促進していく立場にあると私は思っているのですが、その規制改革推進会議が、権限もないところで行政指導している。これはもう明らかに本末転倒だなと思います。
 こういったこともあるので、先週、私たちは農水部門会議で、各団体の人にも来ていただいて、色々な意見交換をさせていただきました。かつ農水部門の中に、今日先ほど役員会でも確認したのですが、農政改革研究会を再び活動を始めさせることにしました。これは、前回の農協改革の時にも、農水部門の中にこの農政改革研究会を作業チームとして置いて、わが党なりの農協改革案をつくっていったという経緯があります。これを今回、非常に大きな論点がまた浮上してきましたので、活動を再開させてもらって、小山展弘議員を座長として、今回の規制改革推進会議がやろうとしていること等々の問題点に関して厳しく指摘をしていきたいと思っています。


■質疑

○トランプ氏TPP離脱発言と安倍政権の対応について

【朝日新聞・中崎記者】
 TPPの関連で、トランプ氏はビデオメッセージで、TPPを就任初日に離脱すると改めて表明した。安倍総理もリマで記者会見をした際に、米国抜きでのTPPは意味がないとした上で、改めてトランプ氏に翻意を促すような姿勢を示した。参院TPP特別委での議論が残っているが、今後の対応も含めて、このような安倍総理の対応についてどのように考えるか。

【政調会長】
 参議院TPP特別委員会が続いていますが、まずは安倍総理に、トランプ氏との会談内容がどういうものだったのかを明らかにしてもらわないと、国民は皆、今何が起こっているか分からないのではないですか。
 トランプ氏は離脱だと言っている。TPP協定は米国議会の承認を経ないと発効しない形になっているのは皆さんご存じのところです。一方で安倍総理は、米国抜きのTPPはあり得ないと言っている。あまりにかけ離れたことを両者が言っている。しかもその両者は一週間前に会ったばかりだと。一週間前に会ったばかりで、あまりにかけ離れたこのお互いのスタンスは一体どういうことなんだ、というところから、国民の皆さんは、17日の会談はどういうことだったのかということを、当然知る権利があると私は思います。
 これだけ国民に大きな影響を与えることに対して何も答えないで、信頼関係を築ける指導者だと言うのは、全く筋違いな話だと思うし、安倍さんは外交を焦り過ぎて、失敗の道に入り込んでしまっているのではないかという感じがします。

○各部門における政策アップグレートの取り組みについて

【読売新聞・工藤記者】
 公約づくりの部門会議の中間取りまとめについて、現状の進み具合、今後のスケジュール感は。

【政調会長】
 各部門の進み具合も確認はしています。かなり精力的に、各部門で議論はしてくれています。部門によって、やはりスピードにはまちまちのところがあるようです。ぐっと進んでいるところもあれば、新しい項目がたくさん上がってきているところもある。もう少し時間がかかりますと言ってきているところもあるので、それは国会の状況を見ながら、ある程度の幅を持って考えていきたいとは思っていますが、引き続き部門の皆さんの尻を押していきたいと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 個別の話だが、厚労部門会議の取りまとめ、アップグレードがどういう状況になっているか。

【政調会長】
 厚労部門の結果がどうなったかちょっと聞いていないので、また別途ご報告します。

○IR法案への対応について

【北海道新聞・金子記者】
 民進党の議連として、IR(統合型リゾート)を推進する議連が立ち上がるという話もあるが、民進党としてのIR法案への考え方と党内をどうまとめていくか、現状をどう考えているか。

【政調会長】
 議員連盟を立ち上げようとして呼びかけが回っているのは知っています。これに関して、審議するのは内閣委員会ということになろうかと思いますが、内閣委員会は他の議員立法の審議がまだ行われている現状にあります。
 かつIR法案に関しては、やはりギャンブル依存症への備えをどうするかといった懸念とか、こういった面がやはりあると思いますので、慎重にも慎重を重ねて考えなければならない論点だと思います。議連が党内に立ち上がるということではありますが、すぐに飛びついて議論するというような環境では、まだないのかなという感じがしています。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 すぐに飛びついて議論するというような環境ではないということだが、一方で対策の問題とかそういうことも含めて、党内議論を進めていくことが必要なのかと思う。今後どのぐらいのスケジュール感とか、どういうような組み立て方で議論を進めていくのか、ということについての展望は。

【政調会長】
 この法案は議員立法ですから、党内議論を進めていくことが必要と言われましたが、機が熟せば議論はあることはあるし、機が熟さなかったら議論にはならない。その類の話です。もし与党の皆さんが本当にこれを進める気があるのだったら、閣法で持ってきてもらうという話です。閣法で持ってこられないので、議員立法になるということです。議員立法になるということは、与野党で機が熟すかどうかということが非常に重要な話であって、何も私たちがせっつかれて議論しなければならないという類の話ではないと思います。