大串博志政務調査会長は18日午前、定例記者会見を国会内で開き、(1)朝鮮半島にいる邦人の保護・退避(2)日米の経済対話(3)公文書管理法の改正(4)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案――等について発言した。

 安倍総理が北朝鮮をめぐる情勢に関連して「北朝鮮がサリンを含む弾頭を着弾させる可能性がある」と具体的な形で触れ、「圧力をかける必要がある」と発言したことについて、「そこまで緊迫感が高まっているのであれば、朝鮮半島にいる10万人近い邦人の保護・退避に関して具体的な準備がなされていなければいけないが、まだ『これから検討をする』と言っている。これは順序が逆ではないか。具体的に詰めて方向性を示さなければならない。それを行わず言葉だけで煽っているのならば、状況がエスカレートするだけだ。邦人の身を守る取り組みはどの程度行われるのか、確認していかなければならない」と強調した。 

 これから行われる日米安全保障環境や日米経済対話について、「どこまで深入りするのか、日本政府に対して慎重な判断を求めたい。トランプ政権はUSTR代表に関して議会承認を得られず、それ以下の数千人の局長や審議官の多くは着任していない。そのような状況で、アメリカはきちんとした考えを示せる段階になっているのか非常に疑問。日米の経済対話や貿易対話は慎重に臨むべきだ」と指摘した。

 森友学園問題から浮かび上がってきた政策面の対応として、「公文書管理法の改正を提案しようと思っている。1年以内の保存期間の文書に関して、重要性があるものが廃棄されて資料がなく、国有地の売却が適切に行われたか検証できない状況は、今後あってはならない。公文書管理法を改正して、文書の廃棄に関する行為を強く規制する法案を出していきたい」と述べた。

 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案」については、「総理は施政方針演説の中で『相模原市の障害者施設で刃物を持った男性が乱入したことで多くの障害者が命を落とした事件があったことから、2度とこのような事件が発生しないように法改正する』と言っていたが、先週からころっと説明が変わってきている。この事件の再発を防ぐための改正ではなく、『精神保健及び精神障害者福祉に関する法律』を適切に改正するという説明になっているので、そもそも総理が国会で言っていた説明と違う。目的が変わっているのであれば法律が成り立たなくなるので、しっかりと議論していきたい」と言及した。