参院予算委員会で23日午前行われた「安全保障・内外の諸情勢について」の集中審議に福山哲郎議員が質問に立ち、(1)学校法人森友学園への国有地払下げ問題(2)南スーダンPKOに関する自衛隊の日報問題――等を取り上げた。

 福山議員は23日の証人喚問の際の籠池理事長の発言が本当か虚偽か「正直なところ分からない」と前置きしたうえで、「しかし、ひとつだけ言えることは、虚偽を言えば偽証罪に問われる場で籠池理事長は証言した。そのことは重く受け止めなければならない」と述べた。一方、安倍総理夫人の昭恵氏がフェイスブックで反論めいたコメントを発信し、官房長官も記者会見で籠池理事長の発言を否定するかのような内容を語っていることを「証人喚問という土俵に籠池理事長だけを上げたが、その他の関係者は土俵の外。同じ条件でお話しを聞かないと、これだけ当事者がいるわけだからなかなか国民は納得しない」と指摘し、関係者の証人喚問を求めるべきと表明した。

 籠池氏が23日の証人喚問の場で読み上げた、買い受け特約付き定期借地契約の期間延長を籠池氏が昭恵氏に依頼し、後に「内閣総理大臣夫人付」という公務員の女性から届いたファクスでの返信に関連し、菅官房長官が同日夕刻の記者会見でこのファクスを資料として配布したことについて菅長官に資料の入手先などを確認した。菅官房長官は「夫人付きの谷さんという方から報告を受けた」「(ファクスを受け取ったのは)1週間前前後だった」旨を答弁した。財務省・国交省など政府に交渉経過の資料が何も残っていないとこれまで答弁してきたにもかかわらず、こうした資料を官房長官が配布したことについて、「谷さんのものだけが保存されていたのか」と福山議員が問うと、菅官房長官は「(保存されていたのが)谷さんだけかどうかはわからないが、少なくとも森友に対して、こういう封書があって、財務省に問い合わせをして、このように答えたということは、そこだけ報告を受けていた」と答弁。福山議員は他の府省にも保存されている資料がないかを確認し、あれば提出するよう官房長官から指示してほしいと求めたが、菅官房長官は「文書は谷さん個人から入手したもので、個人で対応したものであり行政文書には当たらない」などと強弁した。

福山議員

 菅官房長官記者会見では、当初、谷氏の氏名だけでなくメールアドレス・携帯電話番号まで記された資料がそのまま配られ、その後墨塗りの資料に差し替えられたことから、福山議員は「何をそんなにあわてたのか。野党に出されるよりも前に官邸で記者会見したかったと推察せざるを得なかったあわてぶり。この問題がいかに重要かの示唆だ」と語った。

稲田防衛大臣の発言の推移


 福山議員はまた、森友学園との関係について虚偽答弁をした稲田防衛大臣について「なぜ辞任させないのか」と安倍総理に迫ったが、安倍総理は南スーダンの日報問題等の対応も含め引き続き大臣の任に当たらせる考えを表明した。福山議員は「自衛隊の士気を下げないためにも辞任してほしい」と稲田大臣に求めた。

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