参院予算委員会で28日、2017年度予算に関する基本的質疑の第1日目が開かれた。民進党からまず小川敏夫議員が質問に立ち、大阪の森友学園に異様な安値で国有地が払い下げられた問題等を安倍総理をはじめ財務省、国交省の担当者にただした。

 地価の8掛けが路線価というのが一般的な土地取引だが、森友学園に払い下げられた国有地の場合、その逆で路線価が12億7600億円であるにもかかわらず、地価が9億5600万円と鑑定されたことについて小川議員は、「異様に低い」と土地価格の算定のあり方に疑問を呈し、減額要因をただした。財務省理財局長は、地下3メートルまでの廃棄物と汚染土壌の除去費用を含めての算出だとの見解を示した。

 その9億5600万円の鑑定評価額からさらに8億1900万円を減額した理由について政府側が地下3メートルより深いところで新たな地下埋設物が発見されたからだと説明したため、それをどのように確認したのかをただした。森友学園側から杭打ち工事中に地下3.8メートル及び9メートル地点で廃棄物が見つかったとの通報を受け、財務省と国交省の担当者が2016年3月14日に現地に出向いたが、「埋設物を確認できなかった」と答弁した。

 これに対して小川議員は「確認もできないで8億円も引くのか。3月14日に現地に出向いて調査した時の写真をもらったが、全て地表の写真だ。地表を確認して、なぜ9メートルも下にある杭の中のごみが確認できるのか。3.8メートルのごみを確認できるのか。確認できないではないか。確認してないものを確認したと言い張っているだけではないか。国民を冒涜(ぼうとく)するのもいいかげんにしてもらいたい」と、政府による不適切な国有地の鑑定評価、払下げを厳しく批判した。