野田佳彦幹事長は3日、前日に続いて、今回は参院議長公邸で開かれた「天皇の退位等についての立法府の対応に関する全体会議」に出席し、民進党の考え方を説明するとともに、自民・公明両党に対して質問した。小川敏夫参院議員会長、長浜博行参院議員(党皇位検討委員会委員長)、馬淵澄夫衆院議員(党皇位検討委員会事務局長)も同行した。

 野田幹事長は会議後に国会内で記者団の取材に応じ、「今日は、(1)退位を検討する場合、一代限りとするか、恒久的なものにするか(2)それに関する法整備のあり方(3)今後の議論の進め方――などについて議論した」と述べた上で、「一代限りとするのではなく恒久的な制度にすべきであり、皇室典範の改正で一定の要件の下で退位を実現できる」という、民進党の考えをあらためて説明し、自・公両党に対し、「憲法2条には皇室典範で皇位の継承について定めるとある。皇室典範改正ではなく特例法という考え方を取る意味を質問した」と解説した。

 野田幹事長は、「自公両党はこれまで『一代限り』という言葉を使ってきたが、『将来の先例ともなりうる』と言いだした。これは天皇が崩御された時以外に生前退位がありうると認めていることだ。やはり皇室典範の本則で対応すべきではないかと主張した」と説明した。

 自・公両党から民進党に対し、「天皇の意思となると、憲法4条にある『国政に関する権能を有しない』に抵触するのではないか」との質問があったが、こちらは、「象徴天皇、人間天皇として、国事行為以外にもその意思で象徴としての公的な行為も行われてきている。意思なくして退位はないのではないか」「皇室典範改正にしろ、特例法にしろ、その意思を忖度(そんたく)して特例法を作ると言うことを言っているわけだから、立法事実としては意思の確認をするということではないのか」などと反論した、と述べた。

 大島衆院議長から「15日までに一定の取りまとめをしたい」旨の考えが示されたことに対しては、「今月中旬と言うことで言っていたと思うが固まったものではない。議論が進捗していった場合ということの目途だと受け止めている」「なるべく早くという思いが議長にはあると思うが、ならばもっと精力的に全体会議を開くべきだ」と指摘した。

 議論をお互いが主張するだけでは溝は埋まっていかないのではないかとの記者の質問に野田幹事長は、「国民の総意に基づく天皇の地位であるので、なるべく立法府が合意をするということが基本だ。細かい中身についてすべてを立法府で決めると言うことは無理かもしれないが、考え方の骨格、法案の骨格は立法府で合意し、総意を見いだすことを最後までやっていきたい」と答え、合意形成に向けた努力を惜しまない考えを示した。