蓮舫代表記者会見

2016年12月22日(木)15時16分~15時56分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=wgeg__V-3Y8


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○「初の100万人割れ」今年の出生数について

【代表】
1年間に生まれる赤ちゃんの数が100万人を切り、98万人。第1次ベビーブームの時には270万人の赤ちゃんが生まれていました。1950年には人口の35%が子どもだったことを考えると、本当に子どもの数が減ってきて人口減少にしっかりと入ってきてしまった。これはやはり我が国の最大の政治課題だと思っております。

○平成28年度第3次補正予算案及び平成29年度予算案について

【代表】
 そうした中、第3次補正予算案・来年度予算案が閣議決定されました。
 今年度につきましては、年度内に、まさにリーマンショック以来(09年度以来7年ぶり)になる1.7兆円の税収不足が生じました。「アベノミクスがうまくいっている。でも為替の変動があったから税収不足があった」、本当にこの説明だけで納得できるのかどうなのか。私は納得できません。実体経済がしっかり動いて、そして着実に経済が好転しているのであれば、為替に大きく偏ることのない税収の安定的確保ができるのではないだろうかと思っています。
 そうした、補正予算を組むことにならざるを得なくなったにもかかわらず、来年度予算も相当税収を甘く見ているのではないかと懸念しています。名目で2.5%、実質1.5%、相当高い数値で税収を見込んで、また外為特会からの税外収入に頼る、国債利払い費も低目に見積もっています。「とにかく財源を集める」というその気持ちは、この我が国の財政事情の中で理解しようと思えばできますが、仮にこれでまた下振れた場合には補正を組まなければいけない。そしてそれは赤字国債に頼らざるを得ないというような、財政規律を守れない、そういう予算に陥ることがないように、この予算案は来年の予算委員会でも、しっかりと我々の考えを提示しながら総理と質疑をさせていただきたいと思います。


■質疑

○28年度第3次補正予算案・29年度予算案について

【日本経済新聞・宮坂記者】
 予算案の話について伺いたい。社会保障費の伸びは抑制して年平均5000億円という数字に、厚労省の要求よりも抑えたということが一つと、防衛費が連続で伸びていて過去最大になっていると。この二つについて、代表としてどういうふうにご覧になっているか。

【代表】
 政府の判断であるとは思いますが、防衛費においては5年間連続増、過去最大のとなりました。ただ、一方で社会保障給付費の伸びを抑えなければいけないので、医療・介護で負担を皆様方にお願いをしていく。これは国民の感覚とはずれていると私は思います。
 むしろ担保してもらいたいのは将来の安心と安全であり、もちろん国家の安全も、それは国民の命を守る政府として相当な責任を負ってはおりますが、予算の配分のバランスは本当にこれでいいのだろうかというのは、国民の本音だと思っています。私達もこの予算編成には違和感を覚えています。

【時事通信・島矢記者】
 来年度予算案では、これまで民進党が訴えてきた保育士の待遇改善や給付型奨学金などが盛り込まれているが、この点について代表の考えを伺いたい。

【代表】
 ありがたいことだと思っています。野党でも、しっかりと訴え続けていれば、政府が取り入れてくれる。これも一つの野党の行政監視。そして選挙を通じて我々が提案したことに対して、政府が敏感に反応してくださったと思っています。
 ただ、一方でその中身です。給付型の奨学金も、どこまでの規模で、何人の方にその恩恵が波及するのであろうか。あるいは保育士の待遇改善にしましても、月6000円の改善というのが、特に東京では保育士さんの有効求人倍率は6倍とか7倍ではないでしょうか。保育士の資格を持っているのになぜ働かないのかといったら、8割の方が「給与が低いから」と答えています。全産業平均から11万円低い月収では、やはりそこに6000円プラスされただけでは手を挙げて働くという意欲につながらないと思っています。
 私達は、せめて5万円、予算規模にしたら2000億円を超える財源が必要ですが、ここをしっかり担保することによって、特に「止まらない少子化」が今日改めて数値で明らかになっていますので、ここは思いっきり予算の配分を変えるべきだと、これからも言い続けていこうと思っています。

【テレビ朝日・延増記者】
 3次補正で赤字国債を追加で発行することについて、アベノミクスの是非と関連して具体的にどう分析するか、詳しくお聞きしたい。

【代表】
 これまでも安倍総理は経済政策、「アベノミクスの果実」を活用することによって、経済政策が行き届いていない方達に経済効果を波及させたいと言っていました。それが「果実」がなくなって、借金(国債)に頼るようになったということは、すなわち、この経済政策は一度立ち止まるべきものだ。そういうことだと私は思っています。

○総理と連合会長との会談について

【読売新聞・佐藤記者】
 先ほど官邸で、連合の神津会長と総理が会談された。民進党と連合との間にくさびを打つ狙いもあるのではないかと一部では言われているが、今回の会談について、代表として何か所感があればお願いしたい。

【代表】
 政府が「働き方改革」をまとめている最中でありますので、働いている方達の声を代弁している連合の皆様方が政労会見を求めて、過去に自民党政権で政労会見は行われておりましたので、それを求めるというのは当然の主張だと思っています。むしろ、我々との関係にくさびを打つという考え方は邪推ではないかなと思います。

○代表就任から100日を振り返って・来年への抱負

【共同通信・田川記者】
 明日で代表就任100日になられるが、この間を振り返ってのご所感、さらには来年に向けての抱負をお聞きしたい。

【代表】
 とにかく一歩一歩、頑張って前に進んでいきたい。この思いだけです。  挑戦する野党であるという原点を忘れないで、対案を持って、そして政府が間違った時には「それは間違っている」と言えるような民進党でありたいと思っております。
 他方で、今年は随分、私の、発信力があるというよりは、むしろ逆にいろいろな記事を書かれる。あるいはネット上でも、私の身に覚えのないようなことが言われてしまうような年でもあったのですが、そういったものに折れずに頑張っていきたいと思っています。

【日本経済新聞・宮坂記者】
 今年1年を振り返って、という観点で伺いたいが、昨日の常幹でも来年の酉年にひっかけたお話をされていたが、今年・申年はいろいろ厄があると一般的にも言われている。災害等もあったが、今年1年、蓮舫代表として、代表になる前も含めて、どう振り返られるのかという点についてお聞きしたい。

【代表】
 今年は参議院議員選挙、都知事選、代表選挙と、ほぼ選挙イヤーだったと思っています。その中で、代表に選出していただいて、新しい民進党の代表として歩みを始めて、今教えていただきましたが、明日で100日。来年は酉年ですから、ぜひ人材、たくさん優秀な仲間がいますので、仲間と一緒に飛躍の年にできればと思っています。

○国会運営に対する大島衆院議長の所感表明について

【朝日新聞・松井記者】
 先ほど衆院の議会制度協議会が開かれ、大島議長から所感が示された。その中で、おそらく臨時国会で強行採決が繰り返されたことが念頭にあるかと思うが、もう少し審議が充実されて国民の負託に応えられるようにと。それに向けてどうしたあり方があるべきか、各党・各会派検討してほしいと、お考えを示された。中には、例えば「吊るし」のおろし方、委員会に付託されるまでに時間がかかってしまって審議になかなか入れないとか、参考人を呼ぶことについて与野党でなかなか合意に至らずに参考人を実際に呼ばない例が幾つかあったわけだが、そういった審議のあり方について、各党・各会派に対して議長が、党内で考えるようにということを要請されている。それについて民進党としては今後、議会の運営のあり方についてどのように考えておられるか。

【代表】
 大島議長の所感、私も先ほど読ませていただきました。特に、先の臨時国会は我々野党だけが「乱暴な国会運営だ」と言っているのではなくて、議長も議会運営のあり方に対しておそらく胸を痛めていたところがあるのではないかと思える所感の内容になっています。その部分では、ぜひ与党の皆様方には丁寧な国会運営に特に注意を払っていただきたいと、私達からもお願いをしたいと思います。
 特に議員立法の「吊るし」においては、私達が提案をしている長時間労働規制法案は審議をしてくれなくて、そして結果として、このたった1本の法案のためだけに会期の再延長をしましたが、どうして「カジノ解禁法案」だけをおろして、“スピード審議”と言えば聞こえはいいですが、強行採決で終わらせてしまったのか。おそらく議長から見られてもその公平性、特に議員立法に至っては、議長も指摘をされておりましたが、各党に提案者が丁寧に説明をしてもらいたいということまで、特に(自民党の)国対委員長を長く務めておられた方なので、そこの機微はおわかりになっておられると思われる所感ですので、そこは全く同じ思いです。
 私達もこうした議長の所感に思いを寄せながら、来年の通常国会もバランスを欠いた運営でなくて、そして政府の思うがままの審議の打ち切りではない国会運営を望んでいきたいと思っています。

【朝日新聞・松井記者】
 大島議長の所感の中では、与党に対して反省を促しているような箇所がある一方で、野党に対しても、なかなか審議に入らない、いわゆる日程闘争に明け暮れてしまっているという問題提起もあった。そういった点について、野党第1党として民進党はどのように対応されていくお考えか。

【代表】
 議長の指摘は重いと思っております。我々が日程闘争に明け暮れて、まるで審議に乗ることすらも拒否しているのではないかと映ったとすれば、それは遺憾です。我々は、審議はしたい。ただ、日程協議の中で、審議(入り)をすることで、「さて、審議打ち切りだ」という、そういう乱暴な運営が現場で見られたから、そこはやはり私達も見せ方、見られ方にも留意をしながら、やはり与党の皆様方にももう少し丁寧な運営をしていただきたいと思っています。
 今回、臨時国会で成立した閣法は24本ありますが、私達民進党は20本賛成しています。8割です。何でもかんでも常に対立をしている、批判ばかりしているわけではなくて、国民のためにいいと思った法案には8割もの率で賛成している。私達はこういう丁寧な運営を目指しておりますので、ぜひその部分は野党・与党、全ての国会運営に携わる責任ある皆様方で共有をしていきたいと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 確認だが、大島議長から各党・各会派に、今度の通常国会までにどんな対応ができるのかを検討するようにとの要請があったが、それについて民進党としては党内で、例えば議運のメンバーと国対のメンバーなりで話し合うのか、何かそういった議会改革に向けて考える場を党内で設けるのか、どこでその検討をしていって通常国会に党としての考えを示すのか。今後の考え方、やり方について伺いたい。

【代表】
 議会の円滑な運営において、与野党がやはり丁寧な協議を行って、基本的には合意を求めながら、丁寧に進めていくことが求められるのですが、特に先の臨時国会の与党の運営を見ていますと、野党の声は聞かない。あるいは、同じ連立を組んでいる与党の公明党の声にも耳を傾けない、むしろ自主投票にならざるを得ないように置き去りにしていった。というような乱暴な運営も見受けられました。まずここはどんなに私達が「こういうふうに改革をしましょう」としても、与党の姿勢を改めていただかないことには、我々がどんなに改革を提案しても、この協議は平行線になります。
 ただ、与党がその態度を改めるために私達も正すべきところがあるのであれば、それは国対であり、あるいは議運であり、院の中でそれぞれつかさの立場にある方達が前向きに、国民から批判を受けないような運営のあり方については、これは常に議論すべきものだと思っています。
 大島議長のこの所感というのは重たいものです。国対委員長に、あるいは議運の筆頭理事にも伝えて、意識を共有していきたいと思っています。

○沖縄県北部訓練場の過半返還について

【NHK・花岡記者】
 沖縄の問題について伺いたい。今日、沖縄の北部訓練場のかなり大きな部分の面積が返ってきて、その返還式が行われたが、翁長知事はオスプレイの飛行再開などの問題もあってこの式典自体に参加しないという、ちょっと異例な事態になっている。この北部訓練場の返還について考えを伺いたい。

【代表】
 本土復帰以来、最大の面積が返還されました。SACO(合意)に基づいて7500ヘクタールのうち4000ヘクタールが戻ってきた。このこと自体は了としています。
 ただ、今ご指摘のように、返還式典に知事が出席できない理由があったことは大変遺憾です。ヘリパッド建設に伴う強引な進め方がやはり目に余ったということももちろんあるでしょう。あるいは周辺住民の、その騒音に対するいろいろな思い、あるいはさまざまな事故が相次ぎました。そのことに対して沖縄県民の皆様方が抱えておられる不安に対して、残念ながら、在日米軍、あるいは政府も丁寧に応えてきていなかったのではないか。そのことが知事の欠席につながっているのであれば、ぜひここは政府にも在日米軍にも、もう少し丁寧な、沖縄県民に寄り添うような対応をしていただきたいと切に願います。

○次期衆議院選挙について

【東京新聞・我那覇記者】
 次期衆院選、いつになるかわからないが、近づいていたとして、蓮舫代表ご自身は今、どういうような検討状況にあるのか伺いたい。

【代表】
 私のことも、あるいは他の野党との「できる限りの協力」も、個別の選挙区でどういうふうな形で候補者のさまざまな調整ができるのかも含めて、今、急速に進めているところです。まだご報告できる段階ではありません。

【共同通信・田川記者】
 26日に4野党の幹事長・書記局長会談が予定されている。この間しばらく、党首同士の会談というのは行われていないと思うが、次期衆院選を見据えて党首会談の予定はないのか。また、その必要性についてどのようにお考えかお聞きしたい。

【代表】
 党首討論の必要性はないと思っています。なぜならば、もう実務のレベルで、政策も含めて、どういう「できる限りの協力」ができるかは、(協議を)進めています。それは幹事長と選対委員長のもとで、実質的に始まっています。その作業の進展を逐一報告するものではないと思っていますが、26日には我々が掲げる政策の旗というものも、政策アップグレード検討会を含めて明確になりましたので、この旗に対して皆様方と具体的に、小選挙区、地域との連携も含めて、どういう協力ができるのか、一歩進めようと思っています。トップ同士の会談というものではなくて、実務者協議をより進めるための4者会議だと思ってください。

【フリーランス・上出記者】
 いわゆる「カジノ法案」、これが国会の流れの中では、一般には民進党が土壇場になって折れてしまったと言われている。これは政治を担当しているベテラン記者から聞いた話だが、事実関係も含めて伺いたい。何で折れたかというのは、実は自民党のほうから解散をちらつかされたと。それで一遍にシュンとしてしまって、会議に出席することに同意しちゃったということだが、この事実関係と、それから今後の解散のことにもつながると思うが、その辺で何かお感じになることがあったら伺いたい。

【代表】
 まず、そうした事実は一切ありません。  解散がなければ、私達の仲間は増えません。今、政策も、公認作業も、いつ選挙があってもいいように進めてきています。我々の準備は足りないという状態にはなっていません。「受けて立つ」「常在戦場だ」という気持ちでいます。

【時事通信・島矢記者】
 次期衆院選で、小選挙区と比例代表、それぞれの獲得議席目標について、どのように設定されているか。
 あと、ご自身の衆院への鞍替えについて、「覚悟を持っている」と以前から答弁されていると思うが、これについて変わりはないのか伺いたい。

【代表】
 後段は、変わりはありません。
 前段は、まだ考えていません。

○南スーダンに対する武器禁輸制裁決議案に関する日本政府の姿勢について

【東京新聞・我那覇記者】
 南スーダンの関係で、アメリカが国連安保理で、政府勢力・反政府勢力への武器禁輸を盛り込んだ制裁決議案の採択を目指しているが、日本は慎重な姿勢を示している。背景には、現地情勢が流動化して自衛隊に悪影響が及ぶという懸念があるようだが、こうした対応について代表としてはどうお考えかお聞きしたい。

【代表】
 大前提として、南スーダンにPKO活動で自衛隊員を送り、新たな「駆けつけ警護」等を付与することに私達は反対しています。ただ、国際貢献の必要性は、反対していません。その部分で実際に南スーダンに自衛官を派遣したのであれば、現実的に自衛隊員の命を守る救急救命を充実させるための法律案(自衛隊員救急救命法案)も私達は出しています。
 その上で、今、南スーダンで何が起きているか。政府は「衝突」であるというような言葉を使われているが、これが内部紛争あるいは何らかの武力紛争に発展した場合において、南スーダンの中は一体どういうふうになっていくのか。国連の安保理の中では、南スーダンへの武器禁輸、それともう一つ、民間人への暴力、その責任者への個人制裁をさらに重くするという決議が今用意されているようでありますが、我が国政府は「反対」あるいは「棄権」の方針と聞き及んでいます。非常に残念です。むしろ本当の意味での国際貢献を、国連を中心に行っていくのであればこそ、世界の先進国と一緒に、南スーダンが真に平和な道を歩むべき。その支援をすることが我が国の国際貢献にも資すると思っています。

○「もんじゅ」の廃炉について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 もんじゅが廃炉。1兆円の税金の無駄遣い。廃炉はまた4000億かかる。その責任というか総括というか、民進党は「ダレノミクスプロジェクト」もやっているが、そこの部分をどうお考えになるか。その総括が済まないうちに、今は実証炉という話になっているが、そういうことも含めて民進党はどういうふうに対応されるのか。あわせて、玄葉さんのところからの原発プログラムというのは年内に出てくるのか伺いたい。

【代表】
 「もんじゅ」については、まさに22年の歳月、1兆円の税金をかけて、稼働日数は250日でした。全くの失政だったと思っています。その責任を総括することなく、たしか文部科学大臣が(大臣給与と)賞与を、66万円を返還して終わらせるということで、国民の理解を得られるのかどうなのか。これは私ももっともっと強く発信をしていきたいと思いますし、国民の多くの皆様に知っていただきたいことだと思っています。
 特に、原子力規制委員会に運転資格がないとされました日本原子力研究開発機構が廃炉を担っていくというのは実現可能性が高いのだろうか。この部分も政府は説明をされていないのを、私達は了とすることはできません。
 政府は新たな高速炉開発に取り組むとしていますが、この過去22年間の総括がなく、今後新たな開発をして何を見出していくのか、どんな負担があるのか、誰が担っていくのか。こういうこともないまま、また道なき道に進むのは慎重であるべきだと私達は思います。
 じゃあどうするのか。「2030年代原発(稼働)ゼロ」、そのロードマップも含めて、今、私達のエネルギー環境調査会で、玄葉光一郎さんが急ピッチでまとめています。いつ解散があっても、私達がエネルギー政策をしっかり、国民世論に寄り添う、国民の世論の求めているものを現実的に行っていける政策を打ち出したいという指示のもとで、まとめを急いでいただいています。

○東京へのMICE・IR施設誘致推進について

【フリーランス・横田記者】
 小池都知事の会見で、「2020年に向けた実行プラン」の中で、外国人観光客2倍という目標を掲げ、その中にMICE(多くの集客交流が見込まれる「企業等の会議」「企業等の行う報奨・研修旅行」「国際機関・団体、学会等が行う国際会議」「展示会・見本市」などの総称)の誘致の推進とあるが、海外ではMICEとカジノがセットになってIRということがよくあるが、東京がMICEやカジノを含むIRを誘致する場合に、民進党としてどう対応されるか。東京にカジノを持ってくるかどうかが都議選の争点になる気もするので、民進党としてのお考えを伺いたい。

【代表】
 まず、IR・統合型リゾート施設の中で、MICEと、カジノが、必ずしも同じものであるという認識は私は今持っていません。ただ、その前提となった議員立法が通ってしまったことも遺憾ではあるのですが、違法性阻却も、あるいはギャンブル依存症対策も、あるいは民営という部分での公金の使い方も含めて、やはりまだまだ明らかではないことがあり過ぎますので、現段階でカジノの解禁には私達は反対です。それが東京都に、という話まで飛ぶ話ではないので、その前段階としてまず反対です。

【フリーランス・横田記者】
 党首討論でおっしゃったとおり、カジノの面積はわずかだが、IR全体の収益エンジンになっていて、海外では要はカジノの収益で、MICE、ホテル、ショッピングセンターを値引きして誘致し、周辺の商業施設が衰退するという現象が起きている。こういうカジノ収益依存型のIRについては、どうお考えか。

【代表】
 いずれにせよ、収益を賭博であるカジノに依存することが成長戦略の大きな目玉だという考え方に、私は反対します。

○企業団体献金禁止の取り組みについて

【NHK・花岡記者】
 政治改革推進本部について。維新の党との合流の時に、政治献金についての法案を提出するという条文があったかと思う。岡田克也前代表のもとで企業団体献金の廃止、税制上の優遇など、そういった法案の準備が進められていると思うが、民進党として企業団体献金の考え方をあらためて伺いたい。

【代表】
 党としてはこれまでと変わらず、企業団体献金は廃止をするという方向性で、そこは条文も含めて、法案も含めて、岡田克也(政治改革推進本部長)さんのもとで今用意をしていると報告は受けています。

【フリーランス・上出記者】
 企業献金について、基本的にずっと前から反対と言っておられるが、共産党のように非常にわかりやすく、政党交付金も反対、企業献金も反対というのとは違って、一般の国民から見ると民進党の企業献金反対というのはわかりにくい。パーティーもやっておられる。その辺も含めて、いつまでぐらいにきちんと「反対」というのを実施できる見通しなのか。本当にやる気があるかどうか。

【代表】
 やる気があるというのは、まさに岡田克也さんがそのトップとなって今担ってまとめておられますので、まとめる時が来たら、ご本人から皆様方に説明をさせていただきます。

○生前退位をめぐる議論について

【朝日新聞・松井記者】
 昨日、生前退位について考える民進党の皇位検討委員会が論点整理をまとめた。一方で政府のほうは特例法という形で1代限りでの退位ということで考えを進めている。もし通常国会で政府が特例法を提出してきた場合に、民進党の考え方は特例法とは違うので、法案に対して反対をするのか、賛成をする余地があるのかどうなのか。その点について伺いたい。

【代表】
 皇位検討委員会の論点は、委員会として論点整理を行ったものを常任幹事会で報告したものです。これが党としての最終決定のものではありません。来年以降、勉強会も含めて幅広い議論を党内で行っていくこともあわせて考えています。
 ただ、やはり天皇の地位というのは、「主権の存する日本国民の総意」でありますので、政府だけが決めるものでもないと思っています。野党である私達も国民を代表している国会議員として、志を同じくする政党として、考え方を、例えば政府が検討している部分からこぼれてしまった女性宮家創設であるとか、あるいは皇室典範改正したほうがよいのではないか、あるいは憲法違反に当たる指摘があるものの部分はもう少し丁寧に議論するべきではないか、という部分を論点整理でまとめることには意味があると思っています。
 ただ、与野党がぶつかる内容ではありません。静かな環境で、静かに議論をして、国民の思いにも身を寄せながら、しっかりまとめていくべきものだと思っているので、決して対立型の法律案にするつもりは私達はありません。

○東京都国立市長選挙について

【フリーランス・堀田記者】
 今、国立市長選挙が行われている。かつて上原さんというユニークな人も出て、いろいろなことがあったが、佐藤市長が亡くなったのは残念だが、これが「自・公」対「民進を除く野党」だ。我々から見るととてもいい対立で、年末で、最後にいい勝負になるなと思っていたが、民進党だけ抜けている。しかもあそこの選挙区は、末松義規さんは次にも出る予定で、蓮舫さんも都連の一員だが、末松さんのほうから選挙に入る前に何か言ってきたか。

【代表】
 基本的には自治体の首長選挙ですので、その地域の総支部長、そして都連の中で協議して決めていることです。代表が直接関与する話ではないと思っています。

○初鹿議員に関する週刊誌報道について

【フリーランス・堀田記者】
 (代表就任)100日目で、カメラを通して見ると、とても頬がこけて、だいぶ体重が減ったと思う。
 「親の心子知らず」というか、今、ゆるキャラというもので人気を得ようとしているかどうか知りませんが、その責任者の一人である初鹿さんがとてもひどいことをやっている。警察沙汰にならなかったからいいが。それについて感想をお願いしたい。

【代表】
 まず、非常に遺憾です。特に、インタビューを受けたとされる記述があって、それが事実かどうか、幹事長を通じて確認をしていただいておりますが、女性に対する言動ではないと思っています、発言の内容が。
 昨日(21日)、幹事長が初鹿さんと直接お会いをして、私の思いも含めて、かなり厳しい口頭での厳重注意はしています。我々の監督不行き届きかもしれませんが、二度とこういうことがないようにしていきたいと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 役職停止などは考えているか。

【代表】
 昨日14時の時点で、彼の役職は外してあります。本人が辞表を持ってきました。

【フリーランス・安積記者】
 昨21日の午後2時に本人が役職の辞表を提出したということだが、既に20日の段階で掲載誌の見本が出回っていて、大体のところは皆さん把握していたはずだが、ちょっと対応が遅いのではないか。20日にゆるキャラの四つについての発表会(「民進党ゆるキャラ総選挙」発表会)があったが、この段階では既に党本部も把握できていたのではないかと思うが、これについて情報が遅かったということはあるか。

【代表】
 ご指摘は当たらないと思います。我々は適切に役割を担っていただいて、そしてご自身が辞表を持ってきた。報道されたその事態を重く受け止めて、幹事長から厳しく口頭での厳重注意をしました。ここに尽きます。

【朝日新聞・松井記者】
 確認だが、つまりご本人は、週刊誌で報道された内容について事実だと認めた上で、昨日謝罪をしたのかということと、役職を自ら辞任されたというのは青年局長の肩書、青年局長の役職を自ら辞任されたということでよろしいか。

【代表】
 はい、肩書はそのとおりです。そして中身に関しては、私はまだそこまで詳細に幹事長から報告は受けていませんが、いずれにせよ本人から謝罪、そして幹事長から口頭での厳重注意をしております。

○富山県連の政党交付金不正取得について

【富山新聞・北脇記者】
 先日、民進党富山県連の政党交付金の不正に関して野田幹事長の説明があり、4526万円余りで、さらに2人の元幹部に対して損害賠償請求、刑事告訴を考えるということだったと思うが、代表としてはこの件に関してどのように考えておられるか。

【代表】
 たった一言。遺憾です。やはり税金ですから。
 今後、求めが来ると思いますので、国家返納もいたします。やはり富山県民の皆様の信頼が失墜しておりますので、刑事告訴も含めて毅然とした姿勢で臨みたいと思っています。