参院本会議で27日夜、2017年度政府予算3案の採決が行われ、与党の賛成多数で可決・成立した(写真上は本会議に先立つ参院予算委員会での締めくくり質疑の様子)。

参院本会議で予算3案に反対の青色票を投じる蓮舫代表

参院本会議で予算3案に反対の青色票を投じる
蓮舫代表

 採決に先立ち民進党・新緑風会を代表して舟山康江議員が反対討論に立った。森友学園への国有地払下げ問題、天下り問題、南スーダンの日報隠ぺい問題等、予算審議で政治の信頼を根底から覆す様々な問題が噴出したが、政府与党が疑惑解明に及び腰であったため、結果的に充実した予算審議をできなかったと指摘。

 アベノミクスを最大限にふかすとする本予算に対しては「いくら金融緩和や財政出動を行っても、成長と分配の好循環を一向に生み出せないアベノミクスはもはや限界を迎えており、デフレ脱却、財政健全化、格差是正、これらいずれにも有効な手を打つことができない安倍内閣には直ちに退陣いただく必要がある」と批判し、反対討論を締めくくった。

PDF「参院本会議2017年度予算反対討論」参院本会議2017年度予算反対討論(予定稿)

■参院予算委員会締めくくり質疑

白真勲議員

白真勲議員

 参院予算委員会で採決に先立ち行われた締めくくり質疑に立った白眞勲議員は、国有地の森友学園への不当な払下げ疑惑等について安倍総理らの見解をただした。

 国有地の借地契約をめぐって森友学園理事長の籠池氏が安倍総理夫人の昭恵氏に相談したところ、総理夫人付の谷秘書から財務省とも調整済みの回答がファックスで送られてきた問題について「財務省に対する谷さん(総理夫人付秘書)の問い合わせは、谷さんの個人的なものというのが政府の見解か」と追及した。政府を代表して菅内閣官房長官が「そのように思う」と、森友学園への対応が谷氏の個人的なものとの驚くべき責任逃れの答弁をした。

 ところが、同じ自民党の下村幹事長代行が26日、この問題について「個人に責任に押し付けるのでなく、谷さんは谷さんの職務をきちんとやった。それに対して安倍総理夫人に報告した」等と述べたことを紹介し、「職務ではないのか」と政府側を再度ただした。内閣官房の土生内閣審議官が答弁に立ち、谷氏の職務について「(総理夫人の)公務遂行補助にかかわる連絡調整」と説明したうえで、籠池氏へのファックス送付行為は「職務命令範囲外であり職務ではない」と答え、政府・与党間での見解の相違が明らかになった。

■参院予算委員会での討論

藤末健三議員

藤末健三議員

 参院予算委員会で討論に立った藤末健三議員は、2017年度政府予算3案の審議について「森友学園への国有地払下げ問題の真相究明に対して、政府の予算を所管する財務省が関係文書を破棄するなど、非協力的な答弁に終始したことにより疑惑の解明が進まず、結果的に予算の議論が十分にできなかったことは大変遺憾である」と総括。

 2017年度政府予算3案については(1)財政健全化に真摯に向き合う姿勢が見られない(2)社会保障改革が不十分(3)少子化対策としての子育て支援が不十分(4)国民が求める適切な予算配分を実現できていない――という4点を理由に反対を表明した。 

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