野田佳彦幹事長記者会見

2016年12月26日(月)15時00分~15時42分
編集・発行/民進党役員室(項目ごとに編集しました)

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=00a2IAP840A


PDF「配布資料」配布資料


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○野党4党幹事長・書記局長会談を開催し衆院選での連携を確認

【幹事長】
 今日(26日)の午後1時から(野党)4党の幹事長・書記局長会談を開催いたしました。
 年明け早々にも解散・総選挙はあり得る、可能性はまだ残っているという共通認識を持ち、衆議院選挙における「できる限りの協力」についてしっかり準備をしていこうという確認をいたしました。
 一つには、政策面においては市民連合から具体的にいろいろな要請をいただいておりますが、その要請に4党でしっかりと回答していこう。その回答するために、政策実務者の協議を進めること。その協議をする過程において、4党で共通して訴えられるようなスローガンやキャッチフレーズも見出せるかもしれない。そういう認識のもとで政策実務者協議を行っていくことについて合意したところです。
 また、選挙における協力のあり方については、すみ分けを検討する実務者の協議を、これも加速をするということで一致をいたしました。
 加えて、1月7日に市民連合が主催する新宿での共同街宣について、4党でも成功に向けて協力をするということをあわせて確認させていただいたところであります。

○ネット対談「対談 小林よしのり 野田佳彦 - 天皇陛下のご退位・ご譲位について-」の開催について(配布資料添付)

【幹事長】
 なお、資料でお配りをしていると思いますが、12月29日・木曜日、午後5時から、漫画家の小林よしのり氏と、「天皇陛下のご退位・ご譲位について」をテーマにネット対談を行う予定です。


■質疑

○「野党4党幹事長・書記局長会談」「野党連携」について

【読売新聞・藤原記者】
 4党幹事長・書記局長会談について確認も込めて質問させていただきたい。政策実務者協議を加速するということは、民進党としては次期衆院選における4党の共通政策をまとめる考えがあるという理解になるのか。

【幹事長】
 今日の会議で申し上げたことは、市民連合と2回協議行い、特に2回目は市民連合から具体的な、「こういう政策を実現してほしい」という要請がありました。その要請に責任を持って応える、野党と市民の連携を推進していくためには、4党の政策実務者が協議をして、その回答をつくることが当面必要です。その作業をちゃんとやっていきましょうと。
 その中で、例えば横串を通すようなスローガン等が見出されば、協議もしましょうということであって、最終的な結論の置き方をまだ定めているわけではありません。「政策協定」云々とか「共通政策」とかいう言葉の先行は、まだこの段階では早いと思いますが、一緒に共有できる、一致できるものを見出していく作業を今している。その見出していく作業を加速しようということです。

【フリーランス・宮崎記者】
 市民連合からは何か質問状のようなものが提出されていて、政策実務者協議はいつから始めて、おおむね回答のめどはいつか、教えていただきたい。

【幹事長】
 質問状ではありません。4党と市民との連携を進めて安倍政権に対峙していこうという趣旨のもとで、市民連合との協議が始まりました。2回目の協議の時に、市民連合側から、こういう政策を実現してほしいという要請文をいただいています。いろいろなテーマ、各般にわたります。それに対して、今度は政党の側が、「これはいいですね」などなど、おおむね参議院選挙の前にいただいたものと重複しておりますが、今度はそれを整理して回答する段階であるということです。
 それは年内には、うちの党内でのいわゆる政調のチェックはしていきたいと思いますが、それを踏まえて年明けに4党とよく協議しながらの回答に結びつけていきたいという、そういう目安で進めていきたいと思っております。

【産経新聞・山本記者】
 政策の話だが、幹事長は「一致できるものを見出していく作業」と言われたが、例えば原発政策とかは共産党と民進党は全く異なるかと思うが、そういった部分は避けて、一致できるものだけ、というイメージでいいのか。それとももう少し踏み込んで、共産党は原発を強く言っているが、そういうところまで歩み寄るのか。そのあたりのイメージを伺いたい。

【幹事長】
 基本的には我々が掲げてきた政策がありますし、党として政権公約というものを、今、まとめていく作業中です。それを変えるということは基本的にはありませんから、その基本的な姿勢の中で他の政党と一致できるものを見出しながら、共通で打ち出しが可能かどうか。そういうことになると思います。

【産経新聞・山本記者】
 あらためて確認だが、政策のほうも選挙区調整のほうもいずれも、解散が近いという前提で、早ければ1月中に仕上げるということでいいのか。もっと遅いのか、早いのか、それは解散次第だが、その時期的なめどについていま一度お願いしたい。

【幹事長】
 近いということを前提に協議をしましたから、解散・総選挙になったという時には間に合うようにしていくというのが心づもりということです。

【朝日新聞・松井記者】
 先ほどの4野党の幹事長・書記局長会談の際に、共産党から15選挙区、「必勝区」についてお話があったかと思う。先ほど共産党のぶら下がり会見でもそういったことが発表されたが、野田幹事長としてはその場でどのような話をされたか。また、その場で話したこと以外も含めて、民進党としてそういった共産党の考えにどう対応していくお考えか。

【幹事長】
 そのお話をしたわけではありません。15選挙区の、いわゆる「必勝区」、第1次案というペーパーを、会議の終わり際に渡してもらった。それを個別で一つ一つ議論はしていません。
 パッと見て、「あ、今度、明後日、私が応援に行く選挙区もありますよ」とは、予告はしておきました。

【フリーランス・上出記者】
 これまでの共産党や民進党の言動を見ていると、何となく参議院選の時と近い形で共闘が行われるのではないかと。結論先にありきではないが、まず、そこを目指すと。政策的に、政権構想は別にしても、かなりのところでたぶん共産党が妥協して、あまり足を引っ張られることなく、「野合だ」と言われない範囲で、それなりの統一政策ができていくのではないかと見ている人も多いと思うが、その辺の見通しを伺いたい。

【幹事長】
 それは、まだわかりません。実務的な協議が事実上、今までやってきた部分はある。本格的に急ピッチで進むことになったというのが今日のところだと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 4党の幹事長会談の中で、選挙区調整という話も今後、全部が全部でないにしても、戦略的に位置づけてやっていくということだったと思うが、あらためて、そういう調整をするに当たって、民進党として譲れない前提というのがどういうところとお考えになっているか。
 先週、連合が衆院選の方針で、共産党との連携はあり得ない云々という話があったが、今日の会談の中で出たかということと、もし出ていないにしても、今後これが特に共産党と調整をしていく中でどういった影響を及ぼすか、幹事長の考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 今日の議論の中で、例えばどの選挙区どうのとやっていませんが、既に擁立している我々の候補者は、しっかり地域の中で戦っていけると見込んで公認をしたり推薦をしたりしていますので、そういう候補者ができるだけしっかりと勝利に向けて戦っていけるようにすることが党の仕事だと思っています。
 もちろん、相手もいろいろな意見がありますから、その意見をよく聞きながら対応したいと思いますが、基本的な姿勢は、まずは空白区を埋めていく。既に埋めた選挙区においては、できるだけその人達が勝利をするように環境整備をするというのが基本中の基本であります。
 連合との関係は、連合が基本方針を22日に発表しています。共産党との連携があり得ないというのは、それは連合のスタンスです。ただ政党間の協議については、これは静観する方針が出ています。その協議をしっかりご説明しながら、応援団の皆さんには引き続き応援していただくように努力をしていきたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 政策実務者を飛び越えた話で恐縮だが、平和安全法制の廃止というのは、4党の取りまとめの中には常識的に入ると幹事長はお考えか。

【幹事長】
 「常識的」という判断はまだありません。これから実務者の協議をやっていくということです。

【フリーランス・宮崎記者】
 「実務者でこれから」という話だが、そのうちまとまるには、平和安全法制の廃止は入るだろうとお考えになられるか。要するに、話が「政策」というだけだとわかりづらいので。

【幹事長】
 個別のものは今、政調でチェックしながら、文言の問題を含めてそれをどう回答するかをこれから4党で協議するということですので、一つだけ取り出して私が先走って回答することではないと思います。

【産経新聞・山本記者】
 共産党の「必勝区」を見ると、東京12区とか沖縄1区とか、これはありかなと思うところもある一方で、例えば埼玉15区だと現職が3期やってきた選挙区だが、そういうところを「必勝区」と共産党がやったとしても、民進党はずっとそこを地盤にした候補者や元職がいるので、「関係ないですよ」というくらいの空気感なのか。それとも、場合によっては、そういう人であってもおろすとかおろさないとか、そういう議論にまで当然なるのだろうが、そういうところも視野に入っているのか。そのあたりの雰囲気を伺いたい。

【幹事長】
 他党が「必勝区」と言っても、うちも重点区と思っているところもあります。そういうのをこれから協議するということです。

【読売新聞・藤原記者】
 ぶら下がりでも出た質問だが、京都で松野頼久衆議院議員が、共産党の穀田さんと(自由党の)小沢代表と一緒に街頭演説をした件だが、会談の後に、こういう個別の動きが出るのは困りますよとお伝えになったということだが、この件は好ましい話ではないと幹事長は考えていらっしゃるという理解でよろしいか。

【幹事長】
 京都のこれまでの歴史を考えてみると、「非自民・反共産」で戦ってきた長い歴史のある土地柄です。その土地柄に、十分に京都府連の理解を得ることなく個人の判断で行動するということは、やはり悪影響が出る可能性がありますので、慎んでもらわなければいけないことだったと思います。そういう事態が起こってしまったことを極めて遺憾に思っています。

【読売新聞・藤原記者】
 幹事長は先日、船橋で、ご自身の国政報告会の講演の中で、マイクを握ることはあるかもしれないという形でお話しになっていたかと思うが、今の話だと、一緒にマイクを握るかどうかというのは、あくまで地域事情などをきちんと勘案して、容認できる部分もあれば、京都のように「ちょっとそれは違うのではないか」という部分も、両方あるということか。

【幹事長】
 ケース・バイ・ケースだと思います。「場合もあり得る」と言ったのは、いろいろな相談が成立した時に、ということとかいろいろあります。だけど今回の場合は少なくとも、ご自身のところで自分の決断でやるならばまだともかく、「ともかく」と言いましても、それだって本当はよく注意しなければいけないと思いますが、自分の守備範囲ではないところでやるというのは、それは政治家としてのデリカシーの問題ではないですか。同僚達が「困ったな」「弱ったな」と思う状況をつくることはいかがなものかと思いますから、それはやはり自制してもらわなければいけなかったと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 昨日の京都での合同演説会のことで確認だが、望ましくないということは、松野さんが合同で街頭演説に立つのはやめてもらうようにということを事前に府連から党本部に要請があったかと思うが、結果的に並び立つことになった。どういった経緯だったのか、あらためてご説明をお願いしたい。

【幹事長】
 府連からもありましたし、松野氏からも立ち話で「お騒がせをします」みたいな話を聞きましたが、それでは済まない話なので、電話などで強く自重を促しました。が、最後まで「個人の判断ですから」ということで、残念ながら行ってしまったということで、極めて遺憾に思うということであります。

【フリーランス・上出記者】
 野党共闘と連合の関係について伺いたい。これは「日刊ゲンダイ」などがよく書いていることだが、連合の性格について、結局、財界あるいは与党と連携して、民進党が左寄りにならないように監視する別働隊だというようなことがよく言われるが、こういうような認識は間違いか。踏み込んだ発言は難しいかもしれないが、幹事長のご所見を伺いたい。

【幹事長】
 民進党の方針が偏ることをチェックするための別働隊であるとは思いません。相互にいろいろ、随時意見交換しておりますので、そういう疑心暗鬼の関係ではないと思っています。

○党勢回復に向けて

【「FACTA」・宮嶋記者】
 100日前に発足した時は、6割強が蓮舫代表に「期待する」という感じでスタートしたが、今、かなり際どい、厳しい状況になっているのではないか。巨大与党の安倍さんに位負けしないように、前総理の野田さんが幹事長という形で、よい布陣だったと思うが、これはかなり際どく、やばいところまで来ていると私は見ているが、支える立場の野田さんとしては今の執行部の状況を、かなり危機的とご覧になっているか。それについて、来年以降どういう形で立て直そうと思っておられるか。(今年)最後の会見なので、ぜひ踏み込んだ抱負をお聞きしたい。

【幹事長】
 「極めてやばい状況」という認識は、そこまで私が共有できるかは別として、安倍さんの支持率が下がらないでいるということ。それは一つには、ちょうど4年ですが、外交でも経済でもそんな成果を上げているとは思わない。アベノミクスも、「道半ば」と言って期待を持たせ続けようとはしているけれども、実績としては、4年間、それほどあるのかないのかわからない。けれども、我が党も新しい代表、新体制になったけれども、それに代わって、実績のない政権に代わって「じゃあ民進党へ」という支持の流れができていない。
 これは代表だけではなくて党全体の問題だと思いますが、それを統括するのが私の仕事なので、きっちり反省をして、やはり安倍政権のこの4年間の成果、特に来年いろいろやろうとしていることを国会で十分チェックをすることが必要だと思います。その前に選挙があるならば、選挙こそが一番のチェックだと思いますので、候補者をなるべく立てて勝負をしていくことだと思います。

【テレビ朝日・原記者】
 今、幹事長の発言にもあったが、今日で安倍政権が発足して4年になる。今、言及もされたが、あらためてこの4年を振り返っての安倍政権の評価を伺いたい。

【幹事長】
 先ほど言いかけましたが、経済はデフレから脱却しているわけではありませんし、金融政策で随分鳴り物入りでスタートしましたが、結局それだけであって、足りないから財政政策に頼るようになっただけであって、なお「まだ道半ば」かと。随分長い道だな、いつまでつき合わなければいけないのか、というのが経済です。
 外交も、ロシア、プーチンさんとの会談も、これも随分期待値は高かったけれども“がっかり外交”の典型だと思います。
 ただ、それに対して、実績はないけれども、「じゃあ代わって政権頼むよ」というところにまで民進党がまだ十分に信頼を確保していない、期待をされていないところに問題があると思っています。党としていろいろな意味で、例えば先の臨時国会、かんかんがくがくの議論があっても採決については一致結束して行動したり、一定の進歩も出てきていると思いますので、やはり受け皿としての民進党が信任されるようにこれからも頑張っていきたいと思いますし、発信力のある代表がもっともっと発信できる環境もつくっていきたいなと思います。そのためには党首討論、1回だけでしたが、通常国会で(解散)総選挙がないならば、党首討論は月に1回は実現するように努力していきたいと思います。

○安倍総理の真珠湾訪問について

【フリーランス・上出記者】
 先ほど安倍内閣の“がっかり外交”ということをおっしゃった。その“がっかり外交”をカバーするように、今度27日に安倍首相が真珠湾に行く。この一連の外交で、一般に報道されているのは、日ロもうまくいって、そして真珠湾、支持率を一気に上げて解散と、そんなことも言われていた。もう“がっかり外交”は誰の目にもはっきりしているが、真珠湾についてはいろいろな論点があり、いろいろな要望も出ているが、野田幹事長ご自身は、この今年最後の外交について、どういう目で見ていて、民進党としてはそれをどのように切り返していったらいいと考えるか。その辺について伺いたい。

【幹事長】
 総理が真珠湾に行かれる、オバマ大統領も真珠湾に行かれる。さきの対日戦で失われたとうとい命に対して哀悼の誠を表すということ、あるいは不戦の誓いをするということ、そのこと自体は悪いことではないと思っております。それをもってケチをつけるつもりはありませんが、当日のその場の姿勢であるとか、あるいはどういうコメントを出すのかについては注視をしていきたいと思います。

【朝日新聞・松井記者】
 総理の真珠湾訪問に関して、野田幹事長は総理時代、2011年11月にハワイで開かれたAPECの際に共同墓地に献花をされた。歴史的な地を訪問するというのはいろいろ難しい面、問題ももちろんある一方で意義もあり、一方で国内外でどう受け止められるかいろいろな検討事項があるかと思うが、そういった歴史的な土地を訪問することの難しさ、意義については幹事長としてはどのようにお考えか。

【幹事長】
 そうは言っても、私の時もいろいろ難しい面がありましたが、共同墓地には行かせていただきました。今回も、先にオバマ米大統領が広島に来られたということも、これは安倍さんが真珠湾に行きやすい環境につながったのかもしれないなと思います。やはり71年の歴史、真珠湾だともっと遡りますが、いろいろな歴史を刻みながら、次第にそういう環境が整ってきたのかなと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 一部、いろいろな意見の中には、アメリカだけではなくて中韓、具体的には南京だったか、ちょっとうろ覚えだが、中韓でもそういう歴史的な地を訪問するべきだという声が上がっているが、そういうものについて幹事長はどうお考えになるか。

【幹事長】
 それはまた別次元の話だと思います。真珠湾とは同列に語る話ではないと思います。

○IR実施法案・ギャンブル依存症対策について

【TBS・永沼記者】
 IR法案に関連して。今日、政府がギャンブル依存症対策の関係閣僚会議をこの後16時頃から開くということだが、今後、閣法が出てくる動きの中での今日の対応について、幹事長はどのようにお考えか伺いたい。

【幹事長】
 IR法案は、課題とされているのはギャンブル依存症だけではない。ギャンブル依存症というのは、IRに限って対応することでもなくて、まさに依存症の方が(国内に)五百数十万人いらっしゃるということを踏まえた対策が必要だろうと思います。
 IRの実施に向けてこれから法整備に入りますが、課題であるのは違法性阻却の問題であるとか、マネーロンダリングの問題がありますよね。そういう個々の問題を課題を把握して、どう解決するかという議論は、当然、実施法の前までにやっていかなければならないと思います。
 これは政府の中でもいろいろな動きがあるかもしれませんが、我々も先週の水曜日の段階で内閣部門で政府を呼んで協議をしていますが、内閣の部門だけではなく、もっと横断的に検討する会議体を設けて議論をしていく。実施法までの間に、あるいは場合によっては視察をするなども含めて、党としてしっかりとした取り組みをしなければいけないということは、大串博志政調会長とも電話で議論をしました。来年からスタートしたいと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 「ギャンブル依存症」という言葉がよく使われているが、このギャンブル依存症という基本的なものは今までも競輪とか競馬とかパチンコとか、そういったものから出ているそういった人達のギャンブル度を調べることもしたほうがいいと思う。

【幹事長】
 ギャンブル依存症というのは、カジノをやる以前から国内に在ります。その対策と、今回の「カジノ法案」に絡めての対策とでは、一部重なるかもしれませんが、全体としてはギャンブル依存症対策というのは大きなテーマですので、今おっしゃったようなことも含めた対策をこれからどう講じていくかということではないかと思います。

【読売新聞・藤原記者】
 先ほどの大串政調会長との話の内容だが、横断的に検討する会議体というのは、幾つかの合同の部門会議ということではなくて、全く別の形になるのか。

【幹事長】
 部門を超えた、ということですので、これは政調会長に任せますが、イメージは特定の狭いところだけでの議論ではないということです。

【読売新聞・藤原記者】
 まだ決まっていないかもしれないが、議論の出口として、例えば民進党で実施法の案をつくるとか、提言をまとめるとか、どういうところを目指して議論していくのか伺いたい。

【幹事長】
 出口、まだ早過ぎでしょう。

○生前退位をめぐる議論について

【NHK・山枡記者】
 天皇陛下の退位のことで伺いたい。ここ数日の間に、政府の有識者会議の座長代理を務めている御厨貴さんが幾つかの新聞社のインタビューを受けているが、その中でも読売新聞のインタビューの中で、一旦特例法で退位が実現すれば、同じような事態が起きても特例法で対応することになり、自動的に先例化するということをおっしゃっている。特例法をつくれば、先例をつくれば、後に続く世代でもそういう対応ができるのではないかということだと思う。幹事長がお読みになっているかどうかわからないが、これをどう受け止められるか。

【幹事長】
 有識者会議の論点整理は、来年のたぶん1月中旬以降にまとめると報道されております。随分早いですよね、その方向性を特定の方が打ち出しているのが。本当にそういうことでいいのかなというのは、今のご質問以前の疑問なのです。
 その中で、特例法を一回つくれば先例となって後で柔軟に対応できるって、それこそ恣意的に政府が特例法をつくる可能性があるという大きな問題になるのではないでしょうか、という疑問を、中身を詳細に見ているわけではありませんが、今のご指摘の話で言うならば感じますし、あるいは本当に退位が必要になった時に、毎回特例法だと、例えば感度の悪い政権がほったらかしたらどうするのでしょうか、など、さまざまな疑問点が生じる発言だと私は思っています。

【NHKH・山枡記者】
 民進党は皇室典範4条を改正して、という形の案を示している。これは取材の中で、民進党の案をという前提では質問されていなかったが、要は恒久法の形で退位を認める要件に関して御厨さんが、退位を認める客観的な要件を定めようとすると、退位の強制や恣意的な退位を生じさせる可能性がある、と。これは民進党の論点整理の中で示されているものとは真逆の回答になっていると思うが、これに関してはどう思われるか。

【幹事長】
 真逆の解釈です。そのために一定の要件を、(皇嗣が)成年に達しているとか、そのご意思の確認であるとか、皇室会議という、いわゆる立法・司法・行政のバランスのとれた、皇族方も入った10人の構成、などなどの幾つかの仕組みをつくっているわけで、恣意性を排除しようとしているわけですので、解釈は全く逆だと思います。

○代表の衆議院への鞍替えについて

【東京スポーツ・高橋記者】
 蓮舫代表の衆議院への鞍替えに関して、選挙区などは検討に入ったとか決まっているのか。

【幹事長】
 まだ決まっていません。

○初鹿議員に関する週刊誌報道について

【フリーランス・安積記者】
 先週発覚した初鹿さんの問題だが、21日に週刊誌が発売されたが、21日に幹事長が叱責された、それから22日に青年局長を辞められたというような時系列になっているが、幹事長がこの件についてお知りになったのは21日なのか、それともそれ以前なのか。

【幹事長】
 21日、週刊誌が出た日に本人がお詫びと、そしていわゆる辞表を持ってきました。辞表を受理して、その日の常任幹事会で報告した。  事前に入ってきたのは、その前日の夜くらいに、そういう動きがあるらしいというのは聞いていました。

【フリーランス・安積記者】
 記事内容だが、週刊誌のほうで、その前の週に初鹿さんに当てているわけで、その後のコメントはその時に取ったものだが、そのコメントについてどう思われているかということと、既にコメントを取った時点で記事に出るということはわかっていた話だと思うが、それの報告が遅れたと思うが、これについてはどうお考えか。

【幹事長】
 実際に私が掌握したのは前日、記事の出る前の夜だったものですから、中身を実際に見たのは翌日でございましたが、コメントというか記事で書かれていることを本人が言ったとするならば、弁明の余地がないというか、論外だと思います。これは深く反省してもらわなければいけないし、心からお詫びしてもらわなければいけないと思っています。

○「ブラック企業大賞」・長時間労働規制の取組みについて

【フリーランス・堀田記者】
 通常国会が始まったら「働き方改革」もあるが、ブラック企業のワーストワンも決まり、ブラック企業にリストアップされた人達を呼ぶなりいろいろ前向きにやってもらいたい。

【幹事長】
 蓮舫代表が、限られた時間の党首討論の中でも、高橋まつりさんのあの悲しい事件を踏まえての討論をしている。重要なテーマとして認識をしていますし、来年も変わらず「働き方改革」、「働かせ方改革」ではなくてきちっとした「働き方改革」の議論を建設的にやっていきたい。