安住淳代表代行記者会見

2016年12月2日(金)15時00分~15時11分
編集・発行/民主党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=iJZfInfLWhQ


■質疑

■冒頭発言

(なし)


■質疑

○衆議院内閣委員会におけるIR推進法案の強行採決について

【テレビ朝日・原記者】
 IR法案について伺いたい。先ほど民進党が採決に反対する中、採決が行われた。TPP、年金に続いて、この国会3度目の強行採決となったが、受け止めをお聞きしたい。

【代表代行】
 「IR(統合型リゾート)」と言うと聞こえはいいけれども、これ、ギャンブル・賭博に関係する法律でしょう。これを議員立法で、しかもわずか6時間にも満たない審議で強行するというのは大変異例なことだと思います。国民の多くは、本当にこの短い質疑の中でも出てきましたが、依存症の問題とかいろいろな問題を抱えていて、慎重論が非常に多いと私は思っております。
 審議のあり方も問題ですが、こういう賭博に関係する法案を強行採決、それも官邸が命じるような形でやるというのは、これは異様なことだと思います。安倍総理は日本をギャンブル大国にでもしたいのではないですか。アベノミクスというのは、そういうことで何か経済効果を発揮するなんて考えたら大間違いだと思います。
 年金の問題とかTPPは賛否いろいろある、与党にも与党なりの言い分があると思いますが、こんなギャンブル・カジノに関係する法案を強行採決なんていうのは、まさに数のおごりだと思います。与党の側からもそういう意味での慎重論があるにもかかわらず、しゃにむにそれを振り切って採決するなんていうのは聞いたことがありません。「国民の皆さんは本当にそれでいいですか?」と問いたいと思います。

【テレビ朝日・原記者】
 関連して。民進党の対応について午前中、松井大阪府知事が「国民のほうを全く見ず、日本のことも考えず、党利党略、個人的な好き嫌いで物事を決める。バカな政党だ」と発言している。この日本維新の代表の発言について一言お願いしたい。

【代表代行】
 それは全然国会運営には関係ない人の話だから、どうでもいいです。

【読売新聞・藤原記者】
 IR法案の関連で伺いたいが、衆議院の本会議を経て参議院に送られた場合、参議院ではどの程度の時間の審議が必要だとお考えになるか。

【代表代行】
 読売新聞でさえ慎重論を唱えているのだから、各社で言えば推進は産経くらいでしょう。推進と言ったら悪いけれども。相当いろいろな角度で議論しないといけないと思います。
 推進したい議員の人達の気持ちはわかるけれども、本来賭博に関係する法案は議員立法ではなくて内閣の責任で出さなければだめなんです。なぜかと言えば、そこには刑罰が関わってくるし、他の賭博との関係とか、それこそ今、依存症の皆さんの家族の会が懸念をしているように、実際今行われているギャンブルですら我が国で依存問題というのは出ている。そういう意味では、家庭を豊かにするのではなくて、家庭を壊す法案だから、こんなことを粗い議員立法で提出して通させようと思う心が、安倍さん、やましいもの。閣法できちっと出して、重要法案として政府が責任を持ってちゃんと国民に提案するのだったら、議論の俎上に上せて通常国会でやればいいんです。
 そういうことをやらずに姑息に議員立法で出してきて、質疑を見ていても、提案者の議員一人ひとりが関係団体から幾ら献金をもらっているのだというのに答えもしないで、しゃにむに強行採決するなんて、戦前の帝国議会でもこんなのはなかった。恥ずかしい、恥じ入る審議のあり方だと思います、私は。
 「さあ、マスコミの皆さんも国民の皆さんも本当にこれでいいのですか?」ということです。マスコミの皆さんも問われていると思いますよ。

【共同通信・橋本記者】
 民進党は法案自体に賛成・反対を明確にせずに、その審議の進め方が拙速だから反対だという立場をとっているように映るが、これは党内に推進派議連ができたからなのか。

【代表代行】
 関係ありません。
 私どもの考え方は、やるなら閣法で出してこいということです。党内の意見の大半は圧倒的に慎重論が強いですから、その点では公明党と同じスタンスだと思います。本当にごく一部に推進したいと思っている人もいますが、しかしその人達ですら、この登録の仕方や審議の進め方では全く国民の理解が得られないと思うから反対だ、ということです。
 ギャンブルを推進して世の中がよくなるなんて、世界中、聞いたことがない。あるのだったら反論してください。あり得ないから、そんなこと。そんなことで経済効果を狙うなんて、愚か者の言うこと。恥ずかしい話。地方で、それを手を挙げてやれなんていうのも全く異様な話です。

【日本経済新聞・学頭記者】
 今日、榛葉賀津也参議院国対委員長が、今後、参院に法案が来るに当たって、党としての方向性を決めるべきだとおっしゃっている。今後、党として、賛否を含めてIRについてもう一回あらためて決める必要があるとお考えになるか。

【代表代行】
 賛否(を決めるの)は手間がかかりませんから。審議が始まったらすぐに決めます。言わずもがなです。

【東京新聞・我那覇記者】
 先ほどいろいろな懸念を示されていたが、そういったところは今後閣法で担保していくのだという趣旨の説明を、与党側というか推進している側は言っているように思うが、こういった点についてはどういうふうにお感じになるか。

【代表代行】
 とば口をあけておいて「後は政府がやりなさい」なんていう法律は、法律の体をなしていないでしょう。やるなら責任を持て、と言いたいです。責任を負いかねるのだったら、閣法で最初から出さなければだめだということです。
 特に賭博はだめなんですよ。世界中どこを見ても、確かに限定的とはいえやっているところはあるけれども、本当にそれが世の中をよくしたとは私は全く思っていないから。いろいろなところを見てきましたが。
 だから、やるのだったら、いろいろな意味で体系立ったものを政府がちゃんとつくってやらないといけないのに、解禁だけは議員立法で無理やり通して強行採決するなんて、手口が悪い。賭博のことだから恥ずかしいと思っているのか知らないけれども、私が聞いているうちでは、総理や官房長官がとにかく「やれ」「やれ」と言うからやったという話を聞いているから、表にちゃんと出てきて説明しろと言いたいです、逆に。

【NHK・黒川記者】
 この臨時国会、先ほども代行がおっしゃっていたが、TPP・年金に続いて3度目のこうした形での採決になるが、政府・与党の姿勢についてどういうふうに感じているか。

【代表代行】
 あなたの会社は、これを「強行採決」と報道していないのはなぜなのですか。2年、3年前は、いつも「強行採決」と報道していたのに、NHKは今、「強行採決」と言わなくなったじゃない。問われているのはおたくの会社ではないのか。私はそう思いますよ。
 我々、強行採決はけしからんと言っているのです。特に年金やTPP、状況的に強行する話ではない。まして今回のギャンブル・賭博に関係する法案なんて。それも実質5時間40分ですよ。ほとんど何の質問にも答えないで、時がたったから、会期延長して日がないから強行(採決)だと。こういうのは「強行」と呼ぶのでしょう。なぜNHKは最近「強行」という言葉を使わないのですか。逆に答えてもらいたいぐらいです。

○TPP関連予算について

【共同通信・橋本記者】
 TPPだが、次期アメリカ大統領のトランプさんがTPPから離脱すると表明している。その中、日本政府は広報とかのために予算を既につけたり、今後またつけようとしている。そういうことについて野党としてはどう思われるか。

【代表代行】
 TPP関連法案に先駆けて使った予算は無駄な予算ということになりますから、この無駄な予算をどうするかを政府でちゃんと精査をしてもらって、国会に報告してもらわないといけません。特に農業分野等については先駆けて数千億円というお金を使っている。結局、国民の税金を無にしたのは安倍さんだということになるのではないですか。
 オリンピックで数百億円単位だとなにかわかりやすいから、マスコミはそういうことを叩くけれども、数千億や数兆円の無駄遣いとなると叩かないのですか。マスコミの皆さんが問われていると思いますよ。メディアもちゃんと検証すべきでしょう、それは。