皆様、こんにちは。本日はお招きいただきましてまことにありがとうございます。大変光栄かつ喜びに存じます。
 きょう皆様にお話しするのは、今とても話題になっている男女の平等と、その達成のために国会は何ができるかということです。
 世界経済フォーラムが発表した2016年のグローバル・ジェンダーギャップという男女格差指数で、アイルランドは世界で第6位、そして日本は111位でした。この指数が大事なのは、インプットだけではなく、成果にむしろ目を向けているからです。

 評価の対象となった健康や教育など幾つかの分野で、アイルランドと日本はどちらも高いスコア、つまり評価を得ております。基本的には同じレベルにあると思います。つまりトップクラスということです。

 ところが、両国とも評価が低いカテゴリーが幾つかあります。例えば経済活動への参加の機会と労働力参加ではアイルランドが70位、日本が79位でした。また同一職種同一賃金、または賃金平等性ではアイルランドが41位。日本は58位でした。

 政治への関与、つまり政治参画という項目におきましては、アイルランドが5位でしたが、日本は103位でした。ただ、ここには隠された事情があります。つまりアイルランドでは21年にわたって女性の国家元首、つまり大統領が在任したことによって、その分、順位がかさ上げされております。近い将来日本で女性の天皇が誕生する可能性は低そうですから、この部分でかさ上げを望むことは見込まれません。

 ただし、日本が評価を上げる分野として考えられるものの一つは、国会議員の女性比率です。この項目においては、現在アイルランドが65位、そして日本が122位です。1年前のランキングではアイルランドが95位でしたから、躍進が望めるということのあかしでもあります。また、日本は前の年には125位でした。それぞれに順位を上げたということは一つの成果ですが、両国ともにさらに改善していく余地、そして必要があります。

 アイルランドの順位が上昇した要因は、2012年に可決された法律によるものです。この法律によりまして、選挙に立候補する少なくとも30%は男性であるとともに、少なくとも30%が女性でなければならないと規定する法律です。そしてさらにこの比率は、2023年にはそれぞれ40%に引き上げられます。また政党がこれらの目標を達成できない場合には、国から党への交付金の半分を失うおそれがあります。ただ単に目標ではかけ声倒れになってしまうということがわかった結果、目標の達成に当たって交付金を失うことというものを、重要なポイントとして私どもは置いております。

 そして、この法律が可決されてから最初の総選挙は2016年2月に実施されました。選挙の立候補者のうち女性の割合は30%を超え、そして選挙結果として、国会議員に占める女性の比率は158議席中25議席から35議席に増加しました。女性議員が全議席に占める比率は16%から22%に増加したということになります。そして2011年に実施された前回の総選挙から38%増加したことになります。好調な滑り出しではありますけれども、さらに今後増加が見込まれます。

 アイルランドではこのように女性議員の増加に成功しました。それは単なる一例でありまして、正しい方法は一つではありません。日本は独自に解決策を見つけていっていただきたいと思います。

 EUでは、互いに学ぶ場を設けるために、日本のさまざまな分野との対話を始めております。EUとその加盟国は、成功事例から失敗事例まで幅広い経験を有しておりますので、この対話と議論を通じて、私たちの全てが相互に学ぶ合うことができると強く確信しております。民進党の皆様もぜひこの対話にご参加いただければ幸いに存じます。

 また先日、国連の国際女性デーを迎えましたが、今年のスローガンは、「変革のために大胆であれ」でした。おそらくこれは民進党の皆様にとってもより一層改革を進め、より多くの女性を国会に送り出すために、すばらしいスローガンになるのではないかと考えております。

 ご清聴ありがとうございました。