党山形県連は26日、次期衆院選山形県第3区で、現総支部長・吉田大成氏の擁立を取り止め、無所属の阿部寿一前衆院議員を推薦する方針を決定し、野田佳彦幹事長とともに酒田市で記者発表した。近く党の常任幹事会で正式決定する見通し。

 記者団から、阿部氏が一時、自民党入りしようとしていた人物である点をどう受け止めるかと問われた野田幹事長は、「安倍総理が率いる自民党と対峙(たいじ)していくためには、穏健な保守から中道、リベラルまで幅広い同志の結集が大事だ。近藤洋介議員のお父さんは自民党の代議士だった。私も自衛官のせがれ。明日には国政報告会を行うが、(そこに集う皆さんは)元々は自民党支持者だった人ばかり。そういう人たちが結集していかないと、いまの安倍体制を打倒していくことはできない。いま足りない視点は、地方の視点、生活者の視点。そこは本来、穏健な保守層がもっとも大事にすべきところだ。そこをないがしろにしている政治は、陰険な保守だ。それに対抗するためには、あらゆる勢力を結集しなければならない。その意味での問題意識は、阿部さんと共有できる。当選した後のうんぬんではなく、まずは強敵、自民党に勝利することに全力を尽くすことが大事だ」と語った。

 先の参院選で野党系が5勝1敗だった東北地方での次期衆院選の見通しについては、「参院選で、野党の統一候補も含めて東北は非常にうまくいった。そのなかでも一番うまくいったのは、得票数の差、得票率にしても、山形県だ。その山形で、ご当地で阿部寿一さんには大変お骨折りいただいた。自民党に対抗して野党も連携する、さまざまな市民活動とも連携するという形ができたとき、勝負になる。衆院選でもできるだけその形を踏襲し発展できるよう、組み立てを工夫していきたい」と述べた。

現総支部長・吉田大成氏、野田幹事長、阿部氏、近藤洋介県連代表が揃って会見した

現総支部長・吉田大成氏、野田幹事長、阿部寿一氏、近藤洋介県連代表が揃って会見した