大串博志政務調査会長は19日午前、政調役員会後に国会内で記者会見を開き、(1)臨時国会の総括(2)オスプレイの飛行再開――等について発言した。

 17日に閉会した第192臨時国会については、「与党の強硬な運営が目立った遺憾なものだったが、私たちとしては物を言うべきは物を言い、批判だけでなく提案をしていくという態度で臨んだ。反対ばかりの野党だと言われがちだが、今回閣法(政府提出法案)で成立した24本のうち20本、率にして83%は賛成している。是々非々で賛成すべきは賛成し、考え方が違うものについては反対し対案を示している」と振り返った。法案対応としては、今臨時国会に限らず政府提出法案に対して概ね8割は賛成していると述べ、反対ばかりだという批判は事実とは違うと反論。提案路線を掲げ、今臨時国会では民進党が提出した議員立法は、各党協議などでまとめて委員長提案となった法案と合わせると23本を提出し、新規の政府提出法案の19本より数が多いと強調した。前国会以前からの継続法案も合わせると、政府提出法案30本に対し、民進党が提出あるいは委員長提案となった議員立法は69本と倍以上であるとも説明し、「いかに積極的に提案活動をしているかということの一端もお見知りおきをいただけるのではないか」と述べた。

 また、政府がTPPの対策事業として法制化した牛と豚の畜産経営安定事業(マルキン)をめぐり、自民党がTPPの発効を待たずに即時施行する内容の議員立法を検討しているとの報道があったことに言及。民進党は、マルキンの制度改正はTPP対策に限らず元々あった議論だとして、前国会からTPP発効時ではなく公布の日にスタートさせるという議員立法を提出していたが、与党はこれを議論しないまま国会を閉じ、廃案に。その直後に、来年の国会でまったく同じ内容の法案を提出するという動きに対し、「まったく理解できない」と批判するとともに、「いかに私たちの議員立法の内容が優れていたかということもご理解いただきたい」と述べた。

 在沖縄米軍が同日午後、普天間飛行場所属の新型輸送機オスプレイの全面飛行を再開させたことには、「13日の墜落事故の徹底した原因究明も、十分な情報開示もなされないなかでなし崩し的に米海兵隊のオスプレイの飛行再開が行われるのは到底容認できるものではない」と指弾。「沖縄県民の気持ちに寄り添うということとはまったくかけ離れたものであり、沖縄県民の皆さんの心を踏みにじるような時期尚早な判断だ。私たちとしては政府に対していろいろな場で物を申していきたいと思っている。日本政府は、徹底した原因究明とそれに基づく説明責任を十分かつ早急に果たすべきだ」と指摘した。

 いわゆるカジノ法案については、「内閣部門会議での議論を再開したい」と表明。21日午前中に会議を開き、内閣官房の対策室から実施法をどのように作ろうとしているのかのヒアリングを行う予定だと述べた。「ギャンブル依存症対策が不十分であることのみならず賭博罪の違法性阻却をどのように備えるのかも不透明であり、公益目的に使うという入場料等の収益金をどのようなことに使うのか、経済効果、外国人に利用を限るという制度的な担保も明らかでない」と同法案のさまざま論点を列挙、幅広い議論を通じてカジノ法案の問題点を指摘していきたいとした。