野田佳彦幹事長記者会見

2016年12月5日(月)15時01分~15時37分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=v5GvXzMQjVo


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○IR推進法案・委員会審議のやり直し等を衆議院議長に申し入れ

【幹事長】
 先週の金曜日、IR法案の(委員会)採決が強引に行われてしまいました。
 ギャンブル依存の問題、あるいは資金洗浄の問題などなど、たくさんの論点があります。最大の問題は、賭博の合法化に舵を切るという大議論に関わるテーマです。そういう論点がたくさんあるにもかかわらず、わずか6時間の審議で採決に至るというのは、しかも議員立法の審議・採決のあり方としては、余りにも異常だと思います。
 この後、野党の国対委員長が大島衆議院議長に強く申し入れ、あらためて内閣委員会における審議のやり直しなどを中心とした要請をしますが、そういう状況に今あることを極めて遺憾に思います。
 おそらくこれは官邸の肝いりだと私は思います。アベノミクスが行き詰まっている中にあって、成長戦略の目玉として位置づけている「カジノ法案」を、こういう形で強行突破をしようということなのだと思うのです。しかも冒頭触れたように、賭博の合法化を政府が正面から切り出すわけにはいかないから、議員立法という隠れみのを使っての突破作戦なのだろうと思います。先刻、安住淳代表代行と懇談をしていたら、彼らしい良い表現をしていました。成長戦略の目玉として位置づけているカジノであり、これはまさに「カジノミクス」だと言っていました。私も同感です。
 こういう異常事態を早期に打開するために、しっかりと、あらためて審議を徹底することを強く求めていきたい。


■質疑

○IR推進法案の審議について

【フリーランス・横田記者】
 カジノ、IR法案について、昨日のNHKの討論場組で玉木雄一郎さんが、前回2014年6月にIR法案が審議入りした時は前提条件があったと。官房長官を含めた所管大臣の出席、公安委員長の出席、参考人招致と地方公聴会の実施が入っていたと。それが全く無視されたということを指摘されていたが、この点についてはどうお考えか。

【幹事長】
 そのとおりであって、大事なたくさんの論点のあるテーマでありますので、丁寧な審議をするために、必要な閣僚をしっかりと審議に呼んで議論する、あるいは公聴会・参考人を含めていろいろな議論の場をつくることを、当時の民主党の近藤洋介(内閣委員会)筆頭理事が与党に要求をし、そして合意をしていたはずです。その過去の合意事項が今回は一切無視されていることも、極めて乱暴な国会運営のまさに一端だと思います。そういう議論をすべきテーマだったと思います。

【読売新聞・藤原記者】
 幹事長の立場としては、衆議院での委員会審議のやり直しを求めるということだと思うが、現実には法案は近く参議院に送られることになると思う。参議院では民進党が内閣委員長のポストを持っているが、参院での審議が時間的に不十分であった場合に採決をさせないとか、そういう形で対抗をしていく考えはあるか。

【幹事長】
 急ぎ過ぎのご質問ではないですか。今、参議院に移ることを前提にした議論をしている段階ではなくて、これから国対委員長が議長に申し入れをするわけで、まだ衆議院の段階でしっかり議論をする、そのための努力を我々は全力でやっていきたい。

【フリーランス・上出記者】
 この問題に関しては、珍しくというか、日ごろ論調の違う全国紙5紙が、濃淡はあるが、何らかの形で「反対」をはっきりと書いている。こういうことはあまりないのではないかと思うが、この辺を力にしてこれからやっていくということもあると思うが、それについての受け止めを伺いたい。

【幹事長】
 論点があまりにもいっぱいあり過ぎるテーマを、わずか6時間の審議で打ち切って採決することについては、それは良識のある人達は、「おかしなやり方だ」「乱暴なやり方だ」と思うのは当然だと思います。
 多くの主要メディアがそういう社説で論陣を張っているということも大きな世論だと思いますし、世論調査はいろいろなのがありますが、IR法案自体に現時点では「反対」「慎重」の国民が多い。そういう不安を払拭する努力を全くしないまま突き進むというのは問題だと思いますので、当然、国会の中できちっと審議することを強く求めていく、そういう主導的な役割を我々は果たしていきたい。

【北海道新聞・金子記者】
 今回、与党である公明党は衆院内閣委員会で自主投票という形をとり、明日の本会議でも自主投票の方向だという話が聞こえてくる。与党内でもこうした対応が出たことについてどう受け止められるかということと、関連して、民進党でも賛否が分かれているが、自主投票にしたり党議拘束を外したりという可能性があるのかということを伺いたい。

【幹事長】
 少なくとも衆議院については、採決のあり方に問題がありますので、この間は一致結束して対応しました。これは我が党にも推進側の立場の人もいますが、その人達も含めて、このような議論の仕方と結論の出し方は極めて異常であるということは一致しております。
 その上で、法案の中身の賛否については、今週のどこかでまた政調が主導して部門会議を開くと思いますが、その中で結論を出せれば出していきたいと思います。基本的には、自主投票であるとか党議拘束を外すというようなことは現時点では考えておりません。
 公明党、あの党がこれだけ賛否が割れる、考えられないじゃないですか。これまでは、議論をちゃんとやって、一致結束する姿を常に見せてきた政党だと思います。しかも与党です。その与党の公明党ですらああいう状況になるということは、そこに今回の運びの異常さが表れていると思います。

【共同通信・橋本記者】
 今日、執行役員会が開かれるが、その中でこのIR法案の取り扱いについて協議される予定はあるか。

【幹事長】
 特に議題で入れているということではありませんが、国対委員長からの報告などを含めて当然この件が出てきますので、その流れの中で議論になるかもしれません。

【朝日新聞・松井記者】
 IR推進法案については、衆院の段階では、民進党は少なくとも50時間以上はきっちりと審議すべきだと主張してきた。参院に移った先のことは時期尚早だと先ほどおっしゃっていたが、衆参どちらでも最低限50時間以上審議すべきということは一致しているか。

【幹事長】
 今は、何十時間という以前に、丁寧な審議をと。まだ数字ありきの話はしていませんが、6時間はあまりにも短過ぎるということと、過去にその議論の仕方については合意している。その議論のやり方ぐらいはきちっと、もう一回踏襲していくということの確認はしたいと思います。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 公明党が割れたのは、公明党はやはり女性の声を聞いたという背景があると思う。世論でも女性は「カジノ法案」に6割が「反対」と読めるが、民進党は女性の党首になっているが、この間、女性の声をすくい上げる立場でやっているのか疑問がある。
 それから、野田さん自体はカジノをやったことはあるか。国内カジノは、ご自身は賛成なのか、反対なのか。この2点を伺いたい。

【幹事長】
 確かにいろいろ世論調査を見ると、女性が特にこのIR法案については「反対」の声が強いように思います。だからといって、ということではありませんが、こういう運びの仕方については、女性党首である蓮舫代表も大変腹が立っていると思います。しかも、この政策に関わる部門については、参議院では相原久美子さんでありますし、女性が主要なポストについての議論でありますので、当然そういう声が党内での議論の中ではだんだん強く出てくるだろうと思います。まだ党内議論が始まったばかりですので、これから動向はむしろご覧いただければと思います。
 私個人の話がございましたが、どこからどこまで「カジノ」というのかわからないのですが、国外で、スロットはやったことがあります。基本的に私はあまり賭け事は好きではありません、人生ギャンブルなものですから。スロットを1回やったことはある、ということです。

【フリーランス・横田記者】
 維新代表の松井一郎大阪府知事が、審議入りに慎重な民進党に対して、「日本のことを考えず、党利党略、個人的な好き嫌いで物事を考えるバカな政党だと思う」という批判をしているが、これに対する幹事長ご自身の言葉での反論をお聞きしたい。

【幹事長】
 自分達が一生懸命推進しようとする法案に対して異論を言ったり慎重な姿勢をとると「バカ」という表現をするというのは、余りにも品位のない、見識のない、狭量なご意見だと思います。それ以上そういう相手にコメントするつもりは私、全くありません。

【フリーランス・横田記者】
 カジノ関連の国際会議に出た大谷大学の滝口直子教授が言っていたが、会議の中で、日本人の富裕層の個人資産をカジノ数で割って、日本でIRを出せば必ずもうかると。日本人の金融資産の国富流出につながるおそれがありありだと。それに対して、安倍総理は海外からの観光客を日本に引っ張ってくる手段だと言っていて、かなり食い違いがある。法案の中には外国人に限るとか日本人禁止という条項が入っていないと。このギャップもあると思うが、国富流出のおそれについて伺いたい。

【幹事長】
 それはわかりません。そういうことをよく分析した議論を、これからやるべきではないでしょうか。

【フリーランス・横田記者】
 IR法案の審議入りの時の内閣委員会で、緒方林太郎委員が、カジノ関連業者からの献金を維新あるいは自民党議員に尋ねたが、答えなかった。この点について民進党として調べる考えはあるか。
 というのは、大阪万博の予定地がカジノ・IR(統合型リゾート)の予定地にもなっていて、これを維新が進めることで自民党の憲法改正に協力しようという見方もある。要は夢洲(ゆめしま)への税金投入を引き出すためにカジノ推進をしているのではないかという、カジノ関連業者との癒着の関係も疑いとしてあるが、献金の有無等を含めて調査する考えはあるか。

【幹事長】
 この間の委員会で緒方氏が質疑をしていました。献金だけだったのですが、パーティー券(購入)、そういうことも含めて委員会とかその種の場で確認していくことは大事なことだと思います。これからもそういう機会をつくっていきたいと思います。

○「戦後4位」首相の在職日数について

【日本経済新聞・林記者】
 今日で安倍首相の在職期間が(戦後の)歴代4位になった。仮に(自民党)総裁任期の3期目を務めると、2019年8月には戦後1位の佐藤栄作元首相を抜くが、幹事長の受け止めをお願いしたい。

【幹事長】
 私の政権は484日、1年4ヵ月ですから、それに比べると大変長期にわたっているのだなと。その意味では、逆に勉強になるところがあります。勉強になるけれども、どんな勉強かというと、結局は、配偶者控除の問題を含めて、国民に負担感が出るようなことなどなどは先送りをする。当面のことを見せるのはうまい。でも大事なこと、将来にかかわることは逃げることが多い。それが長期安定政権の秘訣なのかもしれません。その意味では、我々は短い政権になりましたが、ねじれ国会の中で、将来の国を考えて、やるべきことをやろうとしたと思っています。「長きを以て貴しとせず」だと私は思います。

【フリーランス・安積記者】
 世界の動向について伺いたい。今年はいろいろあり、イギリスのEU離脱、アメリカ大統領にトランプ氏選出、イタリアでは今度首相が辞任し、個人的な理由で辞めるのがニュージーランドの首相、韓国ではああいう感じで政権の先が見えないような状態になっている。ニュージーランドはちょっと特殊かもしれないが、いずれも既存の政権に対して国民が「ノー」と突きつけたわけだが、日本においてはどうして安倍政権の支持率が上がって、民進党が民主党から名前を変えても、かつ女性を新代表に選出しても全く支持率が上がらない。この理由についてどうお考えか。

【幹事長】
 世界の動きが今、どちらかというと既成の政治に対する「ノー」という意思表示。その既成に対する「ノー」というのも、それは各国いろいろありますが、トランプ氏の現象、あるいはEUにおけるこれから起こってくるであろう現象は、どちらかというと、イギリスの(EU)離脱もそうでしたが、やはり格差が広がり富が集中していることに対する不信感が、投票行動を通じて反乱になっているという側面が強いように思います。
 その格差を是正することが、大事な世界の潮流として政策的に位置づけられなければいけないのですが、それが孤立主義であるとか、あるいはどちらかというと移民排斥のような、妙にナショナリズムと結びつける動きになっているところに危惧を覚えます。
 その流れに対して、オーストリアは穏健なほうが大統領選挙に勝利することができましたが、極右の台頭を抑えるために、懸命にそれぞれの国がどういう努力をするかだと私は思います。ヨーロッパの中では中道が連携して、そういう過激な動きを抑える方向で頑張っている動きもあります。注目すべきは、世界の潮流の中ではそういうことだと思います。極端なナショナリズムの路線に対抗するために、格差を是正するために、中道が連携をしていくということ。
 日本は、その国内政治に当てはめるならば、やはり民進党が自分達の主張を明確に打ち出して、そして他の野党や市民と連携しながら、今の安倍政権はどちらかというと右に傾く路線の、そういう位置づけだと思いますから、その動きに歯止めをかけていくことを使命として頑張るということだと思います。

○北方領土返還交渉・日ロ経済協力について

【北海道新聞・金子記者】
 北方領土交渉について伺いたい。日ロ両政府は北方4島での共同経済活動について検討していると報道が出ており、昨年の秋から協議をしてきたという一部報道もあった。ただ、この問題は日本の主権に絡む大変複雑な問題だ。こうした4島での共同経済活動という考え方について、幹事長はどう思われるか。
 また関連して、来週に迫った日ロ首脳会談について、日本政府からは期待感をしぼませるような、打ち消すような発言が相次いでいるが、この会談にどのようなことを望まれるか。2点伺いたい。

【幹事長】
 森政権の頃でしたか、共同開発について検討したことがありましたよね。過去にもあったのですが、最近またその案が、水面下とはいえ検討されていたとは承知しておりませんでした。
 大事なことは、やはり主権はどこにあるのかという基本中の基本を押さえた中での議論でなくてはいけないはずなのですが、それがどうなっているかも含めてよくわかりません。したがって、ちょっとコメントのしようがありませんが、やはり基本は押さえて協議をするということが大原則だと思います。その基本を踏まえて今度の日ロ首脳会談も臨むべきであって、北方4島の帰属の問題をしっかり確認するという、その前提に立って平和条約締結という議論に進むはずでありますが、そこがおろそかになっているのか、いないのか。その基本を押さえないで安易な進め方をすると、経済協力は今いろいろなお話が出ていますが、そこだけ前のめりになって食い逃げされる可能性もあるのではないか。
 協議自体は大事だと私は思います。首脳間が何度も顔を合わせることも大事だと思いますが、ただ、今年3回やっていて、あまりにも情報が伝わってこない。妙に高揚感が出る時もあるし、最近また少しトーンダウンしたり、よくわからない。やはり一定の結果、大事な経過はきちっと国会などで丁寧に説明をしてほしい。
 進展に期待はしています。邪魔をするつもりは全くありませんが、基本は押さえて臨んでほしいということです。

【文化放送・山本記者】
 共同経済活動に関して、経済特区で進める考え方というのが一部情報として出てきている。この経済特区という考え方は幹事長はどのように考えられるか。また、この経済特区で進めるというのは北方領土に住むロシアの島民からも、元島民からも、そういう考え方でまずは進めるのがいいのではないかと、一部そういう意見がある。その上で野田幹事長の考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 その事実関係が一部報道でしかないので、よくわからない。しかも先ほどのご質問の中でもお答えしましたが、主権がどこに存するかということを、前提としてそういう議論に具体的になっているのかどうか、わからない。我々の主権を全く度外視した中でそういう話をしているとするならば論外だと思います。その事実関係がちょっとわからないので、コメントがしにくいと思います。

○生前退位をめぐる議論について

【読売新聞・藤原記者】
 細野代表代行が数日前のブログの中で、「皇室典範を改正して、生前退位を明確に位置付けるべきだ」「自民党が動かないのであれば、我々が提案しなければならない」という主張をされている。幹事長はもともと、民進党としての対案については、与野党対立みたいな形になってもよくないというお考えであることは既に公にされているとは思うが、この間の政府の有識者会議の動きなどを見ていて、現時点であらためて民進党として、対案として皇室典範改正案を出すような考えはあるか。

【幹事長】
 先週の会見でも質問があったので、私、有識者会議の運びについての違和感を申し上げましたが、細野代表代行もその違和感については共有している。その共有している中での個人的なご発言だと思います。
 党としては、あくまで皇位検討委員会の中で、今ヒアリングを進めていますが、そこで議論を収束させて、党としての考え方をまとめていきたいと思います。まとめますが、それを即法案として提出するかどうかというのは、これはまた別の問題でありまして、政府がこれからの、ヒアリングの結果をまとめてどういう方向で方針を固めてくるのかなどを見ながら、総合的にこれからどうするかは検討していきたいと思います。

○次期総選挙・野党連携について

【朝日新聞・松井記者】
 今日の日経新聞のインタビューで共産党の志位委員長が、今後、政権を取っていくための民進党との協議について、それは必ずしも選挙協力の協議入りの条件にはしないとおっしゃったそうだ。最近の共産党の姿勢について、民進党としてはどのように見ているか。

【幹事長】
 一つの党の考え方として受け止めるということであります。政権についての合意を前提にしない、と。その上で協議を進める、ということですから、各党との協議、進んできておりますが、共産党との実務的な協議も加速することができるのかなと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 幹事長は以前、まず先に自由党・社民党と棲み分けのための調整をした上で、その後、共産党と調整をしていくというお考えをぶら下がり等で表明されているが、今時点での棲み分け調整の現状と、今後の展開についてお聞きしたい。

【幹事長】
 それぞれの党と協議を進めている最中です。それ以上は、シークレットです。

【読売新聞・藤原記者】
 共産党は今日の夕方に、既に発表しているところも含めて約250の小選挙区候補者の擁立を発表するそうだ。民進党も今、200以上の擁立が済んでいるが、競合区をどうやって解消していくのか伺いたいのと、共産党のこういう大量擁立の発表について受け止めがあればお願いしたい。

【幹事長】
 公党ですから、候補者を見出すことができるならば、そこで擁立をしていくという作業は当然やります。我々も、まだやります。空白区が残っておりますので、空白区をなるべく解消する努力をしっかりやっていきたいと思います。
 その上で、「できる限りの協力」の中身がより具体的になった時に、どういう調整をするかということもあり得るのだろうと思います。

【読売新聞・藤原記者】
 民進党の擁立だが、蓮舫代表・野田幹事長の体制になってから、率直に申し上げて、残り擁立していくのはなかなか難しいとは思うが、ペースが十分だとは思えない状況もあり、あまり進んでいないのではないかという印象もある。この点については幹事長はどう考えているか。

【幹事長】
 間に合うように、全力で頑張ります。

【フリーランス・上出記者】
 共産党との関係について。先週、「魂は売らない」という言葉を発言された。それに対して志位さんが、「政党が違うのだから、それぞれ違った魂を持っているのは当たり前」「私達も魂を売らない。民進党も魂を売らない。相互に尊重し、違いは認め合いながら一致点で協力するのが政党間の共闘だ」と述べたと、「赤旗」に結構大きく出ている。この言葉に対して、先ほどから聞いていると一致する点があると思うが、あらためてどのように受け止めるか。

【幹事長】
 それ以上、コメントをすることもないと思います。我々も魂があります。共産党もあるのでしょう。そういうことです。それ以上、何とも言いようがありません。

【NHK・山枡記者】
 共産党との間の候補者調整、選挙対応に関しての協議が遅れる中で、それを刺激するかのように共産党も候補者を立ててくるというこの現状について、どう思われているか伺いたい。

【幹事長】
 現状について、ですか。「やむなし」です。我々も、テンポが遅いと言われましたが、擁立作業を進めているわけですから、現状においてはお互いにそういう作業をするということなのだろうと思います。

○連合との関係について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 連合の幹部が5年ぶりに自民党本部を訪ねて、要望書を出し、茂木さんは「連合の政策に最も近いのは我が自民党」と言い、連合幹部は、共産主義に染まったような候補は応援しないと。これは織り込み済みなのか。やはり総支部長の中には、連合から自分は選別されるのではないかと思っている方もおられるようだが、この動きをどう受け止めておられるのか率直に伺いたい。民進党は連合とはうまくいっているのか。

【幹事長】
 (連合事務局長の)逢見さん初め連合と自民党の幹部が会うのは、これは予算要望の話ですから、これは毎年やっていることであります。そのことをとりたてて私がどうこうと言うつもりは全くありませんし、茂木氏が(自民党は連合の政策と)近い立場にあると言うのは、まあ、あの人らしいリップサービスだなと思うだけであります。
 逢見さんが、特定の党をどう思うか、それによってうちの党の候補者達が何か影響を受けると、そういうこともありません。基本的には、せんだって直嶋前参議院議員でのパーティーでも神津会長が、民進党との関係は「一心同体」だと言いましたし、それに対して蓮舫代表が「両思い」だと言いましたね。そういう関係ですので、全然心配しておりません。