大串博志政務調査会長記者会見(要旨)

2016年11月29日(火)11時30分〜11時40分
編集・発行/民進党政務調査会

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=xMKiPlFTYjI


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○安倍政権の強引な国会運営について

【政調会長】
 国会が延長されようとしていますが、言語道断だと私は思っています。
 TPPに関して、トランプ氏が「離脱」という態度を表明する中で、なぜ参議院で審議を続行し、採決を目指す必要があるのか。これは全く理解のできないところです。
 同時に、「年金カット法案」に関しても、あれだけの強行採決をした。「年金カット法案」は平成33年度から施行であるにもかかわらず。かつ、2年後には次回の財政検証が行われるわけです。こういったしっかりとした分析ができる機会を経てから、国民の皆さんに十分な情報を開示した上でやることが適切であって、今、国会を延長してまで「年金カット法案」に関して強硬に運営していくのはあってはならないことだと思います。
 この点、そういうことになって国会で議論が進めば、私達も堂々と政策論議を深めていきたいと思っています。

○青森・新潟で発生した高病原性鳥インフルエンザの対応について

【政調会長】
 非常に心配な動きとして、青森と新潟で高病原性の鳥インフルエンザの発生が確認されました。我が党としても、今朝9時30分に「高病原性鳥インフルエンザ対策情報連絡室」を設置しまして、県連に十分な情報収集を指示するとともに、また、部門においても政府の対応状況等々はきちっと確認させていただきたいと思います。
 ご案内のように、鳥インフルエンザは初動が極めて大切です。政府としても、きちっとした初動を万全な態勢で臨めるように、しっかりとした支援体制をとってほしいと思いますし、その後の防疫措置についても万全を期してほしいと思います。
 そして全体を通じて情報開示、これに関しても十分な意を尽くすべきと、要望しておきたいと思います。

○安倍政権による「農業・農協改革」について

【政調会長】
 同じく農業ですが、今朝、政府の活力創造本部(農林水産業・地域の活力創造本部)において、話題になっていた農協改革に関して、規制改革推進会議の提言を受けて決定がなされました。
 一時期、11月11日の規制改革推進会議(提言)に書かれていた、1年以内に購買事業から撤退せよとか、3年以内に信用部門を半減せよとか、こういった類の話はなくなっているのではありますが、依然として、「農協の自主改革を促す」と言いながら、年次計画をつくらせて、それを数値目標入りにさせて、毎年政府がこれを監視していくと。民間事業体に対して、何ら権限がない中で、こういうことを規制改革推進会議が求めるというのは、規制改革推進会議の役割からいって本末転倒だと私は思いますし、極めて昔風の行政指導に戻ったなという感じがします。
 確かに農協は改革をしなければいけません。これは私達も十分承知の上で、改革努力を求めていきたいと思います。一方で、「農協改革が農業改革の本丸だ」みたいな言い方をされますが、これが変われば日本の奥深い農業の問題が雲散霧消して一気に解決されるかのごとき政府からの発言は非常に問題だと私は思っています。農業の問題はもっともっと奥深いものであって、国民の目にとまりやすいこういった“組織いじり”を行えばそれで解決したと思えるような方向に持っていくのは、自分達の農業政策の足らざるところを糊塗しようとしているにほかならないと思います。
 私達は戸別所得補償制度を通じて、地域の農業の所得を上げていくことによって、地域で営農が継続できる体制を維持しながら、その中で改革を進めていくという立場でありまして、この方向に農業政策は大きく舵を切るべきだと思っておりますので、この点、政府の今回の活力創造本部での決定は極めて問題が多いということを付言させていただきたいと思います。


■質疑

○「政策のアップグレード」の取り組みについて

【テレビ朝日・延増記者】
 「政策アップグレード」の進捗状況についてお聞きしたい。

【政調会長】
 各部門には、今国会中に中間報告を出せるように頑張ってくださいと言っていて、各部門はほぼ、部門の中での議論を収束しようとしているところにあると思っています。ただ、若干差し替え等々があるところもあるので、これは近いうちにまとめて状況も、私も大体聞いていますが、一旦総覧をしてみようと思っています。
 その上で全体の、デコボコもあるかもしれないので、この辺はちょっと整理しながら、今後の政局の状況なども見据えながら、これを例えばNC(次の内閣)にかけるとか、全員で工程化していくみたいな段取りは今後考えていきたいと思います。

○IR推進法案の対応について

【共同通信・野見山記者】
 カジノ法案について伺いたい。先日、長島昭久議員からも申し入れがあったが、近く委員会で審議入りするかもしれないと言われている。党内議論のあり方、また、今後審議入りした場合にどう審議に臨むかについてお考えを伺いたい。

【政調会長】
 これに関しては、いわゆるギャンブル依存症に対する対策が十分かとか、こういったいろいろな懸念の声があり、慎重に取り組まなければならないと私は思っています。党内で議連の動きがあることも承知していますが、一方で、慎重に考えられる議員の方も多く、こういった党内の雰囲気を踏まえながら取り扱っていかなければならないと思っています。
 国会で与党がどういうふうにしてくるかは私達が推測するところではないのですが、議員立法を強行的に吊るしをおろしてくるなんていうことは、あってはならんことだろうと思います。もし与党としてこれを何としても進めたいということであれば、閣法として持ってくるべき話であって、政府・与党というのはそれができる立場にあるわけですから。強行的にでもやりたいというのであれば閣法として持ってくるべき。強行的に進めるなんていうのは、国会、そもそもあってはいけないわけですが、ましていわんや議員立法というのは、国会の中で機が熟したものを各党の話し合いの中で進めていきましょうというのが基本だと思うのですね。与党の今後の出方をしっかり見据えていきたいと思います。

【産経新聞・豊田記者】
 昨日、長島さんからは、党内議論をさせてほしいという依頼があったと思うが、政調会長としては党内議論の場を設ける考えはあるか。

【政調会長】
 先ほど申しましたように、党内にもいろいろな声があります。推進を求める方もいらっしゃれば、多くの方々においては、先ほど申し上げたギャンブル依存症への対応・対策はどうするのかといったような慎重な声もかなり多くあるのも現状であります。そういった中で、与党の動きもまだ見えづらい中、慎重に取り扱っていきたいと私は思っています。