大串博志政務調査会長記者会見(要旨)

2017年2月7日(火)10時32分~10時43分
編集・発行/民進党政務調査会

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=viVEg448wQQ


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○「共謀罪」について

【政調会長】
 国会も動いており、予算委員会の議論の中でも、いろいろな論点がありますが、私からはまず「共謀罪」です。ご案内のように法務省から昨日、大臣の答弁が二転三転している中で、「法案を議論している最中なので予算委員会では議論してくれるな」という、議論を封殺するようなとんでもない見解が示されました。官房長が撤回したようですが、私達の感覚からすると、撤回して謝罪で済むような問題ではないと思います。
 ご案内のように、条約を締結するために本当に何が必要なのかが、国会でも議論になっています。政府が示した3事例は、現行法で対応できるのではないかという議論もかなり国会では詰められました。そもそもの立法事実が欠けているのではないかと思わせる法務大臣の答弁が続いている中、政府は「法案をつくる」と、国内法の対応は必要だと明言しているわけです。では何をもって必要なのかという説明責任は政府にあるわけで、ここのところの説明が十分でないと思っています。
 私達は、部門での議論も進めてもらって、本当に「共謀罪」等々の名のもとに包括的な国内法をつくることが必要なのか。個別に対応するのではだめなのか。
こういった入り口の議論をしっかりしていきたいと思いますし、そこが鍵ではないかと思っています。

○天下り問題について

【政調会長】
 それから今日は天下り集中審議(公務員の再就職のあり方と行革等に関する衆議院予算委員会集中審議)でありますが、与党側から、あたかも民主党政権の時に再就職等監視委員会の人選をしなかったことも含めて問題である、という話がありましたが、全く違います。
 私達はそもそも、第1次安倍政権の時に退職後すぐ再就職できるように規制緩和したことが大きな問題であり、ここに今回の問題の核心があると思っています。
ですので、私達は、当時対案を示して、退職後2年間は、それまで5年間勤めていた職場と利害関係のあるところに就職してはならないという規制があったわけですが、これを2年間ではなくて5年間に延ばすべきだという対案も示していたところでございます。
 この根本のところが間違っているから天下りのあっせんがはびこるのであって、この基本論点は繰り返し主張していきたいと思います。今、内閣部門とムダ遣い解消プロジェクトチーム合同のヒアリングをやっていますが、法案となると内閣部門になると思いますので、内閣部門のほうでも、私達の考え方をきちんと示すような対案・法案づくりに着手してもらうようにお願いしています。
 その内容はこれから内閣部門で議論してもらいますが、例えば、大もとの問題である退職直後に就職できるとなっている点は、利害関係企業にさえ就職できますから、そこが問題であるという法律上の穴。あるいは刑事罰の問題やOBとの問題。こういった問題に対応するために、立法という形で私達の考え方を表せないかという検討を急ぎ進めてもらっているところでございます。大枠の議論をしていきたいと思っています。

○日米首脳会談・日米関係について

【政調会長】
 トランプ大統領と安倍総理が会われますが、10日に向けて、年金のお金まで使ってアメリカにアメを持っていくのではないか、お土産を持っていくのではないか、 この論点は引き続き国会でも議論されると思います。動きによっては、私たちもきちんと議論をしていかなければならないと思っています。
 入国制限に対する安倍総理の態度も、他国の首脳に比べると極めてぬるいものでありました。
 我が党の藤田幸久ネクスト外務大臣が、この数日間訪米していろいろな情報を関係者から入手し、人脈の構築等もやっていただきました。今日のNC(次の内閣)で、その報告も受けようと思っています。こういった知見も得ながらNCの中でも議論していきたいと思います。


■質疑

○「共謀罪」審議に関する法務省の見解について

【NHK・関口記者】
 冒頭に「共謀罪」に関する見解の話があったが、今日、官房長が(予算委員会)理事会の中で撤回した。しかし、それで済む話ではないということだが、具体的にどういった対応を今後求めていくお考えか。

【政調会長】
 国会での議論は進みます。政府は、「法案を国会に提出していないのだから議論するな」という考えを示したわけですが、少なくとも政府は、法案を提出することは明確に意思決定して国会で言っているわけです。では、なぜ法案が必要なのかという点は、私達政党に問う権利があるし、これは問わなければならないと思うのです。条約を締結するためになぜ包括的な国内立法が必要なのかという点は、すでに論点としてあるわけで、この点はしっかりと答弁を求めていきたいと思います。
 やはり法務大臣の答弁が二転三転していますので、ここのところはきちんと答弁できるかを見きわめていきたいと思います。大臣の資質にもかかわる問題ではないかと私達は見ています。

○天下り問題に対する法案の取りまとめについて

【時事通信・岸本記者】
 冒頭発言の中の天下りに関しての法案は、提出の時期はいつぐらいと見通しているか。

【政調会長】
 政府による調査が今、進んでいます。私達、合同部門会議でもヒアリングしています。ヒアリングの内容は、ご案内のように極めてはかばかしくなくて、各役所からの報告も「まだ調査中です」みたいな話ばかりです。
 そういう中で、現状がはっきりしないことは前提に、さはさりながら、第1次安倍内閣の時に国家公務員法を改正した内容自体がだめだったというのは私達の主張としてあるわけです。本来であれば、どういう問題があるかという現状認識をした上で、法案化するのが筋なのですが、それをやるとなると、政府からの調査結果の返しがいつになるかわからない。引き延ばし工作をしているのではないかというくらいの話なので、その事態を踏まえなければならないというニーズと、さはさりながら、私達の考え方をすぐ示していかなければならないという、この狭間の中で、「遅くよりは早く」という感覚で今、部門と話し合っています。

【時事通信・岸本記者】
 政府の調査結果を待たずして出すということか。

【政調会長】
 政府の全省庁調査は、「いつになるかわかりません」と、山本幸三国家公務員制度担当大臣の発言は要すればそういうことですね。これに鑑みると、調査結果を待ってという話にはならないと思います。
 かつ、今申し上げたように、問題の根源は、第1次安倍内閣で退職直後に就職できるようにしたこと。今日、江田憲司代表代行なども質疑をやっていると思いますが、退職翌日に、あるいは同日に就職している人もいるわけです。あっせんを禁じたからいいだろうと安倍総理は言いますが、退職当日に就職しているのに、本人もしくは他人のあっせんなくしてどうやって就職しているのかという話なのですね。だから、ザル法だったのです。もともとの安倍内閣の法律がザル法だったということはもう明らかなので、やはり退職後一定の(利害関係企業等に)再就職してはいけないという期間はあるべきだという私達の議論は正しいと思っています。
 この辺はもう議論として出ている話なので、早目に法案という形で意思を表していければと思っています。

○金田法務大臣の責任について

【共同通信・野見山記者】
 「共謀罪」に関しての金田法務大臣の答弁姿勢は、「資質にも関わる」ということだが、今朝も長妻昭予算委員会筆頭理事は、辞任要求もせざるを得ないという表現だった。今後のその可能性やタイミング等についてはいかがか。

【政調会長】
 予断を持っているわけではありません。ただ、大臣の答弁が二転三転していることは、非常にゆゆしき問題だと思っています。今国会、今日は天下り問題集中審議ですが、明日以降も質疑があります。そういった中でまた二転三転の答弁が続くようであれば、本当に資質を欠くと言わざるを得ないと、より明らかになってくる可能性もあると思っています。