大串博志政務調査会長記者会見

2017年4月4日(火)11時40分〜11時51分
編集・発行/民進党政務調査会

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://www.youtube.com/watch?v=ipT7QLyjzKE


■冒頭発言 ■質疑

■冒頭発言

○民法・刑法の議論飛ばしての共謀罪審議は極めて遺憾

【政調会長】
 まず共謀罪ですが、昨日、与党の国対委員長会談において、6日から審議入りするということでしたが、その他にも法務委員会において継続の案件も含めて重要案件がある中で、何故それを飛び越えるような形で共謀罪の審議を強引に進めようとしているのか。極めて遺憾な動きだと私は思っています。
 民法改正は、もう2年前に国会に出された法案でありまして、審議に入ったのは前国会からですが、32時間の審議も行い、実は色々な修正に向けた議論もしているところです。120年ぶりの、債権に関する法律の改正ということで、これは社会・経済全体に極めて影響の大きい法律でありまして、こういうのはやはりきちんとやっていくべきだと思いますし、もう一つ、性犯罪の厳罰化の刑法改正も、被害者団体の皆さまをはじめ、極めて今日的なニーズの大きい法案だと思います。こういったものをすっ飛ばすかのごとく共謀罪の審議をするというのは極めて遺憾なので、私達がこの民法改正などに掲げてきた政策をしっかりこれから発信しながら、国会での議論は適切に行うべきということは言っていきたいと思っています。

○教育勅語の教材使用を是とする政権、戦前回帰の動き

【政調会長】
 もう一つ、非常に気になる動きとして、教育勅語の動きがありました。教育勅語を教材で使うことに関しては是とするという政府の答弁が出てきている。このことに関して、やはり私たちとしては、戦前回帰の安倍政権の動きを如実に表すものではないか、という気がしてなりません。
 これは戦後、衆参の院においてそれぞれ、失効、或いは排除するというような決議がなされてきた経緯のある事案でしたので、これを安倍政権の中において、あらためて肯定しようとしていくような動きというのは、本当に戦前回帰以外の何ものでもないという感があります。
 部門でもヒアリングをやったりしましたが、必要に応じてこれはまたきちんと政策的にも取り上げていかなければならないと思っています。

○天下り禁止法案、我が党と他野党で共同提出へ

【政調会長】
 天下りに関して、文科省の調査報告が出ました。先週の記者会見でも申し上げましたが、もうお手盛り以外の何ものでもない調査報告でした。あんな調査報告をしているようであれば、今後もこの天下り問題は続くと思います。
 これに当面きちんとした対応をするためにということで、先般NCでも「天下り禁止法案」を議員立法としてつくりました。他の野党の皆さんにも投げかけをしており、共産党さんと社民党さんから一緒にやりたいという話がありましたので、今日の午後にでも共同提出をしていきたいと思っています。


■質疑

○教育勅語、憲法や教育基本法に反しない形との意味追及

【時事通信・大塚記者】
 教育勅語について、政府が教育現場での教材の使用を容認したことで、今後、教育現場で使用が拡がる可能性があるが、これにはどう対応されるか。

【政調会長】
 政府は答弁の中で、憲法や教育基本法等に反しないような形でなら差し支えない、と言っているわけです。答弁書でこう書かれていますので、これが一体どういう意味なのかということは、当然国会の中でも論議していかなければならないし、そこが曖昧なままだと、なし崩し的に、排除あるいは失効されていた教育勅語が、また教育の現場に蘇ることになりかねません。
 私たちとして、国会の場でできることとしては、政府が出した答弁書の中にある、憲法や教育基本法に反しない形とは、一体どういうことなのか具体的に示すべし、ということはきちんと追っていかなければならないと思います。

○憲法に個々の議員に考えある、教育無償化はNCで立法

【共同通信・野見山記者】
 細野代表代行が近く発表する私案の扱いだが、今後、党の憲法調査会などでどういう位置づけになっていくのか。また、教育無償化については、党としては法律で対応しようという動きの中で、細野代行の私案との整合性はどうなるか。

【政調会長】
 憲法改正に関して、個々の議員が色々な考え方を持たれるということは、もちろんあり得るだろうと思っています。ただ、これはあくまでも個々の議員の皆さんが考えを持たれる中で、党としては憲法調査会において色々な議論をなされた上で、院の中における憲法審査会において、私たちとして意見を表出し、それがどういう動きになっていくかという流れの中にあるのだろうと思います。一議員の考えとして、色々な意見があろうというのは、否定できるものではないと思っています。
 一方、教育無償化との関係で言うと、私たちはこの法律をNCで提出することを確認しております。具体的な内容は今詰めておりますが、教育無償化に向けて、それこそ細野さんがトップを務めて、民進党の経済政策を昨年末にまとめ、そこで教育無償化をやっていこうということを、財源も含めて具体化してきていますので、基本的に教育無償化をやっていくという際には、やはり財源等も含めて立法し、それによって行っていくことは十分可能だと思っています。

○市民連合と四野党で場を持ち、最大公約数的にお答え

【読売新聞・工藤記者】
 明日5日に市民連合と四野党の意見交換が行われるが、どのようなテーマを中心に話し合っていく方針か。

【政調会長】
 明日夕刻に、市民連合の皆さんと四野党で話し合いといいますか、場を持とうと思っています。
 これは、市民連合の皆さんと四野党と色々な話し合いの場を何回か持つ中で、去年の12月に市民連合の皆さんから政策の提言をいただいています。その概要は市民連合のホームページに載っていますので見ていただけたらと思いますが、もう少し詳しい内容の政策提言をいただいていますので、これに対して四野党としてどう答えるか、ということがありました。
 これに関して、四野党として最大公約数的に答えられるとしたらどういうものか、ということを議論してきたというのが1月以降の話でして、これは皆さんご案内のところだと思います。
 一定程度のまとまりがつくメドが立ちましたので、明日夕刻、市民連合の皆さんと四野党で場を持って、市民連合の皆さんが掲げられている政策に対して、四野党として、もちろん4野党それぞれ政策が違うところがあるわけですが、四野党の公約ではなく、最大公約数的に言えるとするとどういうことか、ということを返すということですので、位置づけとしてはそういうものです。
 あくまでも誤解がないように考えていただきたいのは、四野党としての共通公約とか共通政策とかではなくて、市民連合の皆さんが提案された政策に対して、四野党がそれぞれ、具体的には違う政策ももちろんありますが、最大公約数的にお返しできるところは何かということを、あらためて市民連合にお返ししようと、そういう流れの話です。

○韓国大使帰任、どういう理由で何が得られたのか、説明を

【NHK・関口記者】
 駐韓国大使を韓国に帰すことをきのう決め、今日実際に戻る予定だ。このことについて、これまでの動きも含めて伺いたい。

【政調会長】
 私達はこれまで、1年数ヵ月前の日韓合意に関して、これが慰安婦問題に関する最終的、不可逆的な合意になるのかという点を、国会でも事実確認等々を行ってきました。事実で言うと、10億円の拠出がなされ、日本側としてこの合意に基づいてやるべきことはやってきました。
 そういう中で、韓国側の状況の変化の中で、慰安婦問題に関して不可逆的、最終的解決という状況になっているかというと、少女像が新たに据え置かれたこと等々を踏まえてみても、なかなか日韓合意が、その所期の履行状況になっているとは言い難いと思います。
 そういった中で、大使等の一時帰国という強い手段に出ていたわけですが、それを今般帰すということになりました。私たちの感じからすると、大使を帰国させるというのは非常に強い措置ですから、もちろん他国に対して、合意が履行されなかった場合に強い措置を示すというのはあり得ることだとは思いますが、今回、どういう理由で何が得られたから、どういう見通しがあって大使が帰国することになったのか、ということは、ちょっと不明確な気がします。この大使帰国というのは、一体何だったのか、どういう成果を生んだのか、どういう目的だったのか、というようなことは、きちんと政府に説明してもらわなければならないという感じがします。