野田佳彦幹事長は8日朝、7月に実施される東京都議選の党公認候補予定者である泉谷剛(いずみや・つよし)氏、鈴木庸介(すずき・ようすけ)東京都第10区総支部長とともに東京・豊島区内の東京メトロ有楽町線・要町駅付近で街頭活動を行った。

 野田幹事長は、天皇陛下の退位を実現する特例法案が9日の参院本会議で可決、成立する運びであることをまず報告。「昨年8月8日の天皇陛下の『おことば』を受けて、そのおことばをしっかり実現するために私たち民進党は自分たちの主張をまとめ、立法府での総意の形成に向けて主導的な役割を果たしてきたと自負している。女性宮家の創設などの検討課題も国会の決議のなかに文書として入れることができた」とこの間の取り組みを振り返り、「このように提案を行い、立法府の合意形成を図る役割をこれからもどんどん積極的にやっていきたい」と述べた。

 続けて、加計学園問題を取り上げ、「国政の野党第1党として、政府に不正の疑いがある、行政がゆがんでいる場合には、厳しくするのもわれわれの役割だ」と表明。「都政でも提案を行っていくと同時に、納税者の立場から行政をチェックをする役割を果たす人材が必要だ」と呼びかけた。

 国家戦略特区での加計学園の大学の獣医学部の新設をめぐっては、民進党など野党4党は、「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だと聞いている」などと記された文書を「本物だ」と証言している前川・前事務次官の国会での証人喚問とともに、この文書の存在をあらためて調査するよう求めているが、政府・与党は拒否している。野田幹事長は、「権力の私物化が行われていたのではないかとの疑いがある」と指摘。「海に釣りに行った。魚が釣れなかった。だから海には魚がいなかったというのと同じだ。釣り方が悪かった、場所が悪かったのだ。なぜあの行政文書があるところを探さないのか。残っていなそうなところだけ探して調査をしたということで国民が納得するはずがない。私たちはしっかりと戦い、事実を明らかにしていく役割を果たしていく」と述べた。

 泉谷氏は、豊島区議会議員を3期、東京都議会議員を2期務め、介護や環境、行政改革などの分野で活躍。特に介護分野では、自らヘルパーステーションを開設し、介護の現場で見聞きして感じたことを都政で提案してきた実績がある。

 泉谷氏は、今年2月、豊島区の西武池袋線の踏切で、手押し車を押して横断しようとしていた高齢者が電車にはねられ死亡した事故にも触れ、交通弱者に合わせた安全対策の必要性を強調。一例として線路の高架化やホームドアの設置を推進を挙げ、「人口減少が進み高齢化率が上がるなか、まだまだ東京には高齢者にとって大きなバリアがたくさんある。今の生活をより充実させていくための予算をつけていく。そのことによって日本の高度成長を支えてきた高齢者の皆さんが『東京で住んでいてよかった』と思える社会をつくっていきたい。高齢者の声を議会に届け、政治に反映させていきたい」と力を込めた。