衆院予算委員会で11日、公文書管理問題等をテーマに集中審議が行われ、民進党会派である無所属の会の原口一博議員は、財務省が森友学園との取引の決裁文書を改ざんした問題について安倍総理らを追及した。

 原口議員は、森友学園が小学校建設予定地取得のために提出した取得要望書を見せ、取得の予算に借入金4億2千万円を含めて収入が6億2千万円と記載されていることを示した。そのうえで、財務省が当時森友学園がどのくらいの借入金をしていると把握していたか質問した。太田充理財局長は、「借入金全体で残高2億7千万円という状況と把握」と取得要望書の記載よりも少なかったことを示した。原口議員は、「会計検査院の報告を覚えているだろうか。だいたい上物だけで15億円くらいかかったと言っている。純資産が4億いくらだったと思う。今の借入金だけでも足りない。まして土地を10億買ったら全然無理。だから、どうして資金的にこれがオーケーになったのかが私には分からない。それを追う資料がないのが現状だ」と資金不足でありながら、土地を売却することを承認した理由が不明瞭であることを指摘し、改ざんした決裁文書14種類のうち13種類の原本が未提出であるためにこれを早急に示すように要求した。

 安倍総理が昨年2月17日に、総理自身や昭恵夫人が森友学園への国有地払い下げに関わっていたら議員辞職をすると述べた考えに変わりはないか質問したところ、安倍総理は、「私や妻が国有地払い下げや学校認可に関わっていないのはその通りだ」と答弁。これに対し原口議員は、昭恵夫人付であった谷査恵子氏が定期借地の優遇措置の件を財務省に問い合わせしていたことや、国有財産近畿地方審議会で森友学園と10年の定期借地契約をして10年後に本当に売却することができるのかを議論していることを指摘。「売り払いの時に夫人が出てきていないからオーケーなのではない」「この学校法人ではとても土地は買えなかった。あるいは建物について買えなかったから貸付けしなければいけなかった。貸付けに関わったかどうかが一番大事だ」と強調した。

 原口議員は、森友学園との取引を承認した状況を「適正だと判断できない」とし、当時の理財局長である迫田英典氏の国会招致と改ざん前文書の原本の提出を強く求めた。

PDF「原口一博議員予算委員会配布資料」原口一博議員予算委員会配布資料