大串博志政務調査会長記者会見2017年1月24日(火)

2017年1月24日(火)13時00分〜13時28分
編集・発行/民進党政務調査会

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=tA4YIo3yNZc


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○代表質問と総理の答弁ぶりについて

【政調会長】
 国会も始まり、昨日から代表質問が始まっております。昨日は野田佳彦幹事長と私、今日は蓮舫代表が質問に立ちました。
 相変わらず安倍総理の答弁、施政方針演説もそうですが、三パターンかなと。すなわち、自分に都合のいい数字だけを並べて答える。もう一つが、都合の悪いことは答えない。三番目に、民主党時代の悪口を言う。この三つのパターンの繰り返しであって、議論としては深まらないなという感じがして非常に残念であります。
 特に、数字をいろいろ述べ立てて言っていましたが、誤った数字、非常に都合のいい数字などもたくさんある。例えば経済成長。名目値で何十兆円伸びたと言っていますが、基準改定をしているから当然伸びる面があるわけです。
 あるいは、保育士の処遇改善に関して、民主党政権時代には下がったと言っていましたが、あれは当時全体の物価状況が下がっていましたから、人事院勧告が下方に改定、それに伴って保育士の処遇も下がっている。そのことを言っているのですね。そのことを問えば、かつての自民党政権だって、人事院勧告に従って保育士の処遇に関してマイナス改定をしてきているのです。
 保育士の処遇改善に関して、民主党は何もしなかったと言っていますが、全くそんなことはなくて、私達の時に社会保障・税一体改革を行って、その中で消費税を財源として、それまでは医療と介護と年金にしか充てないことになっていたものを、子育てにも充てるということを敢えて決めて、その中で消費税財源からは7000億円、その他の財源から3000億円、合わせて1兆円、子育て支援を増やしていきましょうと。その中で処遇改善をしていきましょうということも、決めたのは民主党政権の時です。実行されたのは安倍政権の時ですが。それを適当に、非常に都合よく、民主党政権は何もしなかったみたいな虚偽の答弁をするのは極めて遺憾です。
 演説の中でも、子どもの相対的貧困率が2%減少みたいに言っていましたが、よく通常使われる厚生労働省の調査たる子どもの貧困率2012年、16.3%、6人に1人、この数字ではないのです。この数字は実は新しい数字は出ていないのです。驚かれるかもしれませんが、安倍総理が言っていた数字は、総務省の全国消費実態調査の数字が、子どもの貧困率に関してちょっと良くなっているということなのです。
 これまで子どもの貧困率に関しては政府のスタンスとして、一つの数値で見るべきではないと。子どもの相対的貧困率というのは、この数字だけで見てはだめだと。いろいろな要素を見て判断すべきだと、こういうふうに言ってきたのです。それを、ちょっといい数字が出たところがあったら、それをつまみ食いして、良くなりましたと言う。これは非常に欺瞞に満ちた態度だなと思いました。
 これらも今後、予算委員会などでも指摘しながら、今般取り上げた論点、外交、それから皇室の問題。皇室の退位の問題に関しては、昨日、政府のほうから極めて方向性を一方向に誘導するような有識者会議の報告書が出ました。こういった問題も議論していかなければならないし、憲法、さらには働き方改革。昨日も、働き方改革に関しても何ら目新しい答弁はありませんでした。さらにはTPP、それから共謀罪。共謀罪については昨日、総理は、共謀罪が成らずば東京オリンピックの開催すら困難だ、というところまで言いましたので、一体そういう根拠がどこにあるのかといったことなども含めて、今後、代表質問も残っていますし、その次の予算委員会等々も含めてしっかり議論していきたいと思っています。

○天下り問題への文科省の対応について

【政調会長】
 なお今日、NCの場で報告しようと思うのですが、天下り問題、非常に問題の多い点が明らかになってきていますし、かつ、他の省庁にも広がりがあるのではないかということを強く思わせます。言語道断な案件であり、かつ他省庁への広がりもある案件なので、今後、全省庁的にこういった似たような事例がないかということも含めて、政調としても各部門を通じていろいろな確認作業をしていきたいと思います。
 どうも今のところは、各省庁に調査を求めるということで、各省庁の雰囲気を聞くと、まだ調査中ということしか返ってこないみたいですが、一体いつまでそんなはっきりしない状況が続くのかということも含めて、全省庁に網をかけて、類似の事案がないかということはしっかりチェックしていきたいと思っております。
 昨日、文科大臣は、自分のところに調査の報告が上がってきたのは12月に入ってからだ、12月の初旬だと言っていました。再就職等監視委員会が文科省に調査に入っているのは5月なのです。そうすると半年以上事務方で握って、かつ隠蔽工作をしたのかというような、非常に大きな文科省自体の問題もありますし、大臣に報告して以降の文科省でのそれこそ隠蔽工作がなかったのかといったことも含めて、文科省自体の問題もさらに、今、12時半から部門会議をやっていますが、しっかりここも追及していきたいと思っています。

○カジノ検証PTの設置について

【政調会長】
 最後にカジノ、IRですが、これに関してはこれから実施法がつくられることになっていますので、今日のNCでPTを設置しようと思っています。カジノ検証PTということで、今日承認が受けられれば長妻昭さんに座長を引き受けていただいて、これから1年かけて行われる実施法の整備、どうも与党の方ではギャンブル依存症対策をとればこのカジノの問題は解決するかのごとき空気を流している雰囲気がありますが、私達は全くそう思っていません。そもそも賭博を行うという違法なものが、どうしたら違法でなくなるのか。違法性阻却、こういった問題がしっかりなるのか。あるいはマネーロンダリング対策や、そもそも経済効果があるのかといった論点も含めて非常に疑義があります。こういった問題をしっかり議論するために、カジノ検証PTをつくって、これからきちんと議論していきたいと思っています。


■質疑

○日本型ベーシックインカム構想について

【時事通信・岸本記者】
 蓮舫代表がベーシックインカムについて代表質問で言及されていた。これについて、今後、マニフェストに盛り込むとか党の政策として掲げるとか、そういった部分についてコメントをお願いしたい。

【政調会長】
 実はベーシックインカムの考え方は、民主党から続く民進党らしい考え方でありまして、民主党時代にはご案内のように給付付き税額控除を提唱していました。かつ、今でも提唱しています。
 これは、非常に所得の低い方々には税制優遇措置を行ってもあまりプラスが効かないのです、所得が低いから、税を引かれる部分が非常に小さいので。控除のあり方を変えて、この方々には給付をしましょうと。所得の多い方々は、所得税を払っている金額が多いので、逆にこれに関しては格差是正的な税制が増えるようになるということで、格差是正をしていくという意味において非常に有効な税制になっています。
 この給付付き税額控除の中に、今回、秋の我が党税調答申の中にも盛り込みましたが、幾つかの種類がありまして、純粋に所得をならすという形での給付付き税額控除もあれば、あるいは勤労、働くこととミックスさせて、これはイギリスなどがとっている方法ですが、給与が少ないところまでは給付を行うけれども、一定程度働きが増えて給与が上がっていけば、その給付がなくなっていき、税額控除が少なくなっていくというような、働くことを促進しながらでも、非常に働く量が少なくて給与が低いという方に関しては給付が行われるというような、働くことを促進しながらも格差是正になるというような仕組みもあります。
 これは元々そういうことを想定していたわけでありまして、こういうふうにすることによって格差を是正し、一定の所得が確保されることによって、全体的な所得アップにつながり、かつ、その安心感が経済成長につながるというのが私達の理論です。その具現化として、先般、税調答申の中にベーシックインカムの考え方を一歩詳しく、解説的に書きました。このことを蓮舫代表、今回取り上げてくれたということなので、元々民主党から流れてきた民進党らしい政策として、これを選挙の中でどう掲げていくかということはまたその都度その都度で判断していきたいと思いますが、非常に私達らしい政策だと思っています。

○実質経済成長率・企業の休廃業の統計について

【東京新聞・我那覇記者】
 冒頭おっしゃっていた、都合のいい数字を持ち出して、というところに関連するかと思うが、今日の代表質問の中で特に二点、具体的に見解を伺いたい。
 蓮舫代表が、実質経済成長率で見ると安倍内閣は年平均1.3%。我々の時の1.6%を下回っているという指摘をした点と、自主的に休業・廃業・解散した会社の数を挙げていた。これに対して首相は、ことさら実質成長のみを持ち出すのは、デフレを自慢するようなものだと数字を挙げて言ったり、あるいは休廃業は、経済的に厳しいからということではない、という主張をされていた。これはそれぞれの根拠があるのだろうから、どちらが正しいのかというのはわからないが、民進党のこの数字のはじき出し方の根拠になった部分と、安倍首相の主張に対する反論があればお聞きしたい。

【政調会長】
 実質経済成長率は、内閣府の資料を取り寄せてきちんと計算したものです。今回GDP基準の改定があったので、前に比べると安倍政権の成長率がよく見えるようになっていますが、この基準改定なかりせば、去年の秋ぐらいまで予算委員会で述べていたような、ほぼ2倍の差をもって民主党政権の時のほうが成長率は高かったという数字になっていたと思います。
 実質経済成長率を基本的な根拠として挙げていくというのは、十分、理のある議論だと私達は思っています。なぜならば、経済成長というのは基本的には、経済学で言うとノミナルではなくてリアルで考えるのが、どこの経済学者においても筋だと思います。もちろん、例えば税収などには名目成長率がかかってくることになりますので、重要ではないとは申しません。しかし、実質的に国民の生活がよくなっているかどうか、実質的に元気になっているかというのは、実質経済成長率でしか計れない。つまり、名目経済成長率が伸びていればいいではないかという議論は、名目の物価が伸びていたら実質的には経済が伸びていることにはならないわけですから、やはり実質経済成長率で語らなければならないと思います。
 安倍総理の全体的な傾向として、名目を重視し過ぎて、実質を軽視し過ぎている。これが安倍政権の経済失政の根本にあると私は思っていまして、一番大きなところは実質賃金です。近代経済学のモデルの中でも、成長理論を述べる時には賃金は実質で議論しなければならない、これはもう鉄則です。名目で議論してしまうと間違えてしまうというのが、もう議論の鉄則なのです。そこを安倍総理は実質賃金を軽視し過ぎるが故に、何故消費が伸びないのか、何故景気が良くないのか、この煩悶に彼は苦しんでいるのだと思います。安倍さんの経済政策の間違いの根本を示す典型的な答弁だったなと、私は思っています。
 それから中小企業の休廃業ですが、これは私達、かねてから非常に多く問題にしてきました。倒産件数は少なくなっているけれども、休廃業はずっと同じレベルで高止まりしているのです。これは単に経済的な理由だけではなくて、後継ぎがいないとか、そういうことも含まれると言うのですが、それ自体が問題ではないかと私は思うのです。地元で中小企業の方々に話を聞くと、続けていくのがもうだめだと。跡取りも、跡取りせよと言えないという言葉があちこちから出てくるわけです。そもそもそういう実態をつくってしまったこと自体が大きな問題ではないかと私は思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 実質の伸びのところに関して、安倍首相は、民主党政権の時は物価が下がったことによってその分が見かけ上出ているのだということをおっしゃっていたかと思うが、この辺をもうちょっと具体的に伺いたいのと、休廃業で、それ自体が問題で、地元で後継者がいないと。その理由というのは例えばどういうところにあると見ていらっしゃるか。

【政調会長】
 民主党政権の時に実質経済成長率が伸びた理由は、リーマンショックから立ち上がったからです。リーマンショックから、あの一番厳しいところから立ち直るべく経済を興していったが故に、実質経済成長率が上がったということです。
 逆に言うと、全体的な物価レベルが下がったので、見え方の実質経済成長率が上がったという議論を安倍総理が言っているとすると、これは全く経済学を理解していない話であって、見え方の議論は名目経済成長率ですから。実質成長率は、名目を差し引くという意味において実質なわけであって、これが一番の実質なのですね。
 つまり通常は、物価等が下がっていく、つまり経済の基礎体温が下がっていく段階においては、いわゆる経済に存在する経済活動自体も停滞するわけです。経済活動が停滞しなかったから、物価が下がっているにもかかわらず、実質経済成長はプラスになっているわけです。つまり経済活動自体は、物価が下がった、つまり低体温になったにもかかわらず、経済活動は停滞しなかった。そこ自体が経済成長しているということなのです。これが実質なのです。安倍総理には、しっかり経済学を勉強してきていただきたいと思います。
 休廃業の点ですが、やはり安倍総理自身がアベノミクスのトリクルダウンにとらわれ過ぎていて、地方における人口減少、若者の流出等々に関する構造的なケアを全くしていないところに問題があると思うのです。やはり地方において若者が少子化によって少ない、若者が地方にとどまれない。こういった問題をどう回避していくのかという根本論に全く目を当てずしていること自体が問題だと私は思います。

○カジノ検証PTでの今後の議論について(1)

【時事通信・岸本記者】
 カジノ検証PTに関して。いつからいつぐらいまでという目安感があるのかという点と、カジノに対する党の方向性はまだ定まっていない、賛成派も反対派もいらっしゃると思うが、どういった部分に重点を置いて議論されていくのか伺いたい。

【政調会長】
 今日のNCで設置が認められれば、そこから活動を開始し、少なくとも政府が実施法をつくっていくところまでは担当してもらわなければならないと思っています。その後も政令・省令もありましょうし、その後のフォローアップもあるかもしれませんが、とにかく実施法をつくるところまでの大きな議論は、ぜひこのPTで頑張って対応していただきたいと思います。
 その時の視点ですが、前回、IR推進法に関して私達は、反対という態度を決めました。ご案内のように、ギャンブル依存症対策、あるいは賭博という罪、違法性をどうやって阻却するのか、これが全く明確ではなかった。あるいは収益の活用がどのように公共性、公益に資するような形で使われるのか、この辺も明確でなかった。マネーロンダリング対策や、経済効果もはっきりしない。こういったことを問題として述べましたが、これらを乗り越えて、カジノという意味での賭博を、違法でない、これでいいのだ、というふうにしていくのは、かなり至難の業ではないかと私は思っています。
 つまり、民間企業体でやることになっていますが、今、公営ギャンブルというものがありますが、公営ギャンブルにおいては、先ほど申し上げたような違法性の阻却がなされているわけです。ところが今回、民間という形でカジノをやっていく。その中でどのような法律構成、実体をつくっていけば違法性が阻却されるのか。かなり難しいことではないかなと思っていますので、先ほど申しましたように、ギャンブル依存症だけ対策をとっていればそれで許されるとするものでは全くなくて、民間企業のカジノの解禁を是とする法案というのは、日本で一般的に理解が得られるような形でつくるというのは非常に難しいと思います。

○トランプ米大統領のTPP離脱大統領令署名について

【毎日新聞・葛西記者】
 蓮舫代表が先ほどのぶら下がりで、米国のトランプ大統領のTPP離脱の大統領令への署名について触れて、これでTPPがなくなったというわけではありませんので、我が国政府を代表して粘り強い翻意を、トランプ大統領にはぜひしていただきたいと発言された。TPPを推進するという立場で、アメリカにTPP離脱しないように説得しろというのは、党の立場としての考えなのか。

【政調会長】
 私達は安倍総理に対して、トランプ大統領がTPPをやらないと言っている、もしそれが現実化した際に、じゃあどのような経済連携のあり方を日本として模索していくのかというようなことは考えていかなければならない、ということを求めていく立場にあると思っています。
 だから、TPPに関してどうするのかという、翻意を粘り強く求めていくというよりも、どのような経済連携を、保護主義に陥らないで、アメリカも世界のグローバルパートナーの一員として関与していくのかということを、日本から粘り強くアメリカに問うていく、求めていくという立場にあるのではないか。その意味での話ではなかったかと思います。

【毎日新聞・葛西記者】
 蓮舫代表は、TPP離脱を翻意させろという意味で言ったのではないと。

【政調会長】
 今回のTPP合意に関しては私達は反対ですから、その態度は変わりません。
 ただ、一般的に、先ほど申しましたように、やはり経済連携の重要性は日本全体としてはあるわけです。かつ、アメリカもグローバルパートナーの一角としてそれに臨んでほしいという、大きな論点はあるわけですから、その点は日本として言っていかなければならないと思います。

○カジノ検証PTでの今後の議論について(2)

【共同通信・野見山記者】
 カジノPTの中での議論に関して、民進党として依存症対策全般の議員立法の議論はその中でしていくのか。

【政調会長】
 ギャンブル依存症対策をどうするかというのも大きな要素の一つだとは思います。ただ、それだけが先んじて議論されることはないと思います。
 というのは、カジノをつくっていくというのがIR法だったわけですが、じゃあどのようなカジノになるのかというようなことがわからないと、どのようなギャンブル依存症対策が、他のギャンブルも含めた一般的な対策であったとしても、必要かというのはわかりません。よって、ギャンブル依存症対策だけを先んじて抜き出して議論することはないと思います。

○退位に関する有識者会議の論点整理について

【共同通信・野見山記者】
 冒頭で触れた天皇退位の有識者会議の報告書について、体裁を見ると、やはり特例法を推すような内容になっていることに関して、もう少し詳しくご感想と、その有識者会議の報告書の扱いについて、党内議論の上で何らか参考にするのかどうか、その扱いや位置づけをお聞きしたい。

【政調会長】
 これは政府の有識者会議なので、これはこれとして受け止めます。しかし、非常に一定方向にありきの報告だったなという感想は否めません。やはり1代限り・特例法でという方向が出されています。退位については、将来全ての天皇を対象とする場合について、課題が二十数項目ずらりと並び、今上陛下に限ったものとする場合についての課題が三項目しかない。並ばれた委員の方々も、本当に国民の意見を広く代表するような顔ぶれだったかというところにも疑義があります。
 これはこれとして、政府が出した報告書として受け止めながら、私達としては私達の考え方を皇位検討委員会で12月にまとめたわけですから、これを一つの基礎としながら、党内でもさらに議論をしていきたいと思います。ちなみに今日のNCでも長浜博行委員長からご報告をいただきますし、その後の衆参正副議長の下で行われている党の意見表出等々の中で議論を進めていきたいと思っています。
 もちろん、政局にしてはいけないという思いもありますし、天皇陛下に関わることなので、静かな中で議論していかなければならないということだとは思いますが、ただ、それは意見を言ってはいけないということとは違うと思いますので、やはり意見を述べるところは述べながら、どのような取りまとめになるかということに関しては、予断を持たずにやっていきたいと思います。

○共謀罪への対応について

【東京新聞・我那覇記者】
 共謀罪の関係で伺いたい。この点について、共産・社民は反対、現代版の治安維持法だと、かなり強い反発をした上で、できれば四党の連携するテーマにも挙げたいという意向も示しているようだが、民進党としてはどうお感じになっているか、考えをお聞きしたい。

【政調会長】
 共産・社民さんのことは、私はよく分かりません。ただ、法案に関しては、法案が出てきてから賛否は考えるというのが基本だと思っています。
 その以前の段階で、そもそも条約締結との関係で国内法の整備が必要なのか、どの程度必要なのかというのは、法律がつくられる前の論議でもありますので、こういったところは木曜日から始まる法務部門の議論などでも前提の議論として深めていきたいと思っていますし、今の流れで言うと、昨日、私も代表質問の中で問いましたが、基本的な入り方としては、そもそも条約を締結するのに我が国の国内法、刑法体系において、予備罪、幇助罪、共謀共同正犯等、幅広く規定されている中で、本当に条約締結のための国内法整備が必要なのかという立法事実をまず問うというところ、そういう切り口から入っていくのが正当かなと思います。