民進党の野田佳彦幹事長は13日、木内孝胤衆院議員、7月に実施される東京都議会議員選挙の党公認候補予定者である浅野克彦(あさの・かつひこ)東京都議らとともに東京・練馬区内にある西武線石神井公園駅前で街頭演説を行った。

 この中で野田幹事長は、2009年の都議選当時、救急車がたらいまわしにあってしまう救急医療体制の問題が争点になっていたことを取り上げ、「私どもが政権を預かり、診療報酬を2回プラスに改定する中で救急医療に力を入れるようにした。そのことによって、たらいまわしのようなことはほとんどなくなった。だが、最近また救急体制の遅れが指摘されるようになった。やはり不断の努力が必要だ。この命の問題、健康の問題を直視して都政を考えるべきではないか」などと訴えた。

 木内衆院議員は、「豊洲の問題では、ややもすると揚げ足取り的な批判・追及も多く見られるが、浅野都議は、どうしたら都民のためにこの問題を解決できるのか、人を批判するのではなく、どうすれば落としどころを見つけて前に進められるのかと訴えていた」と浅野都議の都議会での豊洲問題への取り組み姿勢を紹介した。

 浅野都議は、「民進党と自民党が対立したり、小池都知事と都議会が対立したり、皆がいがみ合い、互いに非難し合って、それで誰が幸せになるのか。政治はできるだけたくさんの人を幸せにするためにあるのだと私は思っている。それを実現するためにいろいろな立場の意見を代弁して、それをしっかりとお互いに認め合いながら、話し合い妥協していく。それが民主主義だ。今の都政は残念ながら、相手の悪いところ、ウィークポイントを探そうとする政治が少しずつ進行している。これは何としても止めなければいけない」などと訴えた。

 演説後、記者団の取材に応じた野田幹事長は、憲法改正について、自民党の下村幹事長代理が、2020年の改正憲法施行に向けて、来年の通常国会での発議を目指す考えを示したことの受け止めを問われると、「憲法審査会の幹事同士のやりとりの中では、2020年ありきではないと自民党側から説明があった。加えて、読売新聞の発表、インタビュー記事も自民党向けだと言っていたから、自民党内でこれからいろいろ議論があることは分かるが、外向けに幹事長代理が1つの方向でものを言っているというのは、憲法審査会での幹事同士のやりとりとは違うのではないか」などと答えた。