野田佳彦幹事長は23日、福井県敦賀市を訪れて、福井県第2区総支部(斉木武志総支部長)主催の時局講演会に出席し講演を行った。

 野田幹事長は日米関係に触れて、トランプ政権が59発のミサイルを撃ち込みシリア攻撃を仕掛けたとされることについて、「手段と目的が一致していない」と指摘。トランプ米国大統領がシリアが化学兵器を使用したから攻撃したとしていることについて、「化学兵器は使ってはいけない。でも、誰が使ったか根拠は分かっていない。独断で59発のトマホークを撃ち込むやり方をやった。それが本当にシリアの改善につながるかはよく検証しなければいけない」と検証の必要性を強調した。

 野田幹事長は北朝鮮情勢も緊迫しているなか、4月15日に故金日成主席の生誕105周年の祝賀会と同じ日に安倍総理が桜を見る会を開催したことについて触れ、「国民には危機をあおって、官邸は危機管理は全然できていない。こういう緩みが出てきているのは非常に危険だ」と官邸の危機管理体制を批判した。

 野田幹事長は会場からの質問にも応じ、今後国民が民進党に力を貸したくなるメッセージを求められると、「議論はするが、決まったらみんなが従う政治文化をつくりたい。1年いろいろあったが採決で造反がでてない。当たり前のことだが、以前(旧民主党時代)はあった。民進党になってなくなった。議論しながらみんなが固まって行動することを示しながら、もう1つ頑張っている政党があると認識してもらって、2大政党になって自民党と競い合って、時に政権をとる。もう1回腹を据えてやっていきたい」と民進党が2大政党の一翼を担う決意を語った。

■野田幹事長ぶら下がり記者会見

 野田幹事長は時局講演会終了後に記者団からの質問に応じた。

 政府の有識者会議でまとめた退位後の天皇の名称等を定めた報告書について評価を問われると、野田幹事長は大喪の礼の方法について触れ、「8月8日のおことばのなかでは簡素なものを望んでらっしゃったと受け止めている。もがりの問題もご指摘されていた。その趣旨と合っているのか。個別に見るとなぜかと思うことがいっぱいあるのでよく精査していきたい」と慎重に検討する考えを示した。

 衆院法務委員会での共謀罪審議の中で、与党が法務省刑事局長を強行に政府参考人登録していることについて受け止めを問われると、「国会審議が形骸化に陥っている」と述べ、「緩みの話があったが、一方で多数のおごりになっている。そのことは法務委員会レベルでなく、国対や幹事長間で協議して対応ということになるかもしれない」と党幹部同士で協議し解決することに含みを持たせた。